週刊文春デジタル
またしても父の話題となって恐縮である。
まるで父があの世からこちらを見ていて、
「オレのことを書くなら、ワルグチばかりでなくちゃんと書け」
と言っているようである。
ついこのあいだのこと、編集者の人たちとご飯を食べていた。話題はなぜか中国について。毛沢東の話がひとしきり続いて、その時私は思い出したことがある。
「そう、そう、胡耀邦さんが来日した時、うちの父は『胡耀邦の思い出』っていう文章を書いて、朝日新聞の『声』に投稿したんだよ。それ、ちゃんと載ったよ」
「えー!」
そこにいた六人はいっせいに声をあげる。
「それって、本当ですか!」
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