野田稔・伊藤真の「社会人材学舎」VOL.8 NO.4
(最終号)

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コンテンツ

対談VOL.8
祐川京子氏 vs. 野田稔

夢は宣言すると叶う
そのために必要なのは
総合病院のような人脈

第4回 社の内外を見回して、キャリアは自分で選択するもの

Change the Life“挑戦の軌跡”
自分がありたい姿になるために起業した
――株式会社Chrysmela 菊永英里

第4回 目指すは“ドラクエ”フォーメーション

NPOは社会を変えるか?
第28回 次のターゲットは女性リーダーの育成
――日本政策学校 金野索一代表理事

粋に生きる
9月の主任:「松原智仁」
第4回  ブランドの認知はいかに広がっていくものなのか


ご挨拶

いつも、本誌をご愛読ありがとうございました。本年2月に発刊した本誌ですが、今号でひとまず終了とさせていただくことになりました。12月以降、しばらくの間は、創刊号からすべて無料とさせていただきますので、まだご覧になっていない号があれば、この機会にぜひご覧ください。
それでは、またお目に掛かれる機会を楽しみに。


対談VOL.8
祐川京子氏 vs. 野田稔

夢は宣言すると叶う
そのために必要なのは
総合病院のような人脈

本誌の特集は、(社)社会人材学舎の代表理事である野田稔、伊藤真をホストとし、毎回多彩なゲストをお招きしてお送りしてきました。

今月のゲストは、祐川京子さん。ベストセラーとなったデビュー作『ほめ言葉ハンドブック』(本間正人との共著)のほか、『キラリと輝く気くばり』『夢は宣言すると叶う』などを著書に持つコミュニケーションスキルのプロフェッショナル。現在は経営層に特化した大手人財紹介会社にてエグゼクティブコンサルタントに従事し、八戸学院大学・八戸学院短期大学地域連携研究センター客員研究員なども務めます。
そんな祐川さんは新卒で第一生命保険会社の一般職として入社、 その後、短期間で頭角を現し、法人営業を経て、営業スキルの研修講師として生保レディや異業種のビジネスパーソン約5000人に講演・研修を実施してきました。この対談では、そうした彼女のこれまでのキャリアにスポットを当てます。それはまさに、「夢は宣言すれば叶う」を実践してきた半生でした。

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第4回 社の内外を見回して、キャリアは自分で選択するもの

サンブリッジの次に、GEキャピタルへ
エスタブリッシュメント好きだと指摘され……

野田:サンブリッジに入社されて、ベンチャーバブルが崩壊してしまい本業は暇だったけど、その代り、本が書けて売れた。『ほめ言葉ハンドブック』に続いて、『夢は宣言すると叶う』(単著、中経出版)、さらに『ほめ言葉ワークブック』(共著、PHP研究所)、『人に好かれてうまくいく「愛嬌力」』(共著、大和書房)、『選ばれる人財!愛嬌力トレーニング』(共著、TAC出版)などと立て続けに出版されたわけですね。
祐川:はい。キャピタリストとしてはほとんど何のキャリアも築けないまま、それでも4年ほどサンブリッジにいました。結果的には、ベストセラー作家になるための期間で、人脈を増やすこともできました。
 4年後、私の所属する投資事業部は解散となり、会社を辞めることになりました。
 そこでハタとどうしようと思いました。今さら転職も難しいから独立するしかないと考えていたのですが、先行きの相談をしていた友人の一人でヘッドハンターの阪部哲也さんからある日の深夜に突然電話があり、「GEキャピタルで求人があるけどどうですか? リースの営業マンが経営者保険を販売する際の営業支援部門です。生保出身で、大企業と中小企業の両方に法人営業経験がある人。しかもダイバーシティの一環で女性を探しています。祐川さんのスペックにフィットしていますよ!」と打診を受けました。
野田:バリバリの外資系企業ですね。
祐川:正直、私はGEと聞いてもピンときませんでした。エジソンの会社とはいっても、よく知らなかったので、ましてやGEキャピタルもよくわかりませんでした。何人かに相談したら、「世界一の会社だよ。すごいチャンスだからぜひチャレンジしなさい!」と勧められました。調べたら、GEキャピタルといっても、実際には旧日本リースのことなので、英語力も全く必要なく、生保×法人営業×女性というニッチなスペックを募集しているときに、私が仕事を探しているという、ミラクルなタイミングの良さだったのです。
野田:確かに、滅多にないタイミングかもしれないですね。
祐川:はい。阪部さんいわく、私のキャリアブランディング上も外資の経歴は価値があるというわけです。エスタブリッシュメントの第一生命保険に15年いて、次にベンチャーキャピタルに4年。しかし、サンブリッジはベンチャーなので知らない人が多い。だから、ここに外資の、しかも天下のGEという経験を加えると履歴書上もすごく意味があると言われました。
 阪部さんにはこうも言われました。
「祐川さんはどこまで行ってもエスタブリッシュメント好きでしょう? 人脈は幅広いし、ベンチャー企業の経営者もたくさん知っているけど、仲がいいのはエスタブリッシュメント出身の社長がほとんどですよね」と見抜かれていたのです。
 私はそんなことは考えたことはなく、幅広くいろいろな方々と交流しているつもりでしたが、考えてみれば、経営者の人たちで仲良くしているのは、食事したり飲むときのときの話題が天下国家を語ってしまうような人間ばかりなんです。
「祐川さんはどこまで行ってもベンチャー企業より大企業のほうが好きなんですよ」とさえ言われました。
野田:そこを見抜く人もすごいな。
祐川:すごいんですよ。キャリアのバランス的にも外資系に行けるなら行っておいたほうがいいといわれて、入社しました。ところが、行ったら大変でした。プライベートの時間はゼロ。鼻血が出るほど忙しくて。全国にサポートに行かなくてはいけなかったし、サポートなのに数字を持たされていました。飛行機で移動中なのに、朝まで出さなければいけない資料を抱えているということも日常茶飯事で、毎晩会議があって、皆、寝ないのが当たり前。何とか3年頑張りましたけど、生きるのがやっとという状態で、これまでに培った大切な人脈のメンテナンスも出来ないありさまでした。
 そこに今度は、ある大手人財紹介会社の求人の話が来ました。実は10年ほど前から入社してみたいと思っていた会社なので喜んで採用面接に臨んだのですが、ヘッドハンターは未経験ということで、最終面接で落ちてしまったのです。ただ、これがきっかけで、あるエグゼクティブサーチコンサル会社に入社することになりました。1年ほど修業したところで唐突に、面接で落ちた会社から改めてお声が掛かりました。景気の上昇局面で陣容拡大中だったのです。それで再挑戦することにして、入社が決まりました。10年ほど前から入社したいと憧れていた会社に、リベンジ入社することができたわけです。そして現在に至ります。
野田:テレビ番組みたいですね。おもしろいな。必然がちゃんと必然としてつながっているのですね。
祐川:そうですね。