「Ouzo(ウゾー)」というお酒をご存知でしょうか?
ウゾーとは、スターアニス(八角)と微量のカルダモンの香りがついた蒸留酒。ギリシャやキプロスで作られていて、これらの国ではポピュラーなお酒です。フランスのPastis、イタリアのSambuca、トルコのRaki等に似ています。
ウィキペディアでは「ウーゾ」とありましたが、ニューヨークでの発音や、ギリシャ人やトルコ人の友人の発音が「ウゾー」なので、ここでは「ウゾー」と紹介します。
起源はギリシャのアトス山の修道院の修道士が、ツィプロというお酒にアニスの香りをつけたことにあるそうです。
ギリシャやキプロスの修道院では、それぞれのお寺でこのウゾーを生産して販売しています。アトス山の修道院を訪問すると、必ずこのウゾーのショットとルクミというお菓子がふるまわれるそうです。いつかアトス山に実際に行って味わってみたいのですが、女人禁制の山なので、私は行くことができないので残念です。神聖な場所で振る舞われるお酒となると、さらに気になります。
ギリシャには「Ouzeri(ウーゼリー)」と言われるカフェがあり、夕方にメゼデス(スペインでいうタパスのような前菜)と一緒にウゾーを楽しむそうです。
ポイントは、この強くて甘いお酒を「ゆっくりすする」こと。一日の終わりにスローダウンして、ゆっくりとした時間を過ごすという意図があり、とても神聖な時間に感じます。
お酒そのものは完全に透明なのですが、水や氷を入れるとイメージのように乳白色に変わります。ウゾーに含まれるアニスのエッセンシャルオイルがお酒には溶けますが、水に溶けないためです。色を楽しむのもウゾーの醍醐味です。
日本でも販売しています。そして、もしもギリシャやキプロスを旅することがあれば、ぜひ本場のウゾーもお試しください。
[National Geographic]