本来の機能を保ち続けるためにはメンテナンスが欠かせません。
では、正しい防水・撥水アウターやダウンのお手入れ方法とは?
アウトドアのプロフェッショナル、モンベル渋谷店の店長・相﨑さんに自宅でできる洗濯方法や、撥水機能を回復させるコツを教わりました。
教えてくれた人
モンベル渋谷店 店長 相﨑郁哉さん
防水・撥水アウターには専用の洗剤や中性洗剤を
撥水加工は、ホコリや汗、皮脂などの汚れや摩擦によって撥水基が倒れることで水を弾く機能が低下します。
洗濯すると撥水加工が取れてしまう印象がありましたが、実際は逆なんですね。
相﨑さん「撥水加工が施されたものは、専用の洗剤や中性洗剤で洗うのがおすすめです。酸性やアルカリ性の洗剤だと生地を傷めたり、防水透湿性などの機能を損ねることがあります」
モンベル「O.D.メンテナンス マルチクリーナー(300mL)」1,320円(税込) モンベル O.D.メンテナンス マルチクリーナー 300mL 1,320円 公式ECで見る !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet")
「O.D.メンテナンス マルチクリーナー」は、防水透湿性素材や撥水加工を施したウェアやギアなどの洗濯に適した中性洗剤。繊維を傷めることなく、汚れを落とすことができます。
アウター以外にもテントやバックパック、綿やウール製品など文字通りマルチに使える洗剤です。
早速、ウィンドブレーカーを洗濯してみます。使うのは、マルチクリーナーとつけ込みタイプの撥水剤です。
まず洗面器に水を張り、マルチクリーナーを入れてかき混ぜます。ちなみに洗剤の量は、ジャケット1着につきキャップ1杯分(15mL)が目安です。
混ざったらジップを閉めて空気を抜いたアウターを入れ、やさしく押し洗いしながら5分ほどつけ置きます。
4〜5回ほど押し洗いしただけで、水が茶色く濁りました。こんなにも汚れていたとは……。
十分に洗えたら、次はすすぎ。
相﨑さん「すすぎは通常の倍ほどしっかり行なってください。すすぎが足りないと、残った洗剤が水を導いてしまって逆に濡れやすくなることがあります」
モンベル「O.D.メンテナンス はっ水剤(つけ込み専用)300mL」2,420円(税込) モンベル O.D.メンテナンス はっ水剤(つけ込み専用) 300mL 2,420円 公式ECで見る !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet")
しっかりすすいだら軽く水気を絞って、いよいよ撥水剤につけ込みます。
洗面器に水と撥水剤を入れてかき混ぜます。ジャケット1枚につき、水5Lとキャップ2杯分(30mL)の撥水剤が適量です。
撥水剤が染みわたるまでやさしく揉み込んで、10分ほどつけ置きます。
なお、撥水剤はすすぎ不要。脱水にはかけず手で水分を押し絞り、乾燥機にかけたら完了です。
相﨑さん「今回のウィンドブレーカーは問題ありませんが、防水素材の製品は水を通さないため、脱水すると空回りして洗濯機の故障の原因になることもあります。その場合は脱水はかけずに軽く手で水を絞る程度で十分です」
撥水性を取り戻すには熱を加えるのが重要
撥水加工を施したアイテムは、自然乾燥ではなく乾燥機にかけて乾かすべきなんだとか。
そもそもなぜ水を弾くかというと、撥水基と呼ばれる産毛のような層が毛羽立っているから。
汚れがついて倒れた撥水基は洗うことでピンと復活しますが、まだ安定せずグラついている状態なので、熱を加えて再び毛羽立たせることが重要なのだとか。汚れて絡まった髪の毛を洗ってドライヤーでブロウする、みたいなイメージです。
相﨑さん「乾燥機がない場合はドライヤーを当てたり、当て布をしてアイロンがけでもOKですが、できれば乾燥機でまんべんなく熱を加えてほしいです」
全国に展開するコインランドリーチェーン「Baluko Laundry Place」には、モンベルの撥水剤を使ったメンテナンスができる「モンベル撥水コース」もありますよ。
Baluko Laundry Place。カフェが併設されている店舗もある。
ダウンやレインウェアの他にも、寝袋やスキーウェアなど水洗い&タンブル乾燥OKのアイテムなら利用することができます。
2024年3月時点で利用できる店舗は、東京・代々木上原、北海道・小清水町、大阪・西区新町、奈良・天理丹波市の全国4店舗。今後、さらに対応店舗が増えてくれたらうれしい!
手軽に使えるスプレータイプもある
メンテナンスアイテムは、店舗レジ付近などに置いてあることが多い。
モンベルには、つけ込みタイプ以外に、着る直前にも使えるスプレータイプや、洗ったあとにシュシュっと吹きかけるミストタイプなど、使用タイミングに応じた3種類の撥水剤が揃います。
モンベル「O.D.メンテナンス 撥水スプレー(170mL)」990円(税込) O.D.メンテナンス はっ水スプレー 170mL 990円 公式ECで見る !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet")
一番手軽なのはスプレータイプ。
乾いた衣類にさっと噴きかけるだけで撥水効果が得られます。ウエアだけでなく、テントや靴などこまめに洗えないアイテムにも使いやすいのが特長です。
こちらは熱処理要らずです。
ダウンも洗濯機で洗えるよ
モンベルにはダウン用の中性洗剤もあります。
薄手のダウンを洗濯機で洗ってみることにしました。
モンベル O.D.メンテナンス ダウンクリーナー 300mL 1,430円 公式ECで見る !function(t,e){if(!t.getElementById(e)){var n=t.createElement("script");n.id=e,n.src="https://araklet.mediagene.co.jp/resource/araklet.js",t.head.appendChild(n)}}(document,"loadAraklet")
洗濯機に水を張り、ダウンクリーナーをキャップ1杯分(15mL)投入。かき混ぜたらダウンを洗濯機へ入れます。
ダウンが完全に水に浸ったら洗いスタート。マルチクリーナー同様、すすぎはしっかり通常の2倍行います。こちらも脱水にはかけずに乾燥させます。
ダウンのかたよりを防ぐためにも乾燥機の使用がおすすめとのことです。
相﨑さん「ダウンなど軽いものを乾燥機にかける際は、テニスボールなど重しになるものを一緒にかけるようにしてください。ボールが衣類を叩き、中綿が固まるのを防いでフワフワに仕上ります」
今回は、スプレータイプの撥水剤を使ってみました。
衣類から15cm以上離して、全体がしっとり濡れる程度吹きかけます。シミになりやすいので、一点に集中しないように吹きかけるのがコツ。
あとは、撥水剤のニオイが消えるまで20分ほど乾燥させたら完了です。
白なので余計に汚れが目立つ。
全体的に黄ばんで汚れていたダウンが……
襟や袖の汚れも落ちて、しっかり水を弾くように! 洗濯前に比べて中綿のボリュームも回復しました。
GORE-TEX製品にも使える!
なおGORE-TEXアイテムも今回紹介した方法でお手入れすることができます。
相﨑さん「GORE-TEXの特長は、耐水性や防風性、蒸れにくさですが、撥水性が落ち、表面の生地が保水すると、蒸気を放出できず内側が蒸れて冷えの原因につながります。一見、雨などの外的な侵入を防げていたとしても、機能が低下している場合があるので、定期的なケアは欠かせません」
モンベルでは、2024年3月1日より対象のGORE-TEX製品をお買い上げの方に、マルチクリーナーと撥水剤のお試しサイズをプレゼント中です。
来たる行楽シーズンに備えて、衣替えも進めつつ、新しい1着をお探しの方はぜひこの機会に!
協力:モンベル 渋谷店
しばらく使わないアウトドアグッズの保管は「モンベルの収納袋」におまかせ。
モンベルで買ってよかった「小さいけどめちゃくちゃ便利なアイテム」