週刊文春デジタル
一九五八年の監督デビュー以降、岡本喜八は毎年のように数多くの映画を途切れることなく撮ってきた。だが、『近頃なぜかチャールストン』以降、しばらく監督作品はなくなってしまう。八〇年代は、これと『ジャズ大名』のわずか二本しかない。
それでも決して折れることはなく、『大誘拐 RAINBOW KIDS』で復活してのけた。そして続いて撮ったのが、今回取り上げる『EAST MEETS WEST』だ。岡本喜八といえば、戦争映画や時代劇などで西部劇への憧憬をストレートに示してきた。そんな男が、そのまま西部劇を撮った、大願成就の企画といえる。