シリアの「シャーム解放機構」など反政府勢力は十二月八日、決起から十日あまりで首都ダマスカスを制圧。五十三年に及んだアサド家の独裁体制が崩壊した。
 アサド大統領(59)は首都を脱出し、ロシアに向かった。後ろ盾だったプーチン大統領は「人道的配慮」から亡命を認めたという。
 アサド氏は一九九四年、英国の大学院で眼科医として学んでいた時に、兄が交通事故で死去したため父の後継者となった。その後、二〇〇〇年、シリアの大統領に就任している。
 当初は、英国留学の経験から開明派と目されていた。ところが、自国民の犠牲を厭わない独裁者であることが次第に明らかとなった。 
週刊文春デジタル