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図書館みたいな本棚に見守られ、家族が自然と集まるLDK。生活動線を意識した住まいづくりとは?(岐阜県各務原市)|みんなの部屋
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図書館みたいな本棚に見守られ、家族が自然と集まるLDK。生活動線を意識した住まいづくりとは?(岐阜県各務原市)|みんなの部屋

2022-02-19 14:00
    岐阜県は南部に位置し、岐阜駅にも、名古屋へもアクセスのいい土地でありながら、木曽川や大規模な自然公園などの自然も豊かな各務原市。

    駅からも近い住宅街の中に、今回ご紹介する福田さんご家族の住まいはありました。

    お名前(職業):福田さん(医療従事者)、ご主人(医療従事者)、お子さん2人
    場所:岐阜県各務原市
    住宅の形態:築2年 戸建て
    間取り図:編集部作成

    家族の成長に理想の環境を、と選んだ場所は、基礎工事のやり直しから必要な土地でした。

    それでも妥協せず理想に向き合った住まいは、大きな本棚や生活動線を考えた間取りなど、福田さん一家のライフスタイルから逆算した設計が印象的。

    家族の時間を大切にしたくなるお部屋づくりについて、お話を伺ってきました。


    ■目次
    1. お気に入りの場所
    多様な使い方ができる広い土間玄関
    家族が自然と集まるLDK
    学びの幹となっている本棚

    2. この部屋に決めた理由

    3. 残念なところ

    3. お気に入りのアイテム
    ハンスJ.ウェグナーのデイベッド
    少しずつ増えていった家族の横顔アート
    家族から受け継いだストウブの鍋

    4. 暮らしのアイデア

    5. これからの暮らし

    お気に入りの場所

    多様な使い方ができる広い土間玄関

    外観からも特徴的だったのが、広々とした土間玄関。最初に設計案として出された際には、空間の有効な使い方が思い浮かばず、戸惑いもあったのだそう。

    「正直、最初は土間をつくる想定もなく、ここで何をしたらいいんだろうと思ってしまったスペースでした。

    ただ実際に暮らしてみると、開放感があり、使い方にも多様性があって、つくってもらってよかったと感じられるスペースになりました。住宅街ではあるのですが、大きな窓を配置したことで、借景が楽しめるのも気に入っています」(福田さん)

    後になって後悔するくらいであれば、少し頑張ってでも理想の空間をつくりたかったと話す福田さん。提案されたスペースではあったものの、使う素材には自身のこだわりを伝えたといいます。

    「当初は既に予算をオーバーしていたことからモルタルを薦められたのですが、タイル張りの建物の雰囲気が好きで、追加で費用をかけてでも仕上がりにはこだわりたいことをお伝えしました。タイルも大量にサンプルを取り寄せて、納得がいくものをとことん探しましたね」(福田さん)

    他にも、居住スペースとの間に間仕切り戸を設けることで、外からの視界を遮ることができるように。暮らしに合わせて使いやすい空間になっていました。

    家族が自然と集まるLDK

    おうち時間の大半を占めるLDKは、空間としても広く取られたメインスペース。家族の好きな景色が詰まった空間でした。

    「大きな一つのスペースとなっていて、家族の存在感を感じつつ、やりたいことをそれぞれが好きな場所で取り組めるようになっています。吹き抜けを採用しており、開放感がありますね」(福田さん)

    「窓から見える空の景色が好きで、当初の案より、大幅にサイズアップしてもらった窓がお気に入りです。休日に空をのほほんと眺めている時が最高に心地いいですね」(福田さん)

    開放感のある空間をつくり出すため、吹き抜けや大きな窓のほか、階段もスケルトンに設計されています。

    「キッチンは、憧れていたオーダーキッチン専門店へ依頼しました。コロナ禍で外食が難しかった中で、新しいキッチンで楽しく料理ができたのはよかったです」(ご主人)

    平日はキッチンに立つことの多いご主人にとって、キッチンからお子さんが見えることがとても大切。

    「キッチンに立っていてもコミュニケーションが取りやすく、家族との時間が共有できている感じがするのがいいですね」(ご主人)

    ダイニングテーブルでの勉強から、本棚のある階段での読書まで、さまざまな過ごし方ができる広いLDK。そのすべてが視界に入るのは、特にお子さんが小さいと安心ですね。

    学びの幹となっている本棚

    住まいの中で特に印象的なのが、吹き抜けの天井まで届く大きな本棚。住まいのテーマともリンクした、大切なインテリアです。

    「住まいを建てる前後に仕事の関係で試験勉強があったり、まちの好きな要素のキーワードに『学び』があったりしたことから、『学ぶ』という言葉が住まいづくりのテーマになっていました。その上で提案されたのが現在の本棚です」(福田さん)

    「正直まだまだ埋められていないのですが、子どもたちが本を読む時間が増えるきっかけになっているなと感じています。景色としても、本棚を眺めていると気持ちが落ち着きますね」(福田さん)

    今後本棚が埋まっていけば、上の方の本も取り出しやすいように梯子をかけたいと話す福田さん。海外の図書館のようで、それもまた絵になりそうですね。

    この部屋に決めた理由

    家族のライフスタイルに適応していける住まい

    今の住まいを建てる前から仕事の関係で同市内に住んでいた福田さんご家族。

    駅も近く人通りがあり、近隣には大きな公園がある現在の住まいは、子育てにも適した環境。その一方でなかなか空きが出ず、土地探しには苦戦したそう。

    「子どもが小学校に入る前に土地を決めたいという思いもあったため、予算の関係で一度は諦めていた『基礎からやり直す必要がある土地』を、再検討して工務店とも話し合い、決定しました。

    土地決定から竣工まで約2年半かかってしまいましたが、地主さんもすごくいい方で、住まいが建った際に報告したら喜んでいただけましたね」(福田さん)

    建設にあたってはご夫妻の要望をノートにまとめて、設計を依頼した田中工務店さんに共有したそう。

    「住まいを設計してもらう際に、住まいの構成要素やデザインというよりは、私たちのライフスタイルや理想の暮らしなど、中身を知ってもらった上で進めてもらいたいという思いがあり、ノートにまとめました」(ご主人)

    できあがった設計は、お子さんが小さい時から成人して家を出た後まで「変化を持たせられる家」を目指し、2階をワンフロアにして自由度の高い間取りに。まさに家族のライフスタイルに適応させながら暮らせる住まいとなっていました。

    残念なところ

    ちょっぴり不便な家電の配置

    一度は検討したものの、最終的には変えずにちょっぴり不便を感じているというのが、サニタリースペースの家電レイアウト。一番奥に乾燥機、その手前に洗濯機が並んでいます。

    「ガス線が表に出ないように、洗濯機とガス乾燥機を置くスペースを考えたのですが、乾燥させた衣類をたたむスペースへ運ぶまでの距離が生まれてしまって……。日々家事をする中で、位置を逆にすれば楽だったなと感じました」(福田さん)

    お気に入りのアイテム

    ハンスJ.ウェグナーのデイベッド

    リビング中央に置かれ、部屋のシンボルとなっていたのがハンスJ.ウェグナーのデイベッド。名古屋市の家具屋Favorで、新居のために購入されたインテリアです。

    「北欧系のソファを探していた中で、お店の方から紹介いただいたものです。ヴィンテージのため一期一会だと思い、出会ってすぐに購入を決めました。住まいが完成するまでしばらく預かってもらっていたのですが、無事に迎え入れることができてよかったです」(福田さん)

    少しずつ増えていった家族の横顔アート

    住まいが完成するまでに徐々に増えていった横顔のアートは、福田さんが知人の方に紹介してもらったという岡美里さんの作品。

    「住まい完成までに徐々に揃えていきました。アートを購入するのが初めてで、住まいに飾った時の感じが想像しずらいところもあったのですが、実際に飾ってみるとインテリアにも馴染んでくれてよかったです」(福田さん)

    家族から受け継いだストウブの鍋

    ストウブの鍋は、ご主人のお母様から受け継がれた大切な調理道具です。

    「もともと料理の好きなお義母さんだったので、子どもたちにもそんなおばあちゃんが使っていた道具で料理を食べさせてあげたいという思いもあり、いただいたものです」(福田さん)

    「コロナ禍で料理をする時間が増え、煮込み料理などをつくる機会も増えた分、美味しく料理がつくれるストウブは手放せませんね」(福田さん)

    暮らしのアイデア

    生活動線を意識した間取りと収納

    賃貸での経験も活かして考えられていたのが、生活動線を意識した住まいづくり。メインとなるLDKに生活感が出過ぎないように収納も考えられていました。

    「共働きのため、家事の負担を軽くすることを夫婦で話し合って、間取りや収納スペースに反映させました。

    アパート時代に不便だった経験から、今回の住まいでは通勤、通学用品の収納スペースを玄関からリビングまでの動線上に必ずつくろうと決めていました」(福田さん)

    家を出た後のちょっとした忘れ物なんかも、玄関にメインの収納スペースがあればすぐに取って出直せるので便利ですよね。

    「ダイニングからも収納スペースが近いため簡単にしまうことができ、子どもたちが片付ける習慣を身につける上でもよかったなと思っています」(福田さん)

    同じく、動線を考えてまとめられていたのがサニタリースペース。

    「ガス乾燥機(乾太くん)の導入で、洗濯物を干す、入れ込む作業がなくなり、時短になっています。また、ファミリークローゼットとランドリースペースを近くに配置したことで、子どもたちだけで洗濯物をしまうことが可能になり、家族内でそれぞれが役割を持って過ごすことができていますね」(福田さん)

    共働きということもあり、家族それぞれで家事に参加しやすい住まいづくりをしていた福田さんご夫婦。それは家族団欒の時間をつくり出すことにも繋がっていそうですね。

    これからの暮らし

    暮らしの中で使うものを整えていく

    妥協なく、居心地いい空間をつくり上げられた福田さん。今後はお子さんの成長に合わせて、使うものに意識を向けていきたいそう。

    「住まい自体は納得のいくものができたので、今後は少しずつ器や照明器具、椅子など、日々暮らす上で使うものを住まいと家族の好みにあったものに揃えられたらと思ってます。

    また家族の変化に合わせて、そうした持ち物の整理や収納スペースの見直しは随時取り組みたいですね。変えていくものをつくる一方で、自分らしく過ごすことができる空間を整えていくことは変わらず大切にしていきたいです」(福田さん)

    全員で新しい住まいの暮らしを大切にされている福田さん一家。

    これからさまざまな体験、経験が年輪のように刻まれていく家族の学舎は、まだその可能性を前に新芽が芽吹き出したばかりです。

    Photographed by tsubottlee

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