先日、「スポーツ観戦するだけで、運動するのと同程度の効果」という趣旨のニュース記事が目に飛び込んできた。見ているだけの人間も、試合中に血圧や心拍数、ホルモン値などが変化して、あたかも自分がやっているように体が反応しているというこの話、ものすごく心当たりがあった。
 馬主を始めてみて分かったのだけど、自分の馬が走るレースを見ると、スタート前から心臓がドキドキし、手に汗を握り、最後の直線では思わず歓声を上げ、ゴール板を過ぎると、まるで自分が広い競馬場を一周回ってきたかのようにドッと疲れる。競馬はまだいい。スタートから終わりまで2~3分程度の話だから。これがサッカーになると、90分間ずっとその状態が続くようなものだ。観戦しただけで、試合が終わると異様に疲れる。 
週刊文春デジタル