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夜ふけのなわとび 第1935回 林真理子「老木、花の里へ」
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週刊文春デジタル
6時間前
毎年この季節になると、裏の保育園から子どもの泣き叫ぶ声が聞こえてくる。お母さんと朝、別れることになった、新入園児の声だ。 春の風物詩で、何やら微笑ましい。 春といえば花であるが、今年の桜はどこも白っぽかった。ピンク、というよりぼんやりとした白。どうしてこんなになったのかなあと思っていたら、各地...
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夜ふけのなわとび 第1934回 林真理子「禁酒してます」
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週刊文春デジタル
1週間前
恒例の桃見ツアー、今年はうまくいくはずだった。 昨年は少し早過ぎて三分咲き。よって10日遅らせたところ、「3月の終わりに、夏日みたいなのがきて、パーッと咲いちゃった」 と観光農園の方は言う。「今年は桜も早かったねぇ。もう5日前に来てくれれば」 全くこの桃見の会、30年以上やっているが、この数年はつい...
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夜ふけのなわとび 第1933回 林真理子「かつて銀座で」
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週刊文春デジタル
2週間前
銀座のクラブ「グレ」の、50周年パーティーが開かれた。 場所は帝国ホテルの大宴会場で、800人の人々が集まった。それも錚々たる方ばかり。一流企業のトップや、政治家、歌舞伎役者さん、といった顔触れ。私が帰った後では、片山さつき大臣がいらしてスピーチされたそうだ。 発起人の控え室に行ったら、着物姿の女性...
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夜ふけのなわとび 第1932回 林真理子「あなただけ」
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週刊文春デジタル
3週間前
何週か前、このページで高市さんのアメリカ訪問を危惧していると書いた。おそらく重たい要求をふっかけられるだろう。「そちらもお取り込み中でしょうから」 と言ってうまーくキャンセル出来ないものだろうかと。 しかし高市さんは逃げることはなかった。世界中の主要国が、「いまいちばん会いたくない」 やっかい...
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夜ふけのなわとび 第1931回 林真理子「プロフェッショナル」
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週刊文春デジタル
4週間前
昨夜はとてもいい日だった。 用事があって、目黒にある日大ボクシング部に出かけたのだ。 ここでは35人の学生が生活しているそうだ。何か差し入れをと考え、どら焼きでもと提案したら、「もしかすると減量しているかもしれませんよ」 一緒に行く職員が言った。 そうか、減量か。そういうことに全く思いがよらなか...
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夜ふけのなわとび 第1930回 林真理子「元気がない」
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週刊文春デジタル
1ヶ月前
税理士さんから電話があった。「納税額出ましたので、用意しといてくださいね」 その時の私の驚きを、どう言ったらいいのであろうか。 税金のことをすっかり忘れていたのである。先月、「収入がガクンと減ったから、予定納税をしなくて済むようになった」 と書いたところ、意外にも大きな反響があった。「そんなに...
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夜ふけのなわとび 第1929回 林真理子「3月5日」
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週刊文春デジタル
1ヶ月前
朝テレビをつけると、ドラマの主題歌が聞こえてくる。「日に日に世界が悪くなる~」 昨年の秋、「ばけばけ」のこのオープニング曲を聞いた時、随分どぎつい歌詞だなと思ったけれど、約半年後の今はしっくりくる。 ものすごい勢いで、世界が悪くなっている。アメリカのトランプ大統領、前からやりたい放題めちゃくち...
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夜ふけのなわとび 第1928回 林真理子「想像におまかせします」
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週刊文春デジタル
1ヶ月前
リカバリーパジャマに替えてから、夜トイレに起きることがめっきり減った。 朝の7時半にセットした目覚ましで起きるまで、たいてい熟睡している。 が、昨日はなぜかまだ暗いうちに起きてしまった。洗面所の時計を見ると、朝の6時。「しまった」 寝過ごしたからではない。 早朝の情景が違っていたからだ。 久しぶ...
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夜ふけのなわとび 第1927回 林真理子「まだ終わってないよ」
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週刊文春デジタル
1ヶ月前
その夜、午前1時、これ以上テレビにかじりついていると、明日の勤務にさしつかえる。 テレビの電源を消しながら、私はふと思った。「明日の朝起きたら、りくりゅうコンビ、金メダルをとってるんじゃないかなあ」 ショートプログラムで5位となり、泣き崩れる木原龍一さんの姿が、さんざんメディアで流れていた。もは...
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夜ふけのなわとび 第1926回 林真理子「真冬のジャンプ」
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週刊文春デジタル
2ヶ月前
あっという間に終った選挙。 すごい風が吹いてきて、気がついたら野党の議員はみんなどこかへ行ってしまい、自民党議員だけがどーんと構えてる。 裏金問題で消えた人もみーんな戻ってきている。聞いたこともない新人もいっぱい。 どこかの新聞に、「“タイゾー”大量発生?」 と書いてあって笑ってしまった。 タイ...
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夜ふけのなわとび 第1925回 林真理子「新しい老後」
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週刊文春デジタル
2ヶ月前
ハワイで使ったカードの請求書が送られてきた。「ヒエ~~!!」 覚悟はしていたものの、のけぞるような金額になっている。 ここで既に書いたが、円安と物価高に加えて、ハワイの飲食費はとんでもない値段になっていた。それに加えて最低20パーセントのチップである。 途中からこれはさすがにマズいと、丸亀製麺の列...
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夜ふけのなわとび 第1924回 林真理子「セールスしてます」
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週刊文春デジタル
2ヶ月前
今日は本部職員あげての親睦ボウリング大会。150人以上が参加するそうだ。「こんな日が来るとは思わなかったですね……」 行きの車の中で、常務理事がしみじみと言った。「3年ぶりですよ。おととしも昨年も、とてもみんなでボウリング大会しよう、なんてことは考えなかったですね」「そうだよね、毎年この時期、いろん...
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夜ふけのなわとび 第1923回 林真理子「天覧相撲」
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週刊文春デジタル
2ヶ月前
仲よくしている相撲部屋のおかみさんからLINEが入った。「今度の日曜日、ふたつマス席取れました。私も友人2人連れていくので、マリコさんも2人誘ってください。それからできたら、このあいだお食事、ご一緒させていただいた○○さんたちはいかがですか」 彼女たちに連絡したら、ものすごい喜びようだ。「私、国技館行...
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夜ふけのなわとび 第1922回 林真理子「南国の読書」
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週刊文春デジタル
3ヶ月前
ハワイではとにかく、本を読むことに徹した。 日本から直木賞の候補作のうち4冊を持っていったのである。朝10時頃に起きると、友人と2人ホテルのロビイの片隅にあるソファに座る。友人は図書館から本を5冊借りてきたという。4冊は文庫本であるが、1冊はハードカバー。「あ、それ、私も読んだよ」『ザリガニの鳴くとこ...
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夜ふけのなわとび 第1921回 林真理子「ハワイのどん兵衛」
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3ヶ月前
最後にハワイに行ったのは、コロナのちょっと前になるだろうか。2019年のことだ。 その時、ホノルルのワイキキは日本人で溢れていた。みんな楽しそうに、ブランド品の袋をかかえ街の通りを歩いていた。「すべりやすいので気をつけてください」「ここでは飲食が出来ません」 などという看板も、ほとんどが日本語並記...
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夜ふけのなわとび 第1920回 林真理子「チケットの呪い」
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週刊文春デジタル
3ヶ月前
自分はふつうの人よりも、はるかにトロく、さまざまな失敗をする、ということに気づいたのははるか昔である。最近はそれに加齢がプラスされた。 するともう怖いものはない。 もうバーさんだから、たいていのことは許される、大目に見てくれると居直るようになったのだ。 今週の日曜日、仙台に行くことになっていた...
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夜ふけのなわとび 第1919回 林真理子「どうでもいいこと」
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週刊文春デジタル
3ヶ月前
暮れが近づき、毎晩のように会食がある。忘年会というわけではない。忙しい人たちばかりなので、2ケ月ぐらい前に約束をしていくと、だんだん日にちが埋まってくる。そして12月だということに気づき、「今年もありがとねー」「これで、“いいお年を”なんだっけ」 などと言い合う。 そして一年が過ぎていく早さに愕然と...
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夜ふけのなわとび 第1918回 林真理子「届く言葉」
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週刊文春デジタル
4ヶ月前
幼ななじみが来て、あれこれ話していた。「バイトはしてるけど、基本年金暮らしね」「暮れに旅行に誘ってごめんね」「まあ、独身だしそれくらいは余裕あるし、何よりも自分のうちがあるって、本当に有難いよねー」 恵比寿に50平米のマンションを持っているのだ。「10年ぐらい前に、リノベしてもらったの。年とってか...
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夜ふけのなわとび 第1917回 林真理子「年女」
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週刊文春デジタル
4ヶ月前
先日のこと、オール讀物編集部から連絡があった。「ハヤシさんは来年、年女なのでグラビアにご登場いただきたいのですが」 えー。 驚いた。そのことをすっかり忘れていたからである。「オール讀物」新年号では、毎年恒例の「年男 年女」の特集がある。その年該当する作家が、モノクロページ数ページに登場するのだ...
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夜ふけのなわとび 第1916回 林真理子「昼ごはん」
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週刊文春デジタル
4ヶ月前
お昼ごはん問題である。 市ヶ谷の本部では、秘書課がお弁当を用意してくれる。月はじめにお金を渡しておくと、まとめて届けてもらえるのだ。 とはいうものの、いくら弁松であろうと、金兵衛であろうと、毎日冷たいお弁当だとさすがに飽きてくる。 以前は若い女性の秘書がついてくれていたので、2人で近くのおそば屋...
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夜ふけのなわとび 第1915回 林真理子「シスター・フッド」
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週刊文春デジタル
4ヶ月前
今、日中関係がむずかしいことになっている。台湾有事についての高市総理の発言に中国が猛反発しているのだ。 11月13日号で、高市総理の外交手腕について、結構買っていた私としては、非常に残念である。 いろいろな論評を読むと、「当然のことを言ったまでだ」 というのもあれば、「とんでもないことをしでかして...
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夜ふけのなわとび 第1914回 林真理子「和ブームについて」
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週刊文春デジタル
5ヶ月前
言うまでもなく、今年大ブームをつくり出した映画「国宝」。 もちろん素晴らしい原作があってのことで、こちらの方も売れに売れている。そして歌舞伎座には毎日人が押しかけ、先日ニュースを見ていたら、日本舞踊を習う人がどっと増えたという。「国宝」はチームとしても、さまざまな賞を総なめ。ひとつの大きな文化...
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夜ふけのなわとび 第1913回 林真理子「国宝の私」
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週刊文春デジタル
5ヶ月前
「リジチョー、今年のハロウィンはどうするんですか」 10月になった頃、職員に聞かれた。「昨年みたいにするんですか?」「いいえ」 きっぱり。「昨年とは比べものにならないぐらい盛大にします」 市ヶ谷駅前にある日大本部。ここは各部署と部局が集まる大学の中枢である。昭和の古い建物で、ここで500人近い人たちが...
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夜ふけのなわとび 第1912回 林真理子「甘いですか?」
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週刊文春デジタル
5ヶ月前
サッチャー元首相にお会いしたことがある。 それも単にちらっと挨拶した、ということではない。一緒のシンポジウムに出席したのである。 どうしてそんなことになったかというと、私も詳しいことは知らないのであるが、来日したサッチャーさんに半日の空きが出た。その時間がもったいないというので、某大手エンタメ...
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夜ふけのなわとび 第1911回 林真理子「思い出の悲しみ」
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週刊文春デジタル
6ヶ月前
女優のダイアン・キートンが亡くなった。 大好きな女優さんだった。当時はよく女性誌で彼女のファッション特集も組まれ、アイコンとしての存在感をはなっていたのに、「訃報の扱いが小さすぎると思わない」 友だちからLINEがきた。「ジェーン・バーキンとは比べものにならないよ。あっちはやっぱりバッグがあるから...
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夜ふけのなわとび 第1910回 林真理子「アドレナリン」
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週刊文春デジタル
6ヶ月前
とても興奮して見たあの選挙。 自民党の総裁選を見ていて、ふとあることを思った。「こういうのに出てくるほど、有力議員になるには、どうやったらいいのだろうか」 進次郎さんのように毛並みのいい世襲議員もいるけれどもそれだけではあるまい。官僚出身や、東大卒の人もいっぱいいる中で、「頭角を現す」というの...
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夜ふけのなわとび 第1909回 林真理子「アピール」
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週刊文春デジタル
6ヶ月前
「ハヤシさん、先月無事に帰国しました」 とLINEをくれたのはA子さん。夫の赴任にともなってアメリカに滞在していたのだ。某新聞社で記者をしている彼女は、ずっと私の担当をしてくれていた。「突然ですが、今日ご挨拶に行ってもいいですか。ハヤシさんの大好物の、うさぎやのどら焼きを買ったので」 今日かぁ……と考え...
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夜ふけのなわとび 第1908回 林真理子「夏の疲れ」
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週刊文春デジタル
6ヶ月前
日本から四季がなくなった、と言われるようになって久しい。 猛暑が続いたと思うと、すとんと寒くなる。 厳冬が続いたと思うと、すとんと初夏になる。 特に秋がなくなったことはつらい。日本人の美意識、はかなく繊細なものを愛する心は、秋に培われてきたのだから。「秋来ぬと目にはさやかに見えねども……」 とい...
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夜ふけのなわとび 第1907回 林真理子「ついている」
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週刊文春デジタル
7ヶ月前
「チケットがもう1枚あるんだけど」 中井美穂さんから世界陸上東京大会に誘われた。テレビで見るだけと思っていた世界陸上。それが目の前で観戦出来るのだ。 しかも中井美穂さんの解説付きで。中井さんは長年、TBSで放映される世界陸上のキャスターをつとめていた。だからとても詳しい。「マリコさん、この席はトラッ...
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夜ふけのなわとび 第1906回 林真理子「温泉の議論」
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週刊文春デジタル
7ヶ月前
週末は加賀温泉へ。 エンジン01加賀温泉大会が開催されるのだ。 最近私はあまりの忙しさに、シンポジウムだけ出ることにしていたのであるが、ひょんなことから代行という形で幹事長を再び引き受けることとなった。となると、最後のイベントが終わるまで見届けなくてはならない。かなりの大ごととなった。 大ごとと...
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夜ふけのなわとび 第1905回 林真理子「旭川の思い出」
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週刊文春デジタル
7ヶ月前
8月の終わり、北海道旭川へ。 日大の校友会に出席するためである。今年は北海道も暑いと聞いていたが、そんなことはなかった。 空港に降りると、やはり涼やかな空気を感じる。続く緑の山々と相まってその気持ちのいいことといったらない。10年ぶりの旭川だ。 ここを初めて訪れたのは三十数年前。長く続いていた旭川...
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夜ふけのなわとび 第1904回 林真理子「忙しい夏」
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週刊文春デジタル
7ヶ月前
万博には行かないつもりであった。 暑いしものすごい人出と聞く。パビリオンには長蛇の列。そもそもどうやって入場券を買っていいかもわからない。 ところがまわりから聞こえてくるのは、「行ってよかった」 という声ばかり。「予約しとけば入れるパビリオンもあるよ。とにかく絶対に行くべきだ」 そうするうち、...
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夜ふけのなわとび 第1903回 林真理子「西園寺さんの子孫」
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週刊文春デジタル
7ヶ月前
他の大学の理事長で、知り合いが何人か出来た。時たま食事をすることも。 が、ダントツに親しいのは、京都の立命館大学の森島朋三(ともみ)理事長だ。実は森島さんとは、私が日大の理事長になるずっと前にお会いしている。京都の仲のいい友人が、「僕の出身校の理事長」 と食事会の席で紹介してくれたのがきっかけ...
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夜ふけのなわとび 第1902回 林真理子「花火と本」
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週刊文春デジタル
8ヶ月前
夏休みのメインイベントは、なんといっても関門海峡での花火大会。「有料の席を予約したから、ぜひ来て」 地元の友人から誘われて、前々から楽しみにしていたのである。 東京から3人で行く。山口宇部空港からタクシーで1時間。ホテルにチェックインしてから鯨料理の店へ。さまざまな部位のお刺身を食べ、それから懐...