• このエントリーをはてなブックマークに追加

記事 1件
  • 第2回 セロトニン欠乏度チェック 前編

    2012-11-08 20:52  
    セロトニンという癒しと元気をもたらす脳内物質について、私が研究をはじめようと思ったきっかけは、実は「海」にあります。
     海は確かに激しく、荒々しい側面がありますが、母性的でどこまでも深淵な癒しをもたらす側面もあります。私はその美しく深淵なる海に学生時代に夢中になりました。
     私の大学時代は、まさに学生運動真っただ中でした。東大闘争と呼ばれるその時期に私は、まさにその中心の医学部におりました。大学は1年間休学になり、学内は紛糾状態。今とは違いますが、別の意味で学生達はストレスフルな状態にあったと私は思っています。
     そんな中、私は当時まだそれほど普及していなかったダイビングにのめり込みました。東大に潜水クラブをつくり、日本中をテントを携えて仲間と旅して回りました。今で言うアウトドア趣向のはしりと言えるかもしれません。
     しかしながら、当時はキャンプ場や施設が整備されているはずもなく、浜辺に場所をみつけてテントを立て、食べ物はモリで突き、山の植物を採取しては食べるというまさに野性的な旅でした。
     その時に大自然から受け取った感動がまさにセロトニン的感覚の発見だったのだと思っています。