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中と外がゆるやかに繋がる、森を目指した住まい。移住の地ではじまる3LDK3人暮らし(新潟県見附市)|みんなの部屋
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中と外がゆるやかに繋がる、森を目指した住まい。移住の地ではじまる3LDK3人暮らし(新潟県見附市)|みんなの部屋

2021-08-07 14:00
    新潟県は長岡市と三条市の中間に位置する見附市。県内で初めてSDGs未来都市に認定された住みよいまちに、今回ご紹介する大沼さん夫妻の住まいはありました。

    お名前(職業):大沼さん(会社員)、ご主人、娘さん
    場所:新潟県見附市
    広さ:3LDK/200㎡
    物件購入費:非公開
    築年数:1年未満
    住宅の形態:一戸建て
    間取り図:編集部作成

     

    夫妻はともに県外のご出身。仕事をきっかけに新潟の町の魅力に気づき、建てられた住まいは同じく町の魅力に触れてもらうきっかけになるようにという思いが込められていました。

    木の温もりと緑溢れる開放的なお庭で、町の景色も変えていく新たな住まいについて、お話を伺ってきました。





    お気に入りの場所

    好きな光景を眺めながら作業できるキッチン

    住まいづくりの中で特にこだわられたというスペースがキッチン。平日は広いお庭を眺めながら、休日は友人とともに話しながら料理ができる、大沼さんの理想を叶えたお気に入りの空間になっていました。

    木の色合いが特徴的なアメリカンチェリーのアイランドキッチンは利便性も抜群。

    「最初の設計プランでは、室内に向いた配置のキッチンだったのですが、今の景色が絶対に欲しくて変更してもらいました。友人を招いて料理をするのが好きなので、複数人でキッチンに立てられるよう導線を広めに設計してもらったのもポイントです。娘もお手伝いしやすそうですね」(大沼さん)

    最初は汚れが気になるかもとの不安もあったというキッチンの天板。ただ実際に使う中では、傷やシミも住まいの味になると気持ちが変わっていったそう。

    壁面収納は見た目だけでなく使い勝手もよさそうなオープン収納。寸法を細かくチェックし、一番使いやすいように設計されていました。

    「キッチン用品はどれも気に入ってるため、見せる収納にしています。窓から光が入るのも気分が切り替わっていいですよ」(大沼さん)

    ご主人のロマンが詰まった小屋

    キッチン脇のドアから直接アクセスできるようにつくられていたのが、ご主人の趣味であるキャンプ用品の収納を中心とした小屋スペース。ひとりで自分の時間を過ごすのにうってつけの空間になっていました。

    小屋に入ってまず驚いたのが、各所へのアクセスのよさ。

    「もともと自分の道具が多かったので、まずは片付ける場所をつくろうってところからはじまりました。片付けるとなると、次はそれをどうやって持ち出すかという話になり、ウッドデッキとガレージの両方にドアを付けたんです」(ご主人)

    壁面収納には、こんなひと工夫も。

    「棚収納以外の壁は壁面を有孔ボードにすることで吊るして収納できるように、機能性にもこだわりましたね」(ご主人)

    さらにとっておきは小屋の2階にありました。

    キャンプ用のチェアを置いてくつろげる空間は、プロジェクターを使って映画鑑賞も楽しめるなど、まさに隠れ家。ロマンが溢れていて羨ましいです。

    家事がスムーズに進むランドリースペース

    リビングスペースの奥にまとめて配置されていたのが、キッチン以外の水回り。1箇所にまとまっている分、使い勝手がよさそうです。

    「トイレの中で手を洗いたくないという思いから、トイレと洗面所をセットにしたのをきっかけに、お風呂、ウォークインクローゼット、洗濯機、乾燥機を一体化した設計になりました」(大沼さん)

    「結果的にまとまった、に近いのですが、家事がとってもしやすくて気に入ってます。身支度もすべてここで完了するので楽ですね」(大沼さん)

    お子さんが駆け回れるウッドデッキと縁側

    住まいの中でどこよりも居心地がよさそうだったのが、こだわりのお庭に繋がるウッドデッキ。

    「子どもたちがグルグルと走り回って遊べる導線になっているので、娘のお友達が遊びに来ると、窓を全開にして外とリビングを行ったり来たりして遊んでいます」(大沼さん)

    「それからここで食べるご飯は格別ですね。解放感もあって、いつもは話さないような会話がうまれたり、ゆっくりとした時間が流れます」(大沼さん)

    夏は、大人はお庭を眺めながらの食事、子どもはビニールプールを出して水遊び。そんな使い方もでき、家族みんなが楽しめる空間になっていました。

    この部屋に決めた理由

    広い庭のつくれる住まい

    ご主人の仕事がきっかけで宮城から新潟へ移住。最初はもっと自然豊かな山奥に住んでみたいという気持ちが強かったのだそう。

    「いろんな不動産屋さんに行ったんですけどいい場所が見つからず。周りからも子育てには中心地に出た方がいいと言われ、今の土地になりました。結果的にはバス停も近くにあり、他より少し高台にある分、水害の恐れも少なくなってよかったです」(大沼さん)

    自然溢れる環境への思いが強かったからこそ、つくりたかったというのが広々としたお庭と木が象徴的な住まい。

    「住まい自体も木の温もりがあるものにしたくて、杉板を使った住まいが特徴的だったオーガニックスタジオ新潟さんにお願いしました」(大沼さん)

    お庭の緑も住み始めてから徐々に増やしているということで、将来的には町中に現れる森のような空間をつくりたいのだそう。

    残念なところ

    2階から庭を見下ろせないこと

    家族みんなが好きなお庭の景色を唯一眺められないのが、2階のスペース。その背景には、この土地に暮らす上で避けては通れない住まいの形状がありました。

    「冬場の雪対策として、三角屋根で落雪できるようにしました。ただそれによって2階からの視界に死角ができてしまって……。お庭が今の広さまで取れる想定がなかったこともあり、少し残念でしたね」(大沼さん)

    お気に入りのアイテム

    ずっと使いたかった憧れの照明

    ダイニングスペースで使われていた照明は、住まいの中でも特に大沼さんの中で思い入れのあるアイテム。

    「ガラス作家の蠣崎マコトさんにオーダーして製作してもらいました。食事をしていて和食にも洋食にも合う照明だなと気に入っています。夜もこの照明を点けるだけでとてもいい感じになるんです」(大沼さん)

    家族同然の乾燥機

    冬場を中心に天候が悪いことも多い新潟県。どんなときも洗濯から乾燥までしっかりできる環境をつくることが大切になる中で、リンナイのガス衣類乾燥機「乾太くん」が生活必需家電になっています。

    「全員がお風呂に入ったら洗濯機をまわして、洗った洗濯物を乾太くんに放り投げて1時間以内には乾燥完了。『あ~まだ乾いてない!』っていうストレスから解放され、洗濯時間のコントロールができるようになりました。乾太くんなしの生活なんてもう考えられないですね」(大沼さん)

    つくり手から選んだ椅子

    1階の中心に位置するソファをはじめとしてお子さん用のものまで、チェア類は地元の家具メーカーnine(ナイン)さんにオーダーでつくってもらったもの。

    「隣町、長岡市の家具屋さんにオーダーしてつくってもらいました。実はソファは引っ越しに合わせてネットで購入したものがあったのですが、部屋には馴染んでないし座り心地は悪く、不具合もあり、失敗したんです」(大沼さん)

    その後オーダーしてつくってもらったというソファは、キッチンのアメリカンチェリーの木の色合いと揃えてセレクト。

    「このソファは自分たちで木の種類と生地を選ぶことができたのでよかったです。何より信頼できる方につくってもらったので、とっても気に入ってます。何を買うかも大事ですが、誰から買うかも同じくらい重要だなと感じるきっかけになりましたね」(大沼さん)

    小さい椅子はお子さん用で踏み台としても大活躍。スツールはフラットにつくってもらうことでサイドテーブルとしても使えるようになっていました。

    暮らしのアイデア

    素材感が家に馴染むかを意識する

    木の温もりある住まいを選んだからこそ、使うものの素材感も大切にされているそう。

    「無垢材をふんだんに使った家なので、プラスチック製品などはあまり使わないなど、購入する際に家で馴染むかを意識しています。視界に入ったとき気分が上がるものか、長く使えるものか、というのがポイントになっていますね」(大沼さん)

    家族でなくてもくつろげる空間づくり

    「住まいに人を招いて食事をするのが好きなので、友人やお客さんが来たときに居心地のいい空間かどうかも大事にしています。座る場所がちゃんとあるか、いつも花があるか、トイレを落ち着いて使えるかなど。自分の家のようにくつろいでもらいたいなという思いがありますね」(大沼さん)

    こうした心配りが、日々のお部屋を整える習慣にも繋がっていそうですね。

    これからの暮らし

    町を彩る森にしたい

    スペースを広く取られたお庭には、住み始めてから半年で大小50本もの植木を植えたとのこと。そこには住まいづくりをする際のコンセプトがルーツにありました。

    「設計士さんが話されていたのが、現代の町並みが無機質だということでした。そこで木を植え、緑の溢れる場所をつくることが町をよくすることにも繋がるというコンセプトをもらって、僕らもすごく共感できたんです」(ご主人)

    「チャレンジングなことをしているように思う方もいるかと思いますが、この土地に住む者として町の景観をよくすることにも関われたらと思いますね」(ご主人)

    お部屋の中だけに限らず、外に広がる意識の中で町の景観につながる住まいづくり。壮大だけどどんな景色になるかワクワクしますね。

    新潟に来るきっかけとなる住まいに

    大沼さんご夫妻も宮城から新潟に移住されたこともあり、町の魅力を住まいをきっかけに知ってもらいたいという思いがありました。

    「私たちの家が新潟にくるきっかけになれば嬉しいなと思っています。既に『大沼家にいきたいから新潟旅行に行こう!』と、他県の友達が初めて新潟を訪れる際にわが家に来てくれることもあって。そこから食や芸術など新潟の魅力を知ってもらえたら嬉しいです」(大沼さん)

    理想の空間が、ご家族の日々の暮らしだけでなく、友人へ、町への思いにも繋がっている大沼さんの住まい。

    お庭の木々のように、これからさらに地元に根付き、ご友人を中心に人との繋がりが青々と広がっていく中でどんな住まいができ上がるのか。これからの変化が一層楽しみです。

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