それはわずか二分間の凶行だった。百人ほどの大学生が授業を受けていた教室で、女子学生がハンマーで次々と人を殴りつけていく。床に滴るほどの血を流す者、悲鳴を上げて逃げ回る者もいる中、女は淡々とハンマーを振り回して歩く。そして急に冷静さを取り戻すと、駆けつけた警備員らに言った。
「こんにちは。大丈夫です。私は何もしていません」 
週刊文春デジタル