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住まいづくりのプロが暮らす2LDK。住みやすさを追求した一軒家リフォームとは?(新潟県長岡市)|みんなの部屋
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住まいづくりのプロが暮らす2LDK。住みやすさを追求した一軒家リフォームとは?(新潟県長岡市)|みんなの部屋

2021-08-15 12:30
    新潟県は日本一の大河・信濃川が市内中央に流れ、夏には日本三大花火大会のひとつ、「長岡まつり大花火大会」が行われる長岡市。

    町の中心地から広大な田んぼ風景を横目に車で15分ほど走った落ち着いたエリアに、今回ご紹介する菊地さん夫妻のお住まいはありました。

    お名前(職業):菊地慶太さん(大工)、多恵さん(住宅会社勤務)
    場所:新潟県長岡市
    広さ:2LDK/39坪
    物件購入費:非公開
    築年数:31年
    住宅の形態:木造2階建の戸建住宅
    間取り図:

    編集部作成

     

    長岡と佐渡という新潟県出身のおふたり。普段から仕事で住まいづくりに関わられている夫婦が理想の住まいにと選んだ住宅は、築30年の一軒家でした。

    多恵さんが設計を考え、慶太さんが手を動かして完成させた、住まいづくりの工夫について、お話を伺ってきました。





    お気に入りの場所

    こだわりのタイルで彩るキッチン

    多恵さんこだわりのキッチンは、時間をかけてカラーコーディネートを検討し、選び抜かれた空間。

    「キッチンはサンワカンパニーのオッソというステンレスキッチンを使っていて、すっきりとした見た目が気に入っています」(多恵さん)

    「正面のタイルは当初黒にしようと考えていたのですが、主張が強くなりすぎると思いやめました。サンプルを取り寄せる中で見つけた、今の名古屋モザイクのピュリティという磁器質タイルは、くすんだグレーベージュのような色合いと焼き物のような風合いが気に入っています。ブラックやステンレスのインテリアとの相性もいいので、キッチン回りの小物集めも楽しめていますね」(多恵さん)

    見せる収納を導入していることもあり、キッチンツールもこだわって選ばれたものばかり。見ているだけでテンションが上がるキッチン、家事も捗りそうですね。

    キッチンの設計でポイントになっているひと工夫は、作業台の幅と冷蔵庫の位置にありました。

    「作業スペースは通常だと、キッチンより狭めの幅でつくることが多いのですが、わが家では650mmで同じ幅にしています。こうすることによって見た目も統一感があっていいですし、食器を置いたり、片付けたりするときも一連の動作で行いやすくなるんです」(多恵さん)

    冷蔵庫は視界に入らない位置に置けるようようにスペースを取られたそう。玄関からはもちろん、冷蔵庫のサイドの壁と幅も揃っているため、ダイニングからも見えないようになっていました。こうしたひと工夫が日々の使い勝手のよさに繋がっているんですね。

    家に欲しかった土間スペース

    多恵さんが住まいづくりの情報を集める中で、欲しくなったとの話すのが土間スペース。

    「玄関から続く土間スペースが欲しかったので、元々縁側だった場所をモルタル仕上げにしました。薪ストーブを置く関係で半分ほどはリビングとフラットにしていて、冬は薪置き場として、それ以外の季節は観葉植物や好きなインテリアを飾るスペースにしています」(多恵さん)

    「多少汚れたり水が垂れても気にしなくていいので、機能的にも土間にしてよかったなと思っています」(多恵さん)

    シューズボックスは玄関入ってすぐの空間に用意。部屋に入る前に履き替えることで、掃除も楽になっているとのことでした。

    広めの設計でゆったりくつろげるDIYソファ

    住まいの中で、慶太さんの希望だったのがリビングのソファ。スペースに対して、幅が広めにつくられているのが特徴的です。

    「夫の1番の希望が大きいソファでした。あまり安いものは買いたくないけど大きいサイズだと値段が張るので悩んでいましたが、自分でつくると言うので幅やデザイン等は相談しながら進めました」(多恵さん)

    「後輩の大工の手も借りて、余った床材などを使いながらバタバタで完成させました。座面は無印のオットマンのクッションで、そのサイズに合わせて全体の寸法を決めています。サイズが大きく、ふたりでもゴロゴロできるのがいいですね」(慶太さん)

    ソファテーブルもまた、思い入れのあるインテリア。

    「結婚式で使うウェルカムボードをインテリアとして活用しています。式自体はコロナでなくなってしまい、ウェルカムボードとして使う機会はありませんでしたが、そこも含めて思い出のあるインテリアになりましたね」(慶太さん)

    この部屋に決めた理由

    しっかりとした元の住まいの構造

    一軒家に住むにあたり、予算も踏まえて、新築から中古物件のリフォームを考えたというおふたり。仕事柄、住宅への知見もあり、1軒目に訪れたこの物件ですぐに決定できたそう。

    「条件としては、東側が開けていて朝陽がしっかりと入ってくる立地。庭にできそうな場所があり、近隣との距離が程よくとれているということがありました」(多恵さん)

    「内覧に訪れた際は、敷地が思っていたよりも広大な面積だったのですが、建物も築年数の割にはしっかりした造りをしていたこと。歪みもほとんどなく、構造も補強すれば安心して暮らせそうだと思い、この場所に決めました」(慶太さん)

    残念なところ

    匂いが流れ込んでしまうクローゼット

    キッチンの隣にあるのが、通路で繋がったウォークインクローゼット。水回りがまとまっている方が便利だからとまとめられた空間ですが、人とともに匂いも行き来しやすい空間になってしまったのだそう。

    「設計上はまとめられたことによって、準備が1箇所でできてとても便利になりました。ただ、料理中の匂いも流れていってしまうため、匂いの強い料理をする際には注意が必要ですね」(多恵さん)

    お気に入りのアイテム

    気に入って買い足したスポークチェア

    以前同棲していた賃貸で使っていた長野県のhalutaさんのチェアを、新居に合わせて追加購入。住まいの中心で印象を左右するインテリアになるため、納得のいくものを買いたいという思いがありました。

    「結婚前に私が旅先で見つけて気に入ったチェアになります。使い心地もよかったので、新居に合わせてスポークチェアを追加で2脚購入しました」(多恵さん)

    チェアはダイニングのみならず、住まいの中で幅広く活用。

    「座るだけでなくインテリアを置いたり、家の雰囲気にピッタリ合っているのでお気に入りです」(多恵さん)

    新居での暮らし始めに縁を感じた写真

    「写真家の中川正子さんをずっとInstagramでフォローしていて、写真も文章も人柄も素敵でずっとファンでした。

    ちょうど引っ越してすぐの時期に、額装した写真の数量限定販売がされていて、ご縁だと思い購入。これから先、見る度にこの場所に住み始めたときのことや、家づくりをしていたときのことを思い出せるようなものになったらいいなと思っています」(多恵さん)

    暮らしの中で欠かせなくなった薪ストーブ

    冬場は雪の多い長岡での暮らしにあったらいいなと取り付け直した薪ストーブ(バーモンドキャスティングスのイントレピッドⅡ)は、暮らしの中で欠かせない存在になってきたそう。

    「あったら楽しそうという思いで薪ストーブを入れました。共働きで平日はあまり時間がないので、購入当初は休みの日だけ使おうと思っていたのですが、今年の冬は特に雪が多かったこともあり、毎日フル稼働でしたね。エアコンとは違った暖かさで、何より気持ちが落ち着くので入れてよかったなと思っています」(多恵さん)

    「最初は、仕事の現場で使われなくなった大型でモノとしてもいい薪ストーブを使えるという話もあったのですが、造りが古く、足りないパーツを補うのにも思った以上にお金がかかってしまいそうだったので諦めました。ただサイズだけを考えると、今よりもう1つ大きなものでもよかったかなと、使う頻度が増えていく中で感じましたね」(慶太さん)

    薪ストーブは会社で詳しかった方のオススメ。正面からだけでなく上から薪を入れる事ができ、天板に鍋を置いて料理もできる優れものでした。

    どんな料理にも合う器

    多恵さんが暮らしの中で少しずつ買い足されていると話す器。特にお気に入りだというのが齊藤十郎さんの作品です。

    「齊藤さんの器はふたつ持っているのですが、風合いがよくどんな料理にも合うので気に入って使っています。オーブンでも使えるため、使い勝手もいいですね」(多恵さん)

    暮らしのアイデア

    カラーコーディネートでバランスを取る

    キッチンでも話があった住空間の色合いは、多恵さんのイメージを中心に、実用性含め、慶太さんが最終チェックをしていました。

    「LDKの内装はグレー、ベージュ、ラワンが多く、どちらかというと淡い色合いなので、家具や家電、照明器具はマットブラックを選んでバランスを取っています」(多恵さん)

    「照明の色合いだけは、自分がひとり暮らしをしていたときと変わらず落ち着けるようにしてもらいました。昼光色は極力使わず、暖かみのある電球色を選んでいます」(慶太さん)

    また空間にメリハリをつけるため、寝室、2階へ繋がる通路はリビングと同じ白の壁紙を使わず木材を採用。

    メインカラーを多恵さんが決定された後に、慶太さんが細部を詰めていく。まさにふたりのコンビネーションでつくられた住まいとなっていました。

    これからの暮らし

    使い方の可能性や色合いを加えていきたい

    暮らしはじめて約半年。生活が落ち着いてくる中で、当初やりたいと思っていたことも自分たちのペースで進めていけたらと考えるようになってきたと話す菊地さんご夫妻。

    「土地を決めたときにジャングルと化していたお庭は芝生に変えて整ってきたのですが、ガレージとして使おうと思っていた小屋にはまだ手がつけられていません。購入したバイクも実家に置いたままになっているので、また手を加えたいという気持ちになったら着手したいと思っています」(慶太さん)

    「住まいの中でいうと、いい意味で生活感が出ている家が好きなので、シンプルすぎずにもう少しいろいろな色味や風合いのある住まいにしていきたいと思っています」(多恵さん)

    「庭もそうですが2階もほとんど手をつけていないので、これからの暮らし方に合わせて使い方を考えていきたいですね」(多恵さん)

    日々住まいづくりに関わるおふたりが、自分たちのためつくった住まい。おふたりのキャリアや、家族の変化に合わせてこれからお部屋がどのように変わっていくのか。

    使ってみたい、つくってみたいの先に広がる理想の住空間への道は、まだこの先もつづいていきそうです。

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