閉じる
閉じる
×
●ベースにあるのは「青少年ネット規制法」
●EMAとはなにか?
●「面識のない異性との出会い」を提供すると「出会い系サイト」
●コミュニティの規制へも発展
●ミニメールのやりとりから殺人事件
●青少年保護と表現の自由
(フリーライター/渋井哲也)
ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)のmixiのメッセージ(ミニメール)を運営側が監視していることが話題になっている。私の認識では、国内の大手SNSは数年前から、そうしたミニメール監視をしているという認識があった。なぜ今頃話題になったのだろうと思ったくらいだ。
(フリーライター/渋井哲也)
●ベースにあるのは「青少年ネット規制法」
ミニメール監視に影響を与えたのは、09年4月に施行された「青少年インターネット環境整備法」だ(内閣府の関連サイト)。いわゆる、青少年ネット規制法だ。18歳未満の青少年が利用するインターネットサービスは、この法律を守らなければならない。青少年に有害な情報がある場合は、閲覧をできる機会をできるだけ少なくしなければならない。つまり、青少年が利用する場合は、フィルタリングをすることになっている。
ただし、「表現の自由」や「通信の秘密」といった問題が生じる。そこで、法律の審議過程では国家の直接介入をするという考えもあった。しかし結局、自主規制という形を取ることになった。これは法律を制定する際にもっとも問題になった点だ。同法は民主党案がベースになったもので、自民党案はより直接介入の色彩が強かったが、党内でも割れていた。そこで民主案と自民案との折衷案となった。
具体的にどの表現やコミュニケーションをするのかは同法で定められていない。フィルタリング対象となる「青少年有害情報」とは何かを定義したわけではない。ただ、次のような「例示」がされている。
一 犯罪若しくは刑罰法令に触れる行為を直接的かつ明示的に請け負い、仲介し、若しくは誘引し、又は自殺を直接的かつ明示的に誘引する情報
二 人の性行為又は性器等のわいせつな描写その他の著しく性欲を興奮させ又は刺激する情報
三 殺人、処刑、虐待等の場面の陰惨な描写その他の著しく残虐な内容の情報
この記事は有料です。記事を購読すると、続きをお読みいただけます。
入会して購読
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。