※本記事は2023年2月8日に公開された記事の再掲載です。
Text and Photographed by 松本日奈
料理家の松本日奈さんが、キッチンにまつわるあれこれをつづる連載「キッチンにひと工夫」。
今回ご紹介するのは、フランス生まれのお菓子「オランジェット」です。
正直、手間はかかるけど、美味しくてついつくっちゃう
甘夏やオレンジなどの皮(ピール)の砂糖漬けに、チョコレートをコーティングした「オランジェット」。
柑橘の爽やかで甘酸っぱい香りとチョコレートの組み合わせが大好きで、この時季によくつくるお菓子のひとつです。
オランジェット自分でつくるようになると、その美味しさに「オレンジの皮を捨てていたなんて、もったいなかった」と思うはず。今回は甘夏でつくりましたが、皮が肉厚の柑橘ならどれでつくっても美味しくできます。
<材料>
・オレンジや甘夏(無農薬やノーワックスのもの)…3〜4個
・グラニュー糖…オレンジの皮の70%の量
・チョコレート…200gほど
・水
<つくり方>
1. 甘夏を洗い、チーズおろし器を使って表面の皮を薄く削る。
2. 皮に十文字の切り込みを入れてむく。
3. 皮を0.5〜1cmの細切りにして鍋に入れ、たっぷりの水を加えて沸騰させる。沸騰したら一度湯を捨て、水を換えて再び沸騰させる。この作業を2回繰り返す。
4. 鍋に再び水を入れ、皮が手でちぎれるくらいの柔らかさになるまで30分ほど煮る。
5. ザルにあげ、もう一度たっぷりの水に浸ける。そのままひと晩おく。
6. 皮の量を計り、その70%のグラニュー糖を用意する。
7. 皮を鍋に入れ、グラニュー糖の半量を加えて中火にかける。
8. グラニュー糖が溶けたら残りの半量も加えて、皮が透き通ってくるまで弱火で煮つめる。
9. 火からおろしてよく冷ましたら、湯せんして溶かしておいたチョコレートにくぐらせて常温で固める。チョコレートは部分的につけるのでもOK。
<ポイント>
・手順2…表皮の脂の部分はアクや苦味が多いので、ここを薄く削り落とすと、すっきりと色もきれいに仕上がります。
・手順3…何度か湯をゆでこぼす作業は、「おしるこ」の回にもご紹介した「渋切り」で、苦味やアクを取るためにおこないます。
・砂糖はグラニュー糖でなくとも、白砂糖やきび砂糖でも構いません。私は優しい甘さが好きなのできび砂糖を使いますが、きれいなオレンジ色に仕上げたい場合はグラニュー糖がいいでしょう。
・チョコレートはクーベルチュールチョコレート(製菓用)が使いやすいですが、市販の板チョコでももちろんできます。
皮をむき、水を何度も換え、皮を煮たあとにひと晩おいて……正直、ささっとできるものではありません。
でも、丁寧に時間をかけてつくると、その分ちゃんと美味しくなってくれるお菓子なので、この時とばかりに、せっかちな私もゆったりとした気持ちで向き合います。時には手間を惜しまずつくるのもいいものですよ。
もしオランジェットをつくるためにオレンジを買ったら、果肉の部分はそのまま食べるのはもちろん、ソースやサラダに使って料理のレパートリーを増やしてみてください。
材料3つ、砂糖はたった5gで大満足スイーツが完成。甘さ控えめの「カリふわチュロス」
コンビニのチョコフェアに、ハマってます
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