新東宝は会社の規模が大きくなく、その活動期間も短かった。しかも、低予算のニッチな作品が多い。そのため、旧作邦画の中でもマイナーな扱いではある。
 ただ、後に日本映画界を支える俳優たちを多数輩出してきたことも、忘れてはならない。丹波哲郎、若山富三郎、天知茂、菅原文太、高島忠夫らは、いずれも新東宝に見出されて映画スターとしてのキャリアを始めている。
 そうした中に、重要なスターがもう一人いる。それが宇津井健だ。彼もまた新東宝で映画デビューを果たしている。 
週刊文春デジタル