週刊文春デジタル
もう、十年以上も前の事です。東京都下、とある街に、落語会の仕事で伺いました。延々と続く商店街をぶらぶらと歩いて、会場へ。と、その商店街に、小学生だか中学生だか、子供達の書いた習字が、旗みたいに、ずーっと飾ってあったんです。とても上手い字もあれば、そうでもない字もあります。なんだか微笑ましくってね、眺めながら、歩いておりました。内容は自由らしく、思い思いの字が書いてある。でもまぁ、大概決まってきまさぁね。「希望」とか「平和」とか。で、その中の一枚。墨黒々と「烏賊」って書いてあったんですよ。まさかイカスミで書いたんでもなかろうけど、あれは可笑しかったなぁ。