週刊文春デジタル
休日の夜は決まって誰かどうにかしてこの夜を止めてくれよ、と熱唱しそうになる。休みよ終わるな月曜日よ去れ、と悪魔祓いよろしく十字を切りたくなったことは、一度や二度ではない。満足に休めたことなんかない。どんなに休めたとしても、もっとやりたいことが、しなきゃいけないことが、あったのに!と後から後から湧いてくる。でも願い叶ってその休みが永遠になったとて、私はするべきことをちゃんとこなせるのだろうか?『8月31日のロングサマー』を読んでいると、思わずそう自分に問いかけてしまう。夏休み最終日を繰り返すあの子たちと同じように、己の課題と正面から向き合うことができるのだろうか、と。