現在、地球上で電気の恩恵を受けていない人口は15億人ほどいるそうです。その人たちが夜になると明かりの代わりに使っているのが「ケロシンランプ」と呼ばれるもの。
しかし、そのケロシンが燃焼する際に放出される煙は、有害な成分がかなり含まれており、多くの人が肺ガンにより命を落としたり、ランプが原因の火災も大きな問題となっています。
そんな「ケロシンランプ」に代わる新しいランプを途上国に普及させようとしている人たちがいます。クラウドファンディングindiegogoで継続中のプロジェクト「GravityLight」のデザイナーMartin Riddiford氏とJim Reeves氏は、なんと重力を利用して電気を生み出すライトを制作しています。
本体から伸びるリボン状のものに重りの入った袋を引っかけ、その重りによって発生する重力を使って発電するというもの。約9kgの重りを引っかけることで30分ほど光を灯すことができるそうです。
アフリカなどの途上国で注目される自然エネルギーといえば「太陽光エネルギー」。しかし、設備投資にかかる費用や設置費用などの面から実用にはまだまだ時間がかかります。さらに、夜に電気を使用するためには蓄電が必要となり、そういったバッテリーを使用することで費用はより高くなります。
この「GravityLight」はバッテリーを排除することにより安価に大量生産が可能です。また、シンプルな構造のためメンテナンスも簡単。そして、昼でも夜でも、地球上であれば全ての人が平等に使うことの出来る「重力」をエネルギーにしています。
「発電力が弱い」「30分しか持たないのは面倒だ」そういう意見もあるようですが、デザイナーの目的はとてもハッキリとしています。「途上国にケロシンランプの代わりとなるライトを普及させる」。
デザイナーのこのシンプルで強い意思が素晴らしいプロダクトとなって、文句なしに表現されているのではないでしょうか。
GravityLight [indiegogo]