和歌の世界では、「花」といえば「桜」を意味しますが、奈良時代までの日本人にとって、「花」といえば梅のことでした。
『万葉集』には、桜よりも梅の花を歌った歌が多く、桜が約40首詠まれているのに対し、梅は100首を超えています。
梅の花が咲くと、「春が近い」っていう感じがするし、梅の香りも好きです。
ところで梅を春の季語にした日本人の感性って、素晴らしいと思いませんか?
梅が咲く時期って、寒椿の咲く時期と同じ一年の最も寒い時期なんです。
寒椿は冬の季語
梅は春の季語。
一番寒い時期に咲く梅
を春の季語にしたところに、
日本人の素晴らしい感性が表れています。
夜明け前が一番暗いのと一緒で、もっとも寒い時期に咲く梅の花を見ると、春の訪れがもう目の前に来ていることを感じる⋯⋯。
梅の花を春の象徴とした日本人の感性って、素敵だなってあらためて思いました。
幸せから一番遠いように見えるところ。
でも実はそこに幸せの予感が宿っている。
そう感じとってきたのが日本人です。
だから梅の花言葉に
忍耐 があるんです。
いま幸せでないと感じている方がいたら、私はこう言ってあげたい。
幸せは、もうすぐそこですよ。