人生の3分の2はいやらしいことを考えてきた。
『ゴジラ-1.0(マイナスワン)』、アカデミー賞受賞の吉報!
 出来ることなら、小学生だった頃の僕にも教えてやりたいものだ。きっと、得意気にこう言うだろう。「いつか取ると思てたわ!」と。
 でも、内心は複雑だ。
 今まで全く興味なかった者たちまでもが、これを機に、にわかゴジラファンと化すからである。それでは、自称だが『怪獣博士』のプライドが許さない(ちなみにそのプライド、“意固地”と訳すのが正しい)。
 それでも言わせて欲しい。勉強も運動もイマイチだった当時の僕にとって、怪獣の知識だけが唯一の自慢。そんな流行ばかりを追い駆けてる奴らといっしょにされては困るんだ。 
週刊文春デジタル