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夜ふけのなわとび 第1884回 林真理子「忙しい週末」
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週刊文春デジタル 1日前
母校日大の理事長になって3年め。 そろそろこの質問をやめていただきたい。「大学には週3回ぐらいは行ってるの?」「春休みとか夏休み、1ケ月ぐらいとれるんでしょ」 このあいだも親しい編集者に、「ハヤシさんが毎日大学通ってるなんて、誰も思ってないんじゃないですか」 と言われ、とてもショックを受けた。 あ...
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夜ふけのなわとび 第1883回 林真理子「春の運気」
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週刊文春デジタル 1週間前
長い会議を終えて部屋に戻ると、着信の履歴があった。それも何回か。かけ直すと、「あ、マリコさん! よかったー、話せて」 友人の奥さんの声。「あのね、今アメリカから電話があって、スポンサー筋から大リーグ開幕戦のチケットが手に入りそうなの。一緒に行かない?」 えー、あの開幕戦を観られるというのか。チ...
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夜ふけのなわとび 第1882回 林真理子「3月11日」
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週刊文春デジタル 2週間前
3月11日、14時46分、いつものように北の空に向かって黙祷をした。 今年で14年、風化することを心配してか文科省から毎年お達しがある。大学においては弔旗を掲げるようにということである。朝、通勤途中に銀行の前でも見たから、そちら方面にもあったのだろう。 新聞でも大きな特集が組まれていた。大切な人を突然奪...
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夜ふけのなわとび 第1881回 林真理子「言葉と数字について」
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週刊文春デジタル 3週間前
曽野綾子さんが亡くなった。 曽野さんとは、日本文藝家協会の理事会などでお会いする機会があったが、そう親しくさせていただいたわけではない。 元本屋の娘の私は、田辺聖子先生や瀬戸内寂聴先生なんかには、狎(な)れ狎れしく甘えさせていただいたが、曽野先生はちょっと近寄りがたい雰囲気があった。 背が高く...
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夜ふけのなわとび 第1880回 林真理子「7の月」
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週刊文春デジタル 4週間前
春は突然やってきたような気配を見せて、そしてすぐに去っていった。 この2、3日は本当に寒い。 朝、私はミルク粥をつくった。これは雑誌のエッセイに出ていたもの。冬の北欧ではよく食べられているものらしい。 お米を4倍のお水で煮て、あと同量の牛乳で煮つめていく。最後に砂糖をぱらつかせて出来上がり。体がし...
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夜ふけのなわとび 第1879回 林真理子「売れる本」
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週刊文春デジタル 1ヶ月前
先週歌舞伎座で、蔦屋重三郎を主人公にしたお芝居を見たと書いた。 大河ドラマの方も、毎週楽しみに見ている。吉原がこれほど忠実にたんねんに描かれたドラマはなかったのではなかろうか。こんなに面白いのに、視聴率がイマひとつなのは、「子どもに見せたくない親がいるから」 という説がある。 確かに子どもに、...
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夜ふけのなわとび 第1878回 林真理子「私は写楽」
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週刊文春デジタル 1ヶ月前
コロナの出口が見えかけた頃、ある人が言った。「これで日本のクラシックは終わるよ」 長年支えてきた中高年たちに、会場に行かない習慣がついてしまった。もう元に戻ることはないだろうと言うのだ。 しかしここのところ、私が行ったコンサートやオペラはどこもほぼ満員であった。若い人もいるが、やはり主流はある...
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夜ふけのなわとび 第1877回 林真理子「手土産」
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週刊文春デジタル 1ヶ月前
私のように会食が多いと、悩むのは手土産のことだ。 それが必要かどうか、まず考える。ワリカンで食べることになっているのだから、手ぶらでいいのではないかと判断していくと、よく裏切られる。「私だけ申しわけないです……」 それではと人数分用意していくと、持ってきたのは私だけ。「そんなに気を遣わなくてもい...
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林真理子×今村翔吾 皇族フェチと戦国フェチの矜持《『皇后は闘うことにした』刊行記念対談》
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週刊文春デジタル 1ヶ月前
小説が書けない……悩む林さんが向き合った、理不尽に抗う皇族たち。書店経営など多忙な今村さんが感じた、戦国の技術官僚たちの生き方。歴史小説の想像力、醍醐味を語る特別対談。
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夜ふけのなわとび 第1876回 林真理子「記者会見って」
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週刊文春デジタル 1ヶ月前
混沌を極めるフジテレビ問題。 あの記者会見の始まりを、日大本部で何人かで見た。「とても冷静には見られませんよね」 常務理事の一人がつぶやく。「これはおととしのうちとそっくり」「本当にそうだよねー。私はトラウマになってる」 と私。「あれはやった人でないとわからないよ。もう吊るし上げにあうわけだか...
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夜ふけのなわとび 第1875回 林真理子「SNSしかしない人生って…」
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週刊文春デジタル 2ヶ月前
日大の理事長にならなければ、ずっといい関係だったのに、と思う知り合いは何人かいる。 人間ではないけれど、フジテレビがその最たるもの。もう憶えている人も少ないと思うが、デビューしてすぐの頃、私はフジテレビのキャンペーンキャラクターをしていた。 時はあたかもフジテレビが黄金期を迎えようとしていた頃...
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夜ふけのなわとび 第1874回 林真理子「正月の冒険」
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週刊文春デジタル 2ヶ月前
暮れに、親しくさせてもらっている相撲部屋のお餅つきに行った。 お相撲さんのついたお餅は、粘り気が強く本当においしい。アンコや納豆、キナコと三種類頬ばったうえ、大鍋のちゃんこ汁もいただき本当にお腹いっぱい。 帰りにのし餅を二枚いただいた。 帰ってそれを切りながら、しばし思い出にふける私。子どもの...
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夜ふけのなわとび 第1873回 林真理子「沖縄に行こう」
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週刊文春デジタル 2ヶ月前
年の瀬も迫った頃、知り合いからこんなLINEが届いた。「ハヤシさん、お元気ですか。先日沖縄へ行きA子さんにいろいろなパワースポットに連れていっていただきました。とてもよかったです」 あれ、と私。「A子さんご存知なの?」「ハヤシさんにご紹介いただきましたけど」 いつも私はそうしたことを忘れてしまう。「...
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夜ふけのなわとび 第1872回 林真理子「銀座の不思議」
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週刊文春デジタル 2ヶ月前
銀座にはしょっちゅう行っているが、範囲が限られている。 日比谷近くのクリニックで、ビタミン注射をしてもらい血圧も計る。インフルエンザや帯状疱疹の予防接種もここでやってもらった。 帰りは四丁目の交差点に背を向け、数寄屋橋公園の前を通る。そして銀座ファイブを抜け、帝国ホテル近くの階段から地下鉄日比...
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夜ふけのなわとび 第1871回 林真理子「星に願いを」
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週刊文春デジタル 3ヶ月前
沖縄の知り合いから車海老が送られてきた。オガクズの中でまだ元気に動いている。「ひえーっ」 ライブは苦手である。しかし新鮮な車海老は食べたい。お手伝いさんに頼んでお刺身にしてもらった。 秘書のセトにも三尾あげた。「新婚の食卓にどうぞ。海老フライにでもしたら」 しかし彼女はその車海老を、水槽の中で...
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夜ふけのなわとび 第1870回 林真理子「朝食の幸せ」
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週刊文春デジタル 3ヶ月前
このところの時間の過ぎる早さといったら、空怖ろしくなるほどである。 もはや「十二月は逃げる」などといった、古風なやさしい表現など出来ない。 あっという間に週末がきて、月曜日になるとまたすごいスピードで金曜日が訪れる。そして土日も、これまたスケジュールがいっぱいだ。家でゆっくりしたことなど、この...
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夜ふけのなわとび 第1869回 林真理子「資生堂のポーチ」
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週刊文春デジタル 3ヶ月前
知り合いの作家が言った。「ハヤシさんのエッセイで、文藝手帖が今回限りだということを知った。すごくショック」 やはりあれは、文藝春秋から毎年送られてくるものだと思っていたらしい。 今年すでになくなっていたものがあった。それは新潮社のカレンダーである。余白のある大きなカレンダーをとても重宝していた...
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夜ふけのなわとび 第1868回 林真理子「アリダサイコー」
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週刊文春デジタル 4ヶ月前
有田と書いて、アリダと読むということを初めて知った。 和歌山県有田市のことである。ここで第二十回エンジン01文化戦略会議のオープンカレッジが開かれることになった。これまでの開催都市に比べてこぢんまりとした市で、人口は二万六千人だ。ここで一万数千人を動員するイベントを行なおうというのだから大変なこ...
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夜ふけのなわとび 第1867回 林真理子「谷川さんのこと」
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週刊文春デジタル 4ヶ月前
谷川俊太郎さんが亡くなった。 SNSというものによって、言葉は使い捨てになり、同時に人を傷つけるための小石やこん棒になった。 その小石をいかに効果的に投げられるか、人が競い合ったアメリカ大統領選挙や、兵庫県知事選挙が終わった頃、谷川さんの訃報が伝えられたのだ。 先週このページで、ずっとあると思って...
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夜ふけのなわとび 第1866回 林真理子「文藝手帖、お前もか」
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週刊文春デジタル 4ヶ月前
今日はショックなことがあった。 毎年十一月になると送られてきた、文藝春秋の「文藝手帖」。これが今年でなくなるそうだ。「戦前より発行してきた当手帖ですが、誠に勝手ながらこの二〇二五年版をもちまして、発行を終了することとなりました。 長年にわたり、日々の供としてご愛用くださりまことにありがとうござ...
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夜ふけのなわとび 第1865回 林真理子「国難に向けて」
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週刊文春デジタル 4ヶ月前
昨夜は眠れなかった。 トランプ氏が大統領選に勝利したからである。ウクライナの今後、ガザ地区の終わりの見えない地獄を考えて、目は冴えるばかり。本当にいったいどうしたらいいのであろうか……。 安倍さんがお元気だったら、なんとかなったかもしれない。安倍さんと仲よくしていた頃は、トランプさんはまだ、ちょ...
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夜ふけのなわとび 第1864回 林真理子「残念」
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週刊文春デジタル 4ヶ月前
最近これには驚き、そして腹が立った。 何かって国連女性差別撤廃委員会である。 日本に対して、選択的夫婦別姓の導入と、「男系男子」の皇位継承を定めている皇室典範の改正を勧告したという。 私は若い頃、夫婦別姓について声高に叫ぶ人たちに対し、正直、「めんどくさそう」 という感想を持っていた。 夫の姓...
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夜ふけのなわとび 第1863回 林真理子「読書週間」
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週刊文春デジタル 5ヶ月前
教育に関係するようになってから、私が注意していることがある。それは、「皆さん、本を読みましょう」 という言葉だ。 大学でも、附属の高校、中学に行っても、これを口にしたとたん、みんなさっとシラける。そして、「ありきたりのつまんないことしか言わない」 という冷ややかな視線が私にくる。 作家としてつ...
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夜ふけのなわとび 第1862回 林真理子「オバさんは思う」
コメ0
週刊文春デジタル 5ヶ月前
「マリコさんのエッセイって、この頃オバさんっぽいね」 突然こう言ったのは、本誌でもおなじみの、サイバーエージェント社長の藤田晋さんである。 ショックだった。 藤田さんといえば、IT産業の頂点を極めたお一人であるが、アクの強さがまるでない、いつもはにかんだ風の、もの静かな方である。 年に何回かおめに...
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夜ふけのなわとび 第1861回 林真理子「創立記念日」
コメ0
週刊文春デジタル 5ヶ月前
十月四日は、わが日大の創立記念日であった。 そして同時に「日大デイ」であったと私は認識している。まず朝日新聞の朝刊全十五段に、学長の写真が載った。久しぶりにうてたうちの広告は、若くカッコいい学長の就任の決意である。これは世界的カメラマン、レスリー・キーさんが撮ってくださった。 何人かからLINEで...
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夜ふけのなわとび 第1860回 林真理子「秋が来た」
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週刊文春デジタル 5ヶ月前
今週、目覚ましを七時半から八時にした。それは今度の朝ドラを、「もう、いいか」 と判断したからである。 何度も言っているが、朝ドラのヒロインは、半年を共にするクラスメイトだ。そこにいくと、「虎に翼」の寅ちゃんは、心の底から好きになった親友である。彼女に会うために、前夜どんなに遅くなっても七時半に...
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夜ふけのなわとび 第1859回 林真理子「バチがあたる」
コメ0
週刊文春デジタル 6ヶ月前
この原稿を書いているのは木曜日。 明日は自民党総裁選が行なわれる日だ。誰が選ばれるのかわからないが、日本を間違った方向に連れていく人だけはやめてほしい。 中国とは今、いろんなことがある。 かの村上春樹さんはおっしゃった。そういう時の国民感情は、「安酒のように人を酔わせる」 どうかこの安酒を国民...
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夜ふけのなわとび 第1858回 林真理子「ナマステ!」
コメ0
週刊文春デジタル 6ヶ月前
「今日、午後から渋谷の年金事務所に行ってまいります」 朝、秘書のセトが言った。「えー、年金事務所?」「ハヤシさん、忘れたんですか。来月から年金もらうのー、ってこのあいだ言ってたんですよ」 そうだった。本来は六十五歳からもらえる年金であるが、七十歳まで我慢すると支給額が増える。そんなわけで今年まで...
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夜ふけのなわとび 第1857回 林真理子「ネットと皇族」
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週刊文春デジタル 6ヶ月前
今期の朝ドラ「虎に翼」を愛するあまり、私はどれだけの犠牲をはらってきただろうか。 明日はちょっと寝坊が出来る、という日でも必ず七時半に起きる。もう体がそうなってしまった。朝早く家を出る時は録画を忘れない。 台湾に行った時はどうしようかと思ったのであるが、幸いなことにホテルでNHKが見られた。 この...
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夜ふけのなわとび 第1856回 林真理子「愛校心とランタン」
コメ0
週刊文春デジタル 6ヶ月前
一年ぶりに台湾にやってきた。 こちらには日大の校友会がある。ここからは、台湾の政界、財界に多くの人材を輩出している。政府のさる要人もうちの留学生。この創立二十周年にあたり、その祝賀会に招待されたのだ。 何度も言ったり書いたりしているが、台湾は私の大好きなところ。食べものはおいしいし、人はやさし...
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《悠仁さまご成年「私はこう考える」》林真理子 「小室さん問題」が招いた愛子さまライバル化を憂う
コメ0
週刊文春デジタル 7ヶ月前
九月六日が十八歳の誕生日となる秋篠宮家の長男・悠仁さま。ところが、悠仁さまをめぐり根強く囁かれる「東大進学説」への反対意見がネット署名サイトで一万件を超える異例の事態が起きている。天皇家の長女・愛子さま人気の高まりを背景とする「愛子天皇待望論」も止まない。われわれは次代の天皇に何を求めるのか。有...
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夜ふけのなわとび 第1855回 林真理子「懐かしのテニスコート」
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週刊文春デジタル 7ヶ月前
軽井沢に出かけた。 ここに滞在するのは二年ぶりである。昨年の夏は不祥事により(しつこいな)、毎日大学本部に詰めていて一日も夏休みがなかったからだ。 昭和三十年代に建てられた、平屋の古い家であるが、ところどころ手を入れている。あれはここを買ってすぐの頃、編集者六人ぐらいとバーベキューをしていた。...
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夜ふけのなわとび 第1854回 林真理子「開会式を自慢する」
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週刊文春デジタル 7ヶ月前
八月になると、私のスマホに“自慢話”が増えていく。 夏のバカンス「ここ行った。いいでしょ」の写真である。ヨーロッパのワインツアーやハワイ旅行もあるが、この頃多いのがパーティーの報告。 クルーザーでシャンパンを飲みながら、「これからみなとみらいで花火を見ます」 というのがあったかと思うと、軽井沢で...
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夜ふけのなわとび 第1853回 林真理子「オリンピックウィーク」
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週刊文春デジタル 7ヶ月前
オリンピックが盛り上がってきた。 毎日メダルラッシュが続き、さまざまなドラマがある。 私はこれまで、スケートボードやBMX競技といったものにほとんど興味を持たなかった。それなのについ見入ってしまう。 しかしそれにしても、どうしてあんなことが出来るのだろうか。水泳、体操、柔道といったものは、まだ頭の...