Photographed by 田中宏和
今年の夏のように、倒れてしまいそうな猛暑もキツいものですが、生命力を削ぎに来る極寒も、やっぱりツラいですよね。
四国の平野部に住んでいる私にとって、厳しい寒さを体感するのはスキー場に行ったときくらいですが、それでも寒さに慣れていない分、重ね着しすぎて汗ばんでしまったりと、寒さは本当に苦手なのです。
そんな中、宇宙服に使われる素材で作られたジャケット「EARO-WARE」をお借りできることに。興味津々で試してみました。
とにかく軽い
まず何を置いても書いておく必要があるのは、着心地の軽さ。
“-79℃以下の極寒の中でもしっかり冷気を遮断” できるということなので、それなりの着心地を想像しつつ袖を通しましたが、「EARO-WARE」は拍子抜けするほど軽いのです。
その理由は、薄さ、軽さ、透湿性を備えた複合材「S.KISTLER®︎」(キスラー)エアロゲルを素材に採用しているため。たった2mmの厚みにもかかわらず、一般的なグースダウンなら45mmの厚みに換算できるほどの保温性を確保できるとのことですよ。
さすがにウィンドブレーカーやジャージと比べれば、それなりの厚みと重量感がありますが、言うまでもなく、これらとは全く防寒性能のレベルが違います。
また、「S.KISTLER®︎」を採用しているおかげで100%動物繊維フリーになっており、細菌の繁殖が抑えられ、ニオイを生じにくいという点も、見逃せないポイントになっていますね。
保温性能を支える熱反射素材
裏地の一部には、金属のように輝く銀色の裏地が使われています。
「SILVER-HONEYCOMB REFLECTIVE(シルバーハニカム・リフレクティブ)」と名付けられたこの素材は、身体から放出される赤外線熱を反射し、熱を効率的に閉じ込めてくれるということ。
背面とフード全体に付けられているので、寒さを感じやすい頭部、首筋から背骨に沿った部位を効果的に保温してくれます。
フードは、レインコートのように喉元をしっかりカバーできる形状。ネックウォーマーなどを併用しなくても、寒さを感じることがないとアピールされています。
実際の話、今年、やっと冷え込み始めたタイミングでの撮影でしたが、セルフタイマーで自撮りしている数分の間に、あっという間に汗ばむほど熱くなってしまいました。
風を通しにくい生地ですので、真冬の屋外でも快適に違いないと思わされます。
超撥水コーティングと止水ジッパー
アウトドアといえば、天候の急変にも困らされるもの。
「EARO-WARE」は、この点にも抜かりはありません。超撥水コーティングが施された生地は、ご覧の撥水性能。
雨混じりの雪に降られたときくらい、テンションが下がる状況もそうそう無いと思いますが、水を吸い込んで重くなったり、体温を奪っていく心配も無用でしょう。
ただし、お手入れ方法については、ちょっと注意が必要になっています。
原則、汚れのあるスポットだけ手洗い 漂白剤、柔軟剤不可 アイロン不可 ドライクリーニング不可洗濯機での洗濯も非推奨、熱湯や高アルカリ性の石鹸、洗濯粉の使用もNGとなっていますので、基本的には洗えないと考えておいたほうがいいと思います。
目立つ汚れが付いた部分だけ、手で水洗いするようにしましょう。
また、ジッパーも止水仕様になっています。
ポケットの中身まで、しっかり雨から守ってくれますので、財布を取り出したら紙幣やレシートがビショビショになっていた、なんて心配も無用です。
もちろん、風が強いときでも、袖口に冷たい空気が侵入しにくい構造を採用しているなど、細部の仕上げもしっかり。
また、単なるアクセサリーとバカにできない、コンパスの装備もありがたいポイント。
スマホやGPS端末が使えない危機的状況に陥ったときでも、進むべき方向を知る助けになるでしょう。
個人的にも、今年のスキーは、ぜひこのジャケットを新調していきたいところです。
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