私の敬愛する人物に

ホセ ムヒカという人がいます。

先日彼は天国に旅立ちました。

「世界一貧しい大統領」

そう呼ばれた男でした。

彼はウルグアイの元大統領でありながら、大統領公邸には住まず、ボロボロの農場と13年乗り続けたフォルクスワーゲン・ビートルを愛し、給与のほとんどを寄付して暮らしていました。

若い頃、彼はゲリラ活動で捕まり、拷問と13年の獄中生活を経験します。真っ暗な独房で、自分の存在さえ疑い始めた日々。それでも、彼は憎しみを手放し、自由と愛の意味を悟って出所しました。

やがて大統領になっても、ムヒカは贅沢を拒みました。権力の座にいても「多くを持つことが幸せではない」と言い切り、物質主義に傾く世界に対して、静かに、しかし強く、疑問を投げかけ続けました。

ある記者が彼に問いました。「なぜ、そんなに質素な生活を続けるのですか?」

ムヒカは微笑みながら、こう答えました。

「貧しいのは、少ししか持っていない人ではない。無限に欲しがる人のことを言うんだよ。」

晩年、彼は愛する妻ルシアと共に、モンテビデオ郊外の小さな農場で野菜を育て、犬と暮らす穏やかな日々を送りました。病を患いながらも、人々の相談に耳を傾け、若者に向けて「怒りよりも、優しさを武器にしろ」と語り続けていました。

ある日、体調が思わしくない中でも、訪れた学生にこう語ったといいます。

「君たちは未来をつくる人だ。私のような過去の人間は、もうすぐ消えていく。でもな、心はいつも君たちと一緒にある。」

そして、最後の入院を前に、彼はそっとルシアの手を握って言いました。

「世界は変えられなかったかもしれない。でも、君を愛したことは、間違いじゃなかったよ。」

  

この言葉素敵すぎませんか?

最後に彼の遺した最後のメッセージで私が一番大好きな言葉を

記します

「人生は一瞬だ。だから、怒るより、抱きしめてやれ。」

        

         ホセ ムヒカ

心からの尊敬と感謝を込めて