Timesはお陰様で1周年を迎えることが出来ました。この記念日を祝して、先日一周年を振り返り、これからのボカロ文化についての座談会を開催致しました。その模様をお届けいたします。是非最後まで読み進めて頂けると幸いです。繰り返しになりますが、座談会は読み物として、お楽しみ下さい。
- エディター(記載時:無名太文字表記)
- 猫月さん(記載時:猫月)
- ♪ミュツタカ♪さん(記載時:ミュツタカ)
- ふわっふうさん(記載時:ふわっふう)
- スーさん(記載時:スー)
ボカロタイムズ座談会記念号。本日は座談会にご参加いただきありがとうございます。おかげさまでタイムズは発行から一周年を迎えることができました。ここまで来られたのも、ご協力いただいてる全ての関係者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。今回一周年を記念して特別な座談会を開催いたします。
まず初めに、今回座談会にご参加いただいた皆様に自己紹介を行っていただきます。その際「普段どんな活動を行っているのか」や「ボカロの曲との出会い」などについて語っていただければなと思いますので、よろしくお願いします。それではまず初めにミュツタカさんお願いします
ミュツタカ:はい。ミュツタカと申します。普段は歌ってみた動画を投稿したり、ピアノの弾き語りでボカロ曲を歌ってたりしてます。最近はですね、初音ミクとかKAITOと一緒に『ボーカロイドと歌ってみた』タグが付くような動画を投稿させていただいたりもしております。これは出会いも含めてでしたよね?
はい。是非是非。
ミュツタカ:そうですね。出会いの話をすると、当時高校の同級生が実は生主で、そいつに影響されてニコニコに…戻ってきたっていう言い方をしようかな。戻ってきて「生放送」っていうツール ―― 当時はもう画期的なツールだと思って見てたんですけど ―― そのタイミングでそいつが流してたボカロ曲を聞いて「なんだこれ……」と。その時流れてた曲が【マトリョシカ】だったんですけど、僕それ知らなくて何だろうって思ったのがボカロとの出会いでした。それを経て高校を卒業して大学に入ったぐらいからですね、環境も整って今のような活動のスタイルが定着しました。実はですね、ボカロタイムズの座談会初参加なので、今とても緊張しております!お手柔らかによろしくお願いいたします。
そんな緊張しなくていいですよ(笑) 次回以降もお待ちしております。
ミュツタカ:よろしくお願いします(笑)
ありがとうございます。では続きまして猫月さんお願いします。
猫月:はい。猫月遥歩です。普段はソフトウェアトークの動画を色々と投稿していたり、ニコニコを便利にするツールを作ったりしています。ボカロ関係で言うと主にカバー曲……『VOCALOID→○○カバー曲』みたいなタグが付く動画を色々と投稿していたりします。
ボカロとの出会いは、「他の人よりだいぶ最近だな」って言う感想が読んでる方からでると思うんですけど、2015~16年頃、当時中学二年生?三年生?ぐらいの頃でした。一応ニコニコのアカウント自体はあったんですけど嵌る前で、当時SEKAI NO OWARIっていうアーティストが好きで、そのボーカルのFukaseさんがボカロ化されるって言うところから、ボカロは勿論ニコニコに嵌って行ったっていうのが切っ掛けです。はい。こんな感じでよろしくお願いします。
それは初めて聞きました。
猫月:あ、まじで?
本当。そうだったんですか。
ミュツタカ:うん。初めて聞いた。
Fukaseが入ったから、それが切っ掛けで没頭したという感じ。
猫月:そうなんですよ。「ボーカルのFukaseさんがボカロ化される→ボカロってなんだろう?」って思ってサイトに行ったらデモ曲みたいなのがいくつか上がっていて、そこから「YouTubeじゃない見慣れない埋め込みのプレーヤーあるな、なんだこれ?」って、そこから入ったのがニコニコでしたって感じです。
ほ~。じゃぁ、もうFukase様様ですね。
猫月:いや、ほんと。本当にそうなので、あの時セカオワに嵌ってなかったら、今、自分ここにいないですって感じです。
ありがとうございます。セカオワありがとうございます。
猫月:(笑)
ありがとうございました。では続きまして、ふわっふうさんお願いします。
ふわっふう:はい。ふわっふうと申します。よろしくお願いします。普段はですね、Twitterでだらだら呟いているのと、趣味でニコニコの運営をしている者でございます。ニコニコ情報調査室SmileSの部長という役職も一応兼ねて、色々なんかやっています。
ボカロとの出会いと言うと、正に僕がニコニコに入ったのがボカロ切っ掛けでして。この話をするために、僕、毎回話をしてるんですけど、かつてテレ東とニコニコがコラボレーションしてやっていた番組がありまして――ドリームクリエイターっていう番組なんですけど――そのドリームクリエイターの一回目で初めて流れた曲が、特殊アーティスト特集みたいなやつで、ハチさんと南方研究所のコラボレーションみたいなのが特集されていたんですね。そこで流れた【マトリョシカ】で、あの……正に「心震える感覚」「音楽によって心震わされる感覚」みたいなのを初めて経験して、「あぁ、こんな世界があるんだ」って言うのでちょっと感動し、そこからしばらくYouTubeで楽しんではいたんですけど、ちょっとYouTubeじゃ飽き足らず、親に許可を得てメールアドレスを取得しニコニコの世界に入るというですね。そこから線路がねじ曲がってここまで来るみたいな感じです(笑) 正にボカロというものは「今の自分がある大きな転換点の一つ」って言うところで非常に影響力を与えているなと思っています。今日は記念号という感じなんですが、あくまで一個人の意見として――色々と所属している団体とは全然関係なく―― 色々と言いたいなと思っています。本日はよろしくお願いします。
ありがとうございます。本当に何と言いますか、そういう思いがあることによって、趣味が高じて仕事になり、そして今の自分があるってなんか凄い素敵だなと話を聞いてて思いました。本当「ふわっふうさんすごいな」って個人的に思いました。はい。ありがとうございます。
では続きまして、最後の参加者です。スーさんお願いします。
スーさん:はい。こんばんは。スーさんです。普段ニコニコでは、生放送や動画を見ていたり、水色で歌詞職人をやっていたり、自分自身も生放送で配信者を10年やっています。よろしくお願いします。
ボカロとの出会いなんですけども、私は2011年かな?当時やってた公式番組で『ニコラジ』さんという番組がありまして、そこで二次創作等々――踊ってみたや演奏してみた――が紹介されてたんですけど、めろちんさんが踊ってらっしゃる【ハッピーシンセサイザ】という楽曲を聞いて、「この原曲ってどんな曲なんだろう」って言うところから様々なボカロ楽曲に出会ったと言うのが切っ掛けですかね。歌詞職人を始めたのもその曲が切っ掛けで、思い出の楽曲です。
最近の曲もですね、このThe VOCALOID Timesで色々聞かせていただいています。昔の楽曲から色々な楽曲を聞かせていただいているので、今回、自分も一個人の意見をどんどん言えたらなと思っていますので、よろしくお願いします。
はい、ありがとうございます。今回の座談会に関しては、いつもの座談会よりはちょっとね、フランクな感じで語っていただければなという機会もありますので、是非思ったことがあればその都度言っていただければなと思います。それでは、以上の皆様でこの座談会を進めていきたいと思います。よろしくお願いします。
まず初めに、今年(2021年)一年間のボカロ投稿の盛り上がりについて語っていこうかなと思っています。そもそも皆さんは普段どんなジャンルのボカロ楽曲を聞かれてますか?って言うのを聞いていきたいなと思います。では猫月さん。普段どんな楽曲を聞いていますか?
猫月:そうですね。この一年を振り返ると、所謂、製品としてのVOCALOIDで作られた楽曲より、CeVIO楽曲をよく聞いた一年だったなって改めて思いました。この後の質問で多分めっちゃ多分喋ると思うんですけど、本当にCeVIO楽曲だったり歌うボイスロイドとか、本当に「VOCALOID」以外の楽曲をよく聞いてましたね。
あとSmileSでThe VOCALOID Times(RC)を執筆していたりするので、カバー曲だったりをよく聞いた一年になったかなと思います。
いつもお世話になっております。ありがとうございます。
猫月:こちらこそお世話になっております。
普段の「ボカロ曲」って言うと、楽曲だけっていう風に認識されがちであるんですけど、そうじゃないよって言う話がこの後にも出てくると思うので、きっと熱く語ってくれるんじゃないかなと思ってます。
はい、ありがとうございました。では同じ質問ですけどもミュツタカさん。普段どんな曲聞いてますか?
ミュツタカ:最近はですね、この一年結構やってたゲームの一つであるプロジェクトセカイに収録されている楽曲をメインに聞いてることが多かったかなと思います。その他、知っているクリエイターさんが投稿された動画や、好きなボカロPさんの楽曲を聞くことが多かったです。振り返ってみると、リアルで開催されたライブもそこそこあったと思うんですけど、オンラインで開催されたライブっていうのも結構多かったと思うんです。自分は割とライブの楽曲を予習するよりは復習するタイプなんですね。なのでリアルで参加したライブもそうですけど、オンラインで参加したイベント・ライブで演奏された楽曲を聞くことが多かったかなと言う印象です。
なるほど。例えば「今年一年を振り返るプレイリストを自分の中で作るとして、一番最初に持って来たい曲は何?」って言われたら何考えます?
ミュツタカ:うわぁ……何だろうな(笑) そうですね、やっぱりプロセカが好きなので、僕は【群青賛歌】かな。
あぁ、なるほどね。あの曲やっぱり出た時は結構「!?」ってなりましたからね。素晴らしい、素晴らしい楽曲でした。ありがとうございます。
じゃぁ同じ質問をスーさん。普段どんな曲を聞いていますか?
スーさん:普段から色々と聞いてはいるんですけど、今年一年聞いてたのはやっぱりボカロタイムズから。記事を見て推しができて、その推しの曲をひたすら聞いてることが多かったかなと思います。
まじですか。すごい褒められてる感がありますけどマジですか
スーさん:実はボカロ見るラジオの第1回パーソナリティをさせて頂いたんですけど、ゲストのタケノコ少年さんの楽曲にハマりまして、今もずっとタケノコ少年さんの楽曲をリピートしているような感じです(笑)
前回ゲストのきさらさんの時もそうでしたけど、もうスーさんがファンになっちゃってるね。
スーさん:そうですね。もうニヤニヤしながらずっと聞いてる一ファン(笑)
ありがたい。ありがたいお話ですよ本当に。ありがとうございます。
では同じ質問になりますがふわっふうさん。普段はどんなボカロ曲を聞いていますか?
ふわっふう:ボカロオリジナルであればどんなジャンルも聞いてるっちゃ聞いてるんですよね。サムネとタイトルを見て「あっこれもしかしたら面白いかも」って感じで聞いてみて「あぁなるほど。こんな感じか」みたいな楽しみ方をするタイプです。例えばランキングとかで上がっているものとか、個人的にランキングを作っているので、そのランキングに入ったものとかを聞いて「あぁこんな感じの流行りが来てるんだな」みたいに把握するために聞くみたいなことがあったりしますね。
好きなジャンルも勿論あって、凄いガチャガチャ喧しい感じの曲だったり、すごく楽しい……底抜けに明るい楽しい曲――キノシタさんとかがよく作ってらっしゃると思うですけど、ポッピンキャンディフィーバーみたいな系統の曲とか――そういう感じの曲を聞くのは結構好きかな。他にもスカとかファンクみたいに賑やかな感じの楽曲やジャズみたいなのものが好きかなと思いますね。
あーなるほどなるほど。ありがとうございます。皆さんが普段どんなボカロ曲を聴いているのかをお聞きしたところで、次のトピックに行きましょう。
今年一年間、タイムズを制作して思うこととしては、「ボカロ文化がちょっと盛り上がってきたな」という印象と「ルーキーの躍動がすごく目立ってたな」という印象が非常に強かったなんですね。ちょっとこの点について皆さんはどう思うのかなというのをお聞きしたくて、トピックとして挙げさせていただきました。
まず『この一年間のボカロ文化の盛り上がりについて』と『ルーキーの躍動について』お聞きしたいと思います。ではまずスーさんどうですか。
スーさん:今年の盛り上がりはどうですかね。ボカコレっていうイベントでかなり盛り上がってるなとはすごく感じていましたし、新しいボカロPさんたちがどんどんどんどんこう新しいというか……昔の楽曲に影響されて、自分なりのアレンジを加えてボカロ文化を盛り上げて行こうっていう気持ちが出ている楽曲が多いなっていうイメージですかね。
うんうん、なるほど。そういう文面もありましたし、「ルーキーとは」って言うキーワードが非常にパワーワードで、今年一年いっぱい出てきたなと思うんですけど、その辺についてはどうですか。
スーさん:ルーキーですよね。確かにルーキーの概念っていうと2~3年目ぐらいとかになるのかな?
そうですね。ボカコレで言うとそうですね。
スーさん:そうですよね。新人のボカロPさんの楽曲って、自分はこのタイムズが切っ掛けで色々と聞いていくことが多かったんですね。それを含めて、ルーキーを取り上げてくれるところが結構多くなってるかなと思います。ボカコレなんかのイベントもそうですし。すいません、なんかふわふわしてしまって。
いえいえ(笑) なるほど、ありがとうございます。色々な見方があると思うので、ここに関しては皆さんの話聞いた上で、全体的にどうですかっていう感じで自由に語っていただければなと思います。同じ質問ですけどふわっふうさんどうですか。今年一年の盛り上がりやルーキーの躍動については、多分お仕事でもプライベートでもかなりこう肌身で感じると思うんですけど。
ふわっふう:今僕は「最後じゃなくて良かった」と心から思ってるんですけど……(笑)
全員:(笑)
いやいや(笑)
ふわっふう:この質問、絶対最後に順番来るだろうなって個人に思ってたんで。
いやいや、そんなことないですよ(笑)
ふわっふう:だから「あっ、良かった」と思ってるんですけど。やっぱり一年間ボカロっていうものを端から……そんなにがっつり見てる訳ではないですけど、なんとなく見ているという感じで触れていった中で、やっぱり確実に他の年とは違う「分岐点」になるような一年間の盛り上がりみたいなのがあったんじゃないかなと思ってます。それがやっぱりそのルーキーの躍動っていう意味で。今まではある特定のボカロPが一年間席巻をしている。例えばDECO*27さんは一年間ずっと素晴らしい楽曲をコンスタントに出し続けて、来年に向けてアルバムを出すみたいな感じで、常に人気っていう形にはなるんですけど。同じことがピノキオピーさんにも言えると思いますけど、それだけではなくて……今年はいも男爵さんのツイート(※)にもあったように「11曲、年内ミリオンを達成しているがそれが全部違うボカロPである」と言うところで全体が盛り上がっているんだと感じます。今までのボカロ界隈とはやっぱり違う盛り上がり方なんじゃないかなというのを個人的には思っています。それはやはりルーキーが上がってきている。そして上がってきてちゃんと評価されるみたいなところが――まぁ、もしかすると僕らのニコニコというサービスが貢献しているからこそ、ここまで皆がわいわい楽しそうみたいになってきている一年だったんじゃないかなと、個人的には思っていますね。
(※)2021/12/28に年内ミリオンは12曲になっています。
なるほどなるほど。ふわっふうさんは個人の活動としてもランキングとかをよく注視してると思うんですけど、ランキングを見ていく中でルーキーに「お?お?お?」って思う瞬間や、顕著にこのルーキー凄いなって思った瞬間とかって実際ランキング作っててありましたか?
ふわっふう:やっぱり毎月ずっと居続けるルーキーって言うのは総合トップテンで言うとなかなか居ませんでした。個人的にはルーキーから外れちゃうんですけど、今のランキングで言うとツミキさんの【フォニイ】と稲葉曇さんの【ラグトレイン】が半年間ぐらいずっとトップ争いみたいなことを入れ替わり立ち替わりでずっとやっていて。
確かにそうですよね。
ふわっふう:一時期、【フォニイ】も色んな人に二次創作されててっていうのもありますし、秋のボカコレでも【フォニイ】のリミックスめちゃくちゃ多かったなって思うぐらい本当に盛り上がってました。だから【フォニイ】はやっぱり楽曲としてすごく楽しまれている。楽曲が色んな人に愛されている。二次創作として単純にその楽曲を色んな形で遊ぶのではなく、形はあまり変えずに楽しまれたのが【フォニイ】かなって思います。そして投稿自体は2020年になるんですけど【ラグトレイン】に関してはやっぱり「音MAD」で後からこうバンッと盛り上がって来て、それが色んなその形を変えたり――それこそはゆ茶さんもそうですけど――色んな遊ばれ方をして、相乗効果でオリジナルも上がって来るみたいな盛り上がりもあって、この二つは本当に2021年……片方は2020年投稿なんですけど、2021年を象徴する曲としてデカいじゃないかなって個人的に思ってます。
やっぱりそういうとこも含めて言うと、盛り上がりに対しての代表曲ってその年によって大体一曲ぐらいしか多分でないと思うんすけど、二曲三曲出てくるって思うと今年の一年間はやっぱり色んな意味で盛り上がったのは間違いなんだなっていう感じですもんね。
ふわっふう:そうですね。例えば毎年「”この曲”っていう一曲に絞りましょう!」って言ったら、結局三曲くらいの候補のうち「じゃぁこの曲で」って大体落ち着くと思うんですけど、今年はまじで皆ばらばらだと思うんですよね。
本当そうですよね。
ふわっふう:見てた時期とか見てた範囲とかジャンルとか、そういうものによって本当に変わっちゃう。わずかな違いで変わっちゃうみたいなのがあって、まじ十曲以上一番が出るみたいな状態になると思って(笑)
いやぁ本当。ほんと凄いなってふわっふうさんの話聞いて改めて思ったし、来年以降ちょっと楽しみですよね。ありがとうございます。
では同じ質問ですけど、猫月さんはどうですか。この一年間の盛り上がりについてとルーキーの躍動については。
猫月:そうですね。まぁ最後じゃなかったって言うのでちょっと安心しているんですけど(笑)
全員:(笑)
猫月:さっきの「普段どんな曲を聞いてますか」って質問でCeVIOの話題を出したので、多分前の二人とはちょっと違った視点になると思うんですけど。本当に今年一月……というより2020年の冬ぐらいから本当に色んなキャラが新しいエンジンで出てきて――例えばCeVIOのゆかりさん、きりたん、可不ちゃん。SynthesizerVの六花ちゃんだったり、新しいマキちゃん。A.I.VOICEの琴葉姉妹、ゆかりさん、あかりちゃんとか――本当に今挙げた以外にもたくさんのキャラが新しいエンジンで出てきたんですよね。2020-2021年って製品としてのVOCALOIDって全くって言っていいほどリリースされてなくて、どんどんどんどん下火になってきてるんですけど、VOCALOID以外のエンジンがものすごい盛り上がりを見せていて、何か時代の移り変わりみたいなものは感じた一年になったかなと思いました。
ふわっふう:わかる。
猫月:製品がリリースされて、それを使ってユーザーさんが作品を投稿するわけなんですけど、自分の見た範囲だと結構そのキャラ愛だったり、「このキャラにこの楽曲ってやものすごい合うよね」っていう楽曲とキャラボイスの一体感っていうもので、ものすごくいい楽曲を作っている方がいらっしゃったりしました。単に「新しいエンジンでリリースしたよ」「新しいキャラが出たよ」ってだけでもユーザーを動かして、そのユーザーが別のユーザーに新たな刺激を与えてどんどんどんどん波及していく、広がっていくっていうのはやっぱり見てて面白いなって思いました。そのユーザーの投稿に対して、やっぱりルーキー強かったなっていうのは改めて感じましたね。本当にタイムズに載っているような、初投稿がいきなり強い新人さんだったり、5作目まででいきなり強い新人さんっていう方もいれば、ボカコレで活躍するような昨年、一昨年から少しずつ投稿していて徐々に強くなって今があるみたいな人もいればっていう感じで、本当にルーキーって今の定義だとものすごい広いんですけど……まぁルーキー強かったなって一年だったと思います。
本当そうですよね。タイムズを制作していて思ったのは、今年を色々振り返ってみると、所謂「初音ミクなのかそれ以外なのか」という部分で――勿論ミクさんの曲もそうだし他の様々なキャラクターの楽曲も多かったんですけど――やっぱり「可不」が増えてきましたね。
猫月:可不やばかったですよね。
可不の投稿が増えたのが恐らくですけど今年の夏以降。その頃から一気にグワッと来て、秋を過ぎるとほとんど可不じゃないかって思うくらいの状況。
猫月:でしたもんね。
ふわっふう:可不って発売されたのはいつでしたっけ。
猫月:6月発売だったのが7月7日に延期だったかな。丁度夏ごろ。
ふわっふう:あぁ、だったら丁度7月からガーっと。それまではデモソングなんだけどすげえ聞くなってなってて。
猫月:そうそう。
ふわっふう:漸くドーンって発売されて以降はもうバーンって爆発的に色んな人が購入し、色んな曲が出てって流れなんですけど、多分デモ曲を聞いてて既に「可不」と言うものに馴染みがあった上で「曲めっちゃ増えたなぁ、夏」と言う感じのイメージかなと思いますよね。
そうですよね。
猫月:あのプロモーションは普通に「凄いな」って思ってしまったんだよな(笑)
ニコニコを見てて、こんなに一気にバンッて来るっていうのがあんまりなかったというか、あったとしても凄く久しぶりの感覚だなみたいな感じで、盛り上がりを見てて「わっ、これはちょっと面白いな」って思ってたら案の定もう可不だらけと言う。
猫月:可不だらけ(笑)
今後もちょっと楽しみだなっていうのを見てて思いました。ありがとうございます。
では最後になってしまいましたが、ミュツタカさん。同じ質問ですけどどうですか?
ミュツタカ:そうですね。ちょっと視点が違うかもしれないですけど、自分は正直ボカロリスナーとしてはかなりライト層と言うか……ボカロ曲全体で言うと、氷山の一角の本当の本当に一部分しか見てないっていう自覚はあるんで、ちょっと違う視点からも見れたらいいかなと思います。やっぱりボカコレの影響が大きいのかなって言うのはあるんですね。で、「ルーキー」っていうワードが出てきたなって思うのが――ちょっと違ったら指摘してほしいんですけど―― ルーキーの定義が明確になったのって恐らくボカコレ2020冬とか、ボカロタイムズで定義したタイミングだったんじゃないかなって思うんですね。あってます?
本当ですか。
ミュツタカ:僕の感覚ですけど。
ふわっふう:あってると思います。
ミュツタカ:あってます?良かったです。そうなった時に、「2020冬のボカコレが終わりました。次もあるぞ。じゃぁ投稿してみよう」みたいな流れがあったんじゃないかなって個人的には思います。
スーさん:わかる。
ミュツタカ:んで、凄いライト層な代表として言うんですけど、テレビ番組の『バズリズム02』とか『musicるTV』でのピックアップもそうですし、年末の紅白歌合戦でカンザキイオリさんの【命に嫌われている。】をまふまふさんが歌唱することが決定したっていうのが――ある意味ニコニコからはすごい離れるかもしれないですけど――ボカロ文化の盛り上がりという意味では、お茶の間にも曲が受け入れられたんだなって言う、一つすごい大きな証明になったかなというのが個人的な印象です。
そしてルーキーの話に戻るんですけど、今のコロナ禍における環境として、やっぱり皆さん時間ができたとか時間が開いたとか、今までよりも家にいる時間が増えたとか、そういうことが多かったので「空き時間に何かやろうかな」みたいな感じで「じゃぁちょっとボカロに手を出してみようか」とかっていう流れが多少なりともあったんじゃないかなと思ってます。個人的に『中学生ボカロP』っていうワードが出てきて「おおお」なんて思ったりもしたんですけど「部活ができない。じゃぁ家でなんかしよう」みたいなのも、それなりにあったんじゃないかなって。特に10代~20代が持ってる秘めたる力みたいなのがあると思うので、そういう方々の楽曲がルーキーとしてこう上がって来てたりするんじゃないかな。すいません、すごく浅はかな分析なんですけども、そんな感じで大丈夫でしょうか(笑)
いやいやいや!正解もないですから。最近で言うとEテレさんの『沼にハマってきいてみた』があるんですけど、そこでも取り上げられたりとかもあって、兎角10代にかなり刺さってる。ある意味こう我々というか20代後半から30代、それ以上の人たちが歩んできたボカロ文化っていうのを、若い人たちにウケる状態でいま再ブレイクしてる感があるかなって個人的には思いますね。
はい。ありがとうございます。その話にちょっと繋がってくると思うんですけど、ちょっと次の質問で色んなねボカコレなどのイベントとか、先ほどのメディアの話ですとか、話題としての取り上げが非常に大きく多くなってきたことで非常に活性化を見せてるボカロ文化。では今後このボカロ文化がどうなっていくと思いますか?展望と言うか「これからこんなことがありそうだぞ、こういう風になるんだろうな」みたいな、ある意味『未来のビジョン』について語っていただければなと思います。あくまで正解がないふわっとした未来の話なので、思う存分こうであってほしいとかっていうのを語っていただければと思います。まず初めにそうですね、ふわっふうさんどうですか。
ふわっふう:はい。僕が最初か(笑) 今後のボカロで言うと、さっき言い忘れてたんですけどボカコレっていうイベントがそもそもあって、それが三回目にして漸く色々な人が参加してピークで盛り上がっていたかなと。確か鬱Pさんかな?が言ってたかと思うんですけど、よくよくボカコレというイベントを考えてみると『プロで頑張っている人たちとアマチュアで必死こいてやってる人たちが一緒のステージに立ち、そしてランキング付けられるという。かくも残酷なイベント』という感じの印象を受けられてて。これは苦情と言うわけではなくて、ふと考えると凄いイベントだなって言う意味での発言だと思うんですけど、今後もやっぱりボカロ文化っていうのは「何かをやりたい」とか「衝動的に何かしたい」とか「何か創作したい」っていう人がボカロっていうものにたどり着いて、音楽というもので自己表現をするっていうところでまだまだ強く生き続けるんじゃないかなと思ってます。こと2021年に関してはさっき僕が言ったんですけど、これまでにはない盛り上がりっていうものが見え始めてきたっていう年で、久々にエグジットチューンズからボカロのコンピアルバムも出てますし。
そうですね。
ふわっふう:そうそう。新世代の人たちによるアルバムっていう感じの中身でもあったので、ボカロ文化というのはまた三年ぐらい再び盛り上がる年みたいになるんじゃないかな。で、そこでまた影響を受けた人が暫くしてまた出てきてって言うので、サイクル的にはいいサイクルがまた回り始めたんじゃないかなって個人的に思ってますね
そうですよね。だって前回というかボカコレの総合ランキングの中に、あの有名トップクリエイターが1位ではあるがその下にはゆ茶さんがいるって言う。
ふわっふう:そうそうそう。
それを考えると、本当「どんな立場であろうと同じ舞台に立てますよ」って言う、ある意味で夢があるような場所であるっていう感じですもんね。
ふわっふう:だからはゆ茶さんもね、カラオケで歌える曲が出ましたし(笑)
早速あれ歌ってる人なんかいましたけどね。
ふわっふう:歌うって言うか「ただのアフレコじゃねえか!」っていう話ではあるんですけど(笑) そういう意味でもやっぱりどんな人でもチャンスと言うか、ボカロという一個のツールを使うことによって表現できるステージに立ててしまう。そういった気軽さみたいなのが久々にちょっと戻ってきたのかなっていうところがあって、暫くはまた気軽なボカロって言うのが続いていくんじゃないかなって個人的に思っているところではありますね。
はい、ありがとうございます。では同じ質問をミュツタカさん。今後どうなると思いますか。
ミュツタカ:これも他の方の記事を借りる形になってしまって恐縮なんですけど、僕自身が総投稿動画数とかを調べたわけではないんですが、昨年のこの時期に投稿されたニコニコニュースの記事が僕の中では結構印象的にグラフを覚えてて。2019年、2020年と微増ながら総投稿楽曲数が増えてきてるんですね。振り返ってみると2021年ってそれこそボカコレもありましたけど、色んなユーザー主催の企画――それこそはゆ茶さんの話が出たのでネタ曲投稿祭ですとか、イラスト統一祭とか曲名統一祭、ドガコレなどなど――があったりしたので、2021年は楽曲投稿数としては右肩上がりになるんじゃないかなと期待しているし、確実に2020年よりは多いだろうと僕は予想しています。
先程ふわっふうさんも言ってくださった通り、今まで僕の中ではボーカロイドって雲の上の存在のように感じていたんですけど、高いわけじゃないじゃないですか。買おうと思えば手軽に買えるし、何かやってみようと思えば誰でもできるっていうのもあって、繰り返しになっちゃいますけど比較的テレワークとか自宅にいる時間も増えて、「ちょっとやってみようかな」みたいな方が増えてきたんじゃないかなって。その手軽さもあって、「何かチャレンジしてみよう」みたいな雰囲気にはなってるんじゃないかなと思うので、人それぞれなところはあるかもしれませんけどチャレンジする人が増えてるなっていうのは印象として感じてます。なので本当は自分もチャレンジできたらいいですけど、何だろうな。言うことをまとめてなくて申し訳なかったんですけど(笑) これからもきっと投稿数的には増えるだろうし、界隈と言いますか分野としては伸びていくんじゃないかなと僕は思ってます。
所謂、自分の使える時間……テレワーク等を通じて移動する時間がなくなった分ちょっと余力が出来たり、気にはなってたけど時間がなくてできなかったって人たちには刺さって、作品をポンと投稿できるような状況にこのご時世でなってきたからこそ、今より加速度はさらに増すんじゃないかっていうような感じですかね。
ミュツタカ:そうですね。今までバンドをやってた人達がなかなか緊急事態宣言で会えなかったりとかっていうのもあると思うんですよね。一人で音楽に携わる時間とかもやっぱ人それぞれ増えたんじゃないかなと思うので、その結果かなという風に思いますね。
はい、ありがとうございます。同じ質問をスーさんどうですか。
スーさん:そうですね。皆さんが言ってることに「うん。なるほど」って思うことが多かったんです(笑) 今後のボカロの文化としてはさっきも話題に上がりましたが、皆さんが言ってる通りボカコレっていうものがあって今ドンッと一気にボカロの文化が盛り上がってきてるっていうのはあると思います。また運営さんがスポットを当てるというイベントだったりとか、ユーザーが企画してるイベントによってまたどんどんどんどん来年も二年後三年後もまだ盛り上がっていくんじゃないかなと思います。
展望というか願望として個人的に「ルーキー含めボカロPさん達の色んなコラボを今後見てみたいな」っていう気持ちがあって、「この人と一緒にこう作ってみました」っていう楽曲を見てみたいなって言う個人的な希望というか思いがあります。
なるほど。コラボレーションとか、そういう切っ掛けが作れるような場ができるといいですよね。
スーさん:そうですね。あとはさっきミュツタカさんが言ってたんですけど、まふまふさんの歌ってみた――二次創作からボカロを知っていく人とかいると思うんですよ。言ってしまえばニコニコだけじゃないと思うんですよ、ボカロの文化って。YouTubeであったりとかTikTokであったりとか、色んなSNSとかで知る人たちも多いと思うので、またそれ切っ掛けでクリエーターさんを知って繋がりが出来ていく。どんどんどんどん相乗効果じゃないですけど、一気に上がりつつももちろん波はあると思うので、またちょっと下がっている部分があれば色んなイベントで盛り上がるっていうサイクルでボカロ文化は続いていくんじゃないかなっていうイメージです。あと前の質問内容の回答でもあったと思うんですけど、ボーカロイドのキャラクターが結構人間に近いような形になってきて、より人間が歌っているかのようなってきているので、ボカロと歌ってみたでCD出しましたとかっていうのがもっと出てくるんじゃないかなとか思ってたりします。
なるほど。非常に面白い未来のビジョンを語っていただいた感じで。
スーさん:楽しそうだなとか思って(笑)
裏を返せばスーさんがそれを欲しいんですよね?
スーさん:欲しいです。
全員:(笑)
スーさん:欲が出ちゃうと「もっとそういうのが出て欲しいな」って言う欲(笑)
いや……だろうなと思って聞いてましたけど(笑)
スーさん:すいません。ちょっと欲……願望みたいになっちゃいましたけど。
ありがとうございます。最後になりましたけど猫月さんどうですか。
猫月:はい、そうですね。前三人でほぼ言われてしまってるんですけど(笑) 今後、長い目で見たらどんどん発展していくんじゃないかなっていう感じです。って言っても、去年のこの時期は「来年これ発売します、あれ発売します、発売予定です」みたいなのが沢山あって、うきうきしながら年を越した記憶があるんですけど、今年はそこまでなくて。発表されているのがSynthesizer V AIの(京町)セイカさんと、東北姉妹のきりたん以外の二人のCeVIO AI(ソングボイス)みたいな感じで、結構そこまで多く発表されていないんですよね。三人のお話でもあったんですけど本当にボカコレでこれだけ盛り上がりを見せて絶対誰かの心に響いたと思うので、それ切っ掛けで「何か新しく曲作って投稿してみよう」とか「絵を描いて動画で使ってもらおう」とか、そういう人たちがどんどん増えてくるんじゃないかなと思います。と言っても2022年っていう限った話で見ると、若干今年よりは落ちるんじゃないかなっていうのが自分の感想です。ミュツタカさんとは真逆で申し訳ないんですけど、コロナがある程度収束してくると、このまま継続してテレワークのところもあれば、元に戻すところもあると思います。そうなった時にこれまで楽曲時間に当てられてた時間がなかなか取れなくなったとか、そういうのがちょっとずつ出てきそうだなってところでちょっと不安は感じてます。
色んな情勢の中で、いかに環境に適した状態で出しているかっていうのは――これもリサーチをかけてない以上分からないけども――余暇の時間があった分、新しいクリエイティブなことができましたっていう話になったら、その中で新しいイベントとかをやるにあたって、例えばその発信する情報を早めに出して作る時間に少し余力を持たせるとか、そういうちょっとしたリサーチの結果が出た上で「次どうしようか」っていうプラスの相乗ができるといいですよね。はい。ありがとうございます。
続きましてニコニコならでは質問をしていこうかなと思います。ボカロ楽曲だけだったらYouTubeですとかニコニコ動画、各所のサブスクリプションしかり色々な所で盛り上がり見せると思うですけど、やはりニコニコ動画と言ったら「二次創作」だと思います。なのでここでは「二次創作」について語って頂こうかと思います。「普段、二次創作見てますか?」とか「何か投稿されていますか?」っていうのをお聞きします。最初に猫月さん如何ですか。
猫月:SmileSの方で『The VOCALOID Times (RC)』を執筆させていただいているので視聴はもちろん、投稿の方もボイスロイドカバー・CeVIOカバーとか色々とやっています。
ちなみにその投稿された内容で、これが自信作だとかってなんかありますか。
猫月:そうですね……ありがたいことに先日のニコニコプレミアムアワードの一次選考まで残ってたんですけど、【晴天を穿つ / 東北きりたん (Cover)】が自分で投稿したやつの中ではめっちゃ好きです。
なるほど。その投稿作品の制作って結構時間かかったりとかしましたか。
猫月:そうですね。【晴天を穿つ】の時は――ちょうどきりたんのCeVIO AIのボイスが発売されて「何を歌わせようか?」「じゃぁこれ歌わせよう」みたいな感じで作っていったのが始まりなので――丸一か月ぐらいかけて作ってました。
その一か月の中で自分が「これだ!」と思ったやつがプレミアムアワードのところまで
猫月:いや本当に……本当にありがとうございますって感じですね
いやぁ凄いですね。ありがとうございます。では続きまして、ふわっふうさん。二次創作について、投稿されているのであれば是非投稿している話を。実際視聴されているのであれば、どういうものを視聴されているのかを是非お願いします。
ふわっふう:はい。元々、実は投稿しようと思ってニコニコに来たっていうのはあるんで、本当に本当に最初の頃投稿してたやつはあったんですけど、今はもう消してあります(笑)
あっ、そうなんですか?!あらま。
ふわっふう:投稿していないに等しくて、二次創作の視聴自体はたまにするかなという感じです。と言うのも僕から積極的に探すっていうことはあまりなくて、それこそボカコレで「ボカロ曲は何度か聞いたけど、たまには『歌ってみた』も聞いてみようかな」っていう感じの寄り道感覚で探したりとか。あとは作業用BGMとしてボカロ曲をずっと流してたんだけど、たまたま『歌ってみた』や『演奏してみた』に飛んだみたいなものとか。総合トップで紹介されてたりとか。ふとした偶然の出会いで二次創作を知るみたいなのを何度かやっている感じ。そういう楽しみ方をしていますね。
あーなるほど。ありがとうございます。同じ質問になりますけどミュツタカさん。二次創作については視聴しているのかと、もし投稿されていれば是非言っていただければと思います。いかがですか。
ミュツタカ:そうですね。自分が『歌ってみた』を中心に投稿していたり、生放送でピアノの弾き語りとかもしているので、特に『歌ってみた』『演奏してみた』をメインに視聴させていただくことが多いです。
実際その『歌ってみた』の投稿をしようと思った時に、原曲選びの基準みたいなのがあるんですか?
ミュツタカ:僕の場合はまず時期だったりとかその曲のテーマだったりが一つ基準になるかなと思います。
実際に『歌ってみた』を収録してニコニコ動画に投稿するとなると、どれぐらいの期間かかったりするものなんですか?
ミュツタカ:曲によりけりなんですけども、録音を含めても作業時間で言うと大体4~5時間ぐらいだと思います。
なるほど。制作時間的に言うとそこまで長く掛かることはないってイメージですかね。
ミュツタカ:確か超会議のユーザ企画であったと思うんですけど、一発で歌ったものをそのまま投稿しましょうみたいな。所謂ミックスはほとんどなし。エコーだけはかけてもオッケーみたいな企画もあったりしたので、拘る人もいると思うんですけど、一方で手軽さもあると思うんですね。そこに関してはやっぱり何処をいじりたいかによるのかなと思います。
なるほど、ありがとうございます。同じ質問をスーさんいかがですか。
スーさん:そうですね。二次創作に関してはふわっふうさんと同じなんですけど、目に付いたりとかニコニコのトップに紹介されている時に見に行ったりとか、作業用BGMで聞いたりとかっていうのが多いですね。『踊ってみた』や『歌ってみた』あとはニコニコ生放送の『歌ってみた』や『演奏してみた』で二次創作を聴くというのが多いのかな。
スーさんは二次創作っていう観点で言うと、投稿としてはどうですか。
スーさん:投稿はあまりしてないんですよね。自分は生放送で新しい曲を練習して取り上げたりとか、二次創作を取り上げることが多いので、投稿というよりかは自分で探してみて「この曲を歌ってみたいな」とか、生放送で聞いて「この曲なんだろう」って持ってくることが多いかな。あとは自分が動画や生放送で「歌詞職人」をやっているので、そこから「この楽曲なんだろう」とか「この歌詞なんだろう」って結構調べに行くこともあったりします。
ありがとうございます。二次創作に対する皆さんのお話を聞いた上で次のトピックに行ってみましょう。
二次創作の中でよく耳にするのが「『歌ってみた』や『演奏してみた』は冷遇されてる」と言う声なんですね。忘れた頃に必ずと言って良いほど聞こえてくる。そんな二次創作をこう盛り上げたいなという時に、今後どういうことをやっていく必要があるのか考えていきたいなと思うことがありまして。折角の機会なので「二次創作を盛り上げるためにどんなことが必要だと思うか」っていうのをお聞きしたいと思います。スーさんどうですか。
スーさん:そうですね……二次創作を盛り上げるためって言うことですよね。必要な要素か。僕自身、生放送が中心なので生放送目線になってしまって申し訳ないんですけど、もっとユーザー生放送さんとかで「こういう二次創作があったよ」「こういうものがあったよ」って言う声を取り上げてくれるようなところがあったりとか、さっきテレビの話も出ましたけど色々な番組とか、ニコニコの公式――運営さんの方で二次創作を盛り上げるイベントをやってもらうとか。今はやっぱりユーザーさん主体で盛り上げてもらっていることが多いので、積極的にどこかから手を差し伸べてもらってどんどん盛り上げてもらうのが一番いいのかなって思ってます。すいません。凄い曖昧な回答になっちゃうんですけど。
はい。ありがとうございます。生主の『歌ってみた』を取り上げてほしいっていうご要望かと思うんですけども、実はですね『The VOCALOID Times』の派生ブロマガとして『The VOCALOID Times CROSSOVER』というものがございます。こちらで二ヶ月に一回ではあるんですけど、生主の『歌ってみた』も取り上げております。こちらの方で一応カバーはしているんですが、なにせ生主ですとご紹介をしてもコンテンツツリーからの通知をとばすことが出来なくてですね。苦渋というか、担当者とも「どうしようかね」っていう話を毎回しています。
スーさん:『演奏してみた』『歌ってみた』の生放送で結構盛り上がっている人たちって多いような気がしないでもないです。今は『ゲーム実況』が伸びてるので、ちょっと少ない印象はあるかもしれないですけど、意外と盛り上がってる部分があると思います。出来ればそこをピックアップしてくれると嬉しいですね。
はい。あと個人的な話ですけどスーさん的に――例えばスーさんが生主として『歌ってみた』をやってます。それがタイムズで紹介されました。――となった時にTwitterかなんかで「紹介されましたよ」っていうメンションが飛んだら喜びますか。
スーさん:物凄い喜ぶと思います、本当に。「こういうメンション来た。載ったの!?」っていう嬉しさがあると思いますね。なんかこれはもう一個人の意見になっちゃうんですけど。
いやいや。これには正解がないので、そういう思いがあるっていうのは一個人とはいえ他にも思っている方もいると思うのでいいと思いますよ。
スーさん:あとは個人的に御丹宮くるみさんのボカロ楽曲を紹介している番組なんかもあるので、そういうのを見て「二次創作やってみようとかな」ってなってくれる人いないかなと思っています(笑)
なるほど。ありがとうございます。では同じ質問をですね、ミュツタカさんどうですか。二次創作の盛り上がりには何が必要だと思いますか。
ミュツタカ:実はつい先日『最近6ヶ月ニコニコ投稿動画の1万再生超え割合』というツイートを見かけまして、どうやらユーザーさんで調べてくださったデータがあるみたいなんですね。
スーさん:あった、それ。
ミュツタカ:それを見るとですね、残念ながら一万再生突破してる動画の割合が一番少ないのが『歌ってみた』のようなんです。盛り上げるっていう視点からは若干外れるかもしれないですけども、「再生数を増やすためにはどうすればいいんだろうな」っていうことを投稿者だったらやっぱり考えると思うんですね。色んな方の記事を調べていく中で『友達を増やそう!みんなで紹介してもらえることが大事です』みたいなことが書いてある記事を読んだことがあるんですよ。「まぁ言われてみればそうだな」って思ったりとか、投稿しただけで終わっちゃってる人とかも中にはいるんじゃないかと思っていて、そこからセルフプロデュースがどれだけできるかっていうのが大事なんですよね。自分で「こんなのあげました!皆さん見てください!」だとなかなか見てもらえないですね。誰かに「この動画が良かったよ」って紹介してもらったり勧めてもらった方が再生してもらえるっていうデータもあるみたいで、そういう意味でもボカロ楽曲を紹介してくださっているタイムズさんなんかは、ボカロPの皆さんを本当に支援できているんじゃないかなと思っております。
じゃあ盛り上げるためには?と言う方に話を戻すと、さっき生放送をスーさんが喋ってくださったんで、申し訳ないんですけど僕はもうちょっと狭義のところで。『歌ってみた』の動画を盛り上げるためにどうすればいいのか、一つ考えたこととしては、自分の動画の中でも再生数が高い動画って大体コラボの動画なんですね。
なるほど?
ミュツタカ:誰かと一緒に歌ったものっていうのは結構伸びてるんですね。それは恐らくニコニコ然りTwitter然り、色んな所で人に見てもらえる環境にあったからなんじゃないかなと個人的には分析してます。なので一人でやるよりも色んな人と作った動画の方が再生されるだろうなって。自分の投稿した動画でも実績として、数値として、データとして出てるので、やっぱり一人でやるよりは「皆でやろうよ、動画を作ろうよ」みたいな方が界隈としても盛り上がっていくんじゃないかなと思います。まぁなかなかね、難しいところもあると思うんですけど、一人でやるよりは皆でやった方がいいと思います。
確かに、確かにね。ここで言うのもあれですけど、スーさんとミュツタカさんはね二人でで投稿(※)したりしてましたけどね。
(※)タイムマシン / スーさん×♪ミュツタカ♪【#ボカコレ2021秋歌ってみた】
ミュツタカ:そうですね。歌わせていただきましたね。
あとCROSSOVERを作っている立場から言うと、投稿されたコラボ作品とかもご紹介してるんですけど、比較的再生数が伸びているものが多い印象ですね。ミュツタカさんに言っていただいた「コラボ」って言うのは、ある意味キーワードになってくるような気がしました。
ミュツタカ:『歌ってみた』に限らずね、さっきスーさんも言った通り「コラボが見たい!聞きたい!」っていうのはやっぱり一つの回答なのかなって思います。
なんかね、今の話がそういう「次の一手」みたいなもののヒントになればいいなと思います。
ありがとうございます。では同じ質問を猫月さんどうですか。
猫月:はい、そうですね。ミュツタカさんの意見を聞いてて本当に的を射てる感じがしていて、さっきミュツタカさんが挙げてたツイートをぱっと見たんですけど『歌ってみた』自体が盛り上がってないわけではないんですよ。半年の投稿数が44,000件以上あるので盛り上がってないんじゃなくて、日の目を見ていないっていうのが正解だと思っています。では日の目を見るためにはどうすればいいかってなると、ミュツタカさんが言っていたコラボのように投稿者側で出来ることもあれば、タイムズや生放送の紹介番組など外部からできることもある。投稿してそれを誰かが紹介して誰かの耳に心に届いて、その動画を見た人がさらに教えてみたいなサイクルをうまく作って回せるといいなぁって思うんですけどね。
あくまで個人視点での意見になるんですけど、結構カバーとかそういうボカロ系のやつって公式クルーズもありますし、キャラに限った話で言うとレンくんが出てくる動画だけをひたすら巡るユーザークルーズなんかもあったりします。結構キャラ愛から生じる「これ凄いから紹介したい!」みたいな動きがあるんですけど、『歌ってみた』『演奏してみた』はなかなかその人に結び付かないなって最近感じています。なんか上手くまとめまとまってないですけど……なので本当にタイムズだったりSmileSの推し枠、公式だと総合トップやビジョン、個人のTwitter、ブログ、そしてニコニ広告やギフトだったりでどんどん応援して、サイクルを何とか回せたらなってって思ってます。以上です。
はい、ありがとうございます。猫月さん的にはね、REMIX・カバーっていう点で言うと、これに関してもその界隈だけではフィーバーするかもしれないですけど、全体的にって言うとなかなかね、日の目を見ないと言うか難しい部分がやっぱりあるかなって感じますね。
ミュツタカ:うん。
スーさん:うんうん。
猫月:カバーについてはボソって……本当にボソって言うんですけど、ボカコレに枠がないんですよ。なので尚更きついけど、それを何とかそのキャラのクルーズだったり「キャラ愛」っていう部分で補ってる感じがします。それなりに日の目を見てるなっていうのは、それなりにですけど感じてたりはします。
イベントでは日の目を見ているけど、じゃあ一年通してずっとフィーバーしまくってるかって言うとそうではないっていうのが、なかなか難しいところではありますよね。
猫月:そうなんですよねぇ。
ありがとうございます。同じ質問になりますけどふわっふうさんは盛り上げるためにどんなことが必要だと思いますか。
ふわっふう:これ僕の立場的に下手げなこと言えないなと思いつつちょっと本音を言おうかなと思うんですけど(笑)
もうもうもう一個人の考えでいいですよ、本当にもう。
ふわっふう:一個人の……あくまで一個人の考えですけど、『歌ってみた』や『演奏してみた』の冷遇って「どの立場での意見なのかな?」っていうのがそもそも気になっているところです。これが「ユーザーさんが冷遇されてる」そしてそれが例えば「プラットホームに冷遇されている」って言う声なのであれば、僕は完璧に否定したい、間違っていると思っています。やっぱりその界隈を盛り上げるのはユーザーさんであるべきだと僕は思うんですよ。
うんうん。
ふわっふう:動画投稿者がやるべきで、実際ボカロに―― 一次創作側に目を向けてみると、今年なんかはボカコレっていうイベントがそもそもありましたけど、その他にユーザーさんのイベントがもう沢山あったわけです。今はボカロタイムズの座談会なんでボカロの話ですけど、それこそ『ネタ曲投稿祭』はじめ『曲名統一祭』とかっていうところで、ボカロ界隈を盛り上げようとしてくれている人が自分でお祭りを開いちゃうっていう現象が起きている。本来それが界隈を盛り上げる上でのあるべき姿だと思うんですよ。だから公式でイベントが供給されるのをずっと待っていて、ここが供給されないから冷遇してるっていうのであれば、それは完璧に間違っていると僕は思います。これは僕の個人的な意見ですけど「じゃぁ盛り上げたいんだったらお前がやればいいじゃん」っていう気持ちになっちゃうので(笑)
そのお気持ちはよく分かります。
ふわっふう:そこをまず置いといて、プラットホームとか公式・運営と言われる人たちに何かを投げてるみたいな状態は、多分サイクルとして回っていかないと思うので良くないと思っています。その上で『ボカロ懐メロ歌ってみた祭り』とかは『歌ってみた』で非常に盛り上がりの兆しが見えてきたと思うんですけど、やっぱり『歌ってみた』や『演奏してみた』は他の界隈と比べると圧倒的にそういうお祭りが開催されていないと思うんですよ。なので「俺が、私が、盛り上げなきゃいけない」みたいな人がもっと出始めてくると、それがいい循環になって色んな人の目に触れる切っ掛けになると思います。それこそ『MMD杯』がいい例で、普段MMDを見ていない人が「決まった季節にランキング入りする、この謎の3Dモデルの動画何なんだ」ってところからMMDを知って、見る。それって正に二次創作で、特定の期間盛り上がってるから普段は見てないけど見るっていう取っ掛かりになると思うんですよね。人間って取っ掛かりがないと見ないんですよ。新しいものに触れるってことをしない生き物だと思うので。だったらそこに影響を与えるような人――それこそはゆ茶さんみたいに『歌ってみた』『演奏してみた』って壁をぶち壊して盛り上げるみたいな感じのあの人が出てこないと、僕は結構厳しいと思っています。なので『演奏してみた』とか『歌ってみた』に関してはそういうお祭りを立ち上げる人がもうちょっと増えてくると、今までとやっぱり違ってくる、より盛り上がってくるんじゃないかなって。
さっき日の目を見る見ないの話をしてましたけど、日の目が見るチャンスがそれによって広がってくると思うんですよ。企画を立ち上げる人、単純にそこに参加していこうとする人。やっぱり立ち上げる人がいなければ、そこに「じゃあ乗っかってやろうぜ!」って言って入ってくる人もここ3~4年ぐらいはもういない界隈になっちゃってると僕は思ってて。
うんうん。
ふわっふう:例えば「鬼ごっこやろうぜ」って言ったら皆で鬼ごっこやるって言う界隈にまた戻って――ちょっとずつ戻ってきてるかなと思うんですけど――もうちょっと皆が一緒に盛り上がれる、盛り上がるためにこういう楽しいことやっていこうぜってなれれば、二次創作界隈も盛り上がっていってスポットもどんどん当たっていくんじゃないかなって個人的には思っていますね。
そうですよね。これは勿論ふわふうさん個人の考えでありますし、お仕事上の話とは全然違うんですけど、例えお仕事上の話でいってもこういうお祭りとかってユーザーの皆さんが盛り上げてくれたものに対して、運営さんが「こんなのありますよ」ってスポットを当てるのは非常にやり易いし、盛り上がることによってその界隈が更に「じゃ次こんなのやりましょう」っていうような考えになっていくのは本当にそうだなと思って聞いてました。
ふわっふう:やっぱりボカコレもそうなんですけど、『踊ってみた』とか『歌ってみた』とか『演奏してみた』のカテゴリを見ると、「何でここに乗っからないだろ?プロの人達とか」って……プロの人達と言うか人気の人達か。プロの人たちって言うとちょっと語弊があるし、色んなしがらみがあると思うんできついなと思うですけど。「ネームバリューのある人達がもっと乗っかってもいいはずなのに」って思うんですよ。それは単純にボカコレと言うイベントがそこまで浸透していないっていう――ことその運営側に立った視点での問題っていうのはあるんですけど――そこに「遊んで行こうぜ」とか「楽しんで行こうぜ」って言う人がそもそもいない、数が少ない。そんな状況だと思うので、当事者意識と言って良いのか分かんないですけど、「楽しいことあるじゃん!じゃ私も楽しいこと乗っかってみよう!」って言う人がやっぱり今はまだ少ないのかなって、僕個人としては思っています。
確かにそうですね。私自身、当事者なのか分からないですけど『歌謡曲投稿祭』は「二次創作にも焦点を当てた投稿祭って今までなかったからやってみようか」っていうので立ち上げました。それが顕著に出てるかなって現在の投稿数を見て感じました。本当に何かこう面白いことを、そして「またニコニコで投稿してみませんか?戻ってみませんか?」って切っ掛けをまず作ることが大事なのかなって。でも作る人がそもそもいないから、これを作ったので、ふわっふうさんの話を聞いて「やっぱそうだよな」って個人的に思ったりします。
ふわっふう:色んな意味でプロモーションが足りてないんですよね。それこそさっき話題に上がってましたけど、セルフプロモーションですよね。「自分がこれに乗っかったらもっと盛り上がる、知られるだろう」じゃなくて、投稿することがゴールで「投稿しました」で終わっちゃってる人がやっぱり多い。そっから必死になってる人ってやっぱりちょっと少ない感じがして、結果的にその界隈として日の目を見ない。ルーキーで二次創作するってめっちゃ大変じゃないかなっていう風な感じがあっても、それこそ本当に土台のしっかりしてる人が今ランキングに入ってるって僕は思っているので。その中で少しでも数多くのイベントが開催され、少しでも多くのイベントに参加していくみたいな感じのサイクルが回っていくと、結果的に盛り上がっていくになるんじゃないかなと僕は思っている。個人的なご意見でした。
いやもう本当にそれはごもっともだなって思いますし、それを踏まえた上で「更にポジティブにしていくにはどうしたらいいんだろうな」というのをユーザーがまず主体的にやっていく。それに対して何か補助できないかなと運営さんが手を差し伸べたり。あくまで主体はユーザーで、まずユーザーがポンって出す。そこが盛り上がればより「こんなのが盛り上がってますよ」って言うことができて、ある意味ウィンウィンというか相乗効果でぐるぐる回っていけば。この辺りは来年・再来年以降、いい感じになっていくんじゃないかなって感じました。
ふわっふう:そうですね。やっぱり少しずつ人が増えてきていて、コンテンツ量も増えてきていて、「こういう楽しいことあんじゃん」って思ってくれる人もちょっとずつ増えてきてはいるので、後はその「楽しいことをしよう!俺がなんか企画するから!」っていう人がいてそれに参加する人が増えてくると今後盛り上がっていくんじゃないかなと思います。あとは意外と公式が主催するイベントに乗っかる人って、そんなにいないみたいな(笑)
まぁそうですね(笑)
ふわっふう:やっぱりユーザーさんが何かやってると参加するんだけど、公式はちょっとな……みたいな感じのその人もいらっしゃると思うんで、その点でも「ユーザーがお祭りを立ち上げました」の方が綺麗だし、盛り上がるんじゃないかなってずっと思ってますね。
ここまで二次創作について色々とお聞きしました。非常にありがたいお言葉をいただけたかと思います。ここからは続きのお話ではありますが、ちょっと身内の話になってしまいます。ニコニコ情報調査室SmileSという場所で細々と更新を続けているタイムズについてお話をしていきたいと思います。
The VOCALOID Timesはお陰様で一周年を迎え、この一年で本当に様々な企画、様々な方向性の記事を制作してきました。そのうちの一つがこの座談会だったりします。しかし記事を出してはいるんですけど、なかなか周知されていないというのが現状でございます。このタイムズをですね、より多くの方に広めていくためにはどんなことを行ってはいけばいいのか。この機会にアイデアというか、お知恵を拝借というか、「こんなのどうですかね?」というのがあればお聞きしたいかなと思います。初めにミュツタカさんどうですか。
ミュツタカ:はい。ボカロ見るラジオ一回目のアシスタントをさせていただいた時に、「実はこういうことをやっている人って他にもいるんじゃないかな」と思ってちょっと調べたことがあるんですね。実際に一回目ゲストのタケノコ少年さんをご紹介するYouTubeの動画が見つかったんですよ。「こういう人もいるんだ!」ってその時初めて知ったんですね。電気店とかスーパーで言うところのライバル店の調査じゃないですけど(笑)
同じような活動をしている方をちょっと調べてみたりとか、もしかしたら何か一緒にできることもあるかもしれませんし。そういう方々と手を組むっていうのも、もしかしたらあるかもしれないなと、ぼかみら一回目のアシスタントやらせてもらった時に思いました。加えてですね、先ほどの「二次創作、誰に見てもらうか」みたいな話に繋がると思うんですけど、「じゃあタイムズ誰に届けますか?」ってところも大事だと思うんですね。どこに向けて発信していくのかなっていうのも、クリエーターさんだったら考えるところだと思うんですけど。その辺りをもう少し考えていかなくちゃいけないのかなと個人的には思ってたりもします。『踊ってみた』だったら『踊ってみた』というジャンルが好きな人もいると思うし、そのクリエーターさん・パフォーマーさんが好きな人っていうのもいると思うんですね。そこをこう定着させていって、段々と人気になっていく人っていうのがやっぱり多いと思うので、そこの調査もちょっと必要なのかなと個人的には思ったりしてます。すいません、ざっくりしてますけど以上です。
ありがとうございます。この話はあくまでふわっとした感じで正解はもちろんないので。皆さんのお話を聞くいい機会なので質問させていただいてます。はい、ありがとうございます。では同じ質問をスーさんいかがですか。
スーさん:今ミュツタカさんの話を聞いて「どうすればいいんだろう」って思ってました。勿論ミュツタカさんの言ってたYouTubeでタケノコ少年さんが紹介されていたように、別ジャンルの発信力をお借りするっていうのもいいなとは思います。けれども、ボカロ見るラジオっていう生放送をチャンネル放送で出来るようになったので、動画であったりとか生放送であったりとか、タイムズってボカロ見るラジオ以外にも他の媒体で出来なくもないなと思う。CROSSOVERであったりとかも生放送で立ち上げることもできると思うので、そういう後々からでも見れるもの――動画とか生放送で見て、その後にタイムズの記事を読んでもらうとか。
あと本当に自分もちょっと出来てない部分だと思うんですけど「SmileSのエージェントで盛り上げる」っていうことがまだ出来てないんじゃないかなって思う部分があったり。自分もなかなか盛り上げることが出来てない。身内だけで盛り上がってしまっている部分がある。エージェントさんたちもTwitterとかで色々な人との繋がりとかがあったりすると思うので、そういうところの力を借りて――例えば「今タイムズ上がりましたよ」って周知をすることによって、また別のジャンル・界隈の人に来てもらえるのかななんて思ってたりはしました。すいません、なんかザックリとしてしまいました。
いや本当正解がある質問ではないので。もちろん方向性があるかと言われたら「うーん」っていう感じになるんですけど、今後広めるためには色んな考え方や策があるなってミュツタカさんやスーさんの話を聞いて感じた部分はあったので。もうちょっと出来ればいいんですけどね。出来ればいいんですけどねって前置きはちょっとよろしくはないですけど(笑)
ありがとうございます。では同じ質問になりますけど、ふわっふうさんいかがですか。
ふわっふう:そうですね。僕これに関しては迂闊なこと言えないなって感じがあるんですけど(笑)でもやっぱり一年続けてきて「タイムズっていうものの認知が少しずつ広がったのかな、でももう少し時間かかるかな」っていう感じがしていて、引き続き「こういう紹介をしているものがあるんだ」っていうところを地道に地道にやっていくのが重要なのかなとは思います。あとはやっぱり周知を広げていくっていうので、色んな施策があると思うんですけど、それらが出来るようにどうにか出来ればと思っているっていうのが……なんか煮えきらない感じになっちゃうんですけど、僕なりの回答かなと思います。
この辺に関してはなかなかにちょっとあると思うんですけど、でも何でしょうね、更新をしていただいているだけでありがたいような話ではあるので。それをこれからどのように広めていきますかっていうのは、今後も色んな意味で試行錯誤しながら検討していくことになるとは思うんです。なので躓いた時にご相談させていただくことがあるかとは思いますけども。
ふわっふう:躓いて大きく変えなきゃいけない時は変えた方がいいと思うんですけど、僕はしばらくは今の状態――新曲と発掘曲を紹介していく。実際に聴いて感想も添えた感じで投稿するスタイルは変えずに伝えた方がいいのかなとは思ってます。プラスのフィードバックっていうのはボカロPさんにとってはめちゃくちゃありがたい。たった一文だとしてもめちゃくちゃありがたい一言だと思うので、そういう意味でプラスのフィードバックを引き続き続けてもらえればいいのかなと僕は思っています。それで「これでめっちゃいいこと言われたんだよ」って口コミでやっぱ伝わっていくっていうのもあると思うので、いいところは続けていただければっていう感じがします。
はい、ありがとうございます。では同じ質問を猫月さんいかがですか。
猫月:言いたいことはほぼ言ってもらったみたいな感じで、若干まとめみたいな感じになるんですけど(笑)やっぱり「動線をいかに作るか」だと個人的には思います。ほぼスーさんが言ってくださったんですけど、動画とか新しい形でやるのはもちろんなんですけど、過去一年のタイムズを振り返って何が変わったかなって考えた時に、動線が減った分増えたんですよ。ユーザーブロマガっていうサービスが終了して、そこからの動線――所謂ユーザーブロマガでボカロの記事を見てた人が、そのままタグ経由でSmileSの記事に入ってっていう動線――がなくなったんですけど、その分エディターさんがやってるTwitterだったり、ボカロ見るラジオだったりっていう新しい動線も出来たので、後はもうこれを続けて広げていくのがいいのかなと思います。自分も(RC)を書き始めた頃、自分のユーザ生放送で(RC)に掲載した記事を紹介していたんですよ。最近はブロマガ掲載のタイミングと自分の予定が合わなくて全然できてないんですけど。そんな形でSmileSの活動にしろ何にしろ、やれることをとりあえずやっていったらいいのかなっていう感じはします。以上です。
はい、ありがとうございます。皆さんからいただいた話は別に正解不正解はないので、二年目、三年目、今後と――なかなか難しいとは思いますけれども――引き続き今やってることを細々ながら、ずっと続けられればいいかなと思っています。まぁこれが私の負担が大変ヘビーだってなったら、皆さんにご協力いただくことは多々出てくるかと思いますけども。皆さんのお話を受けた上で、これから先もちょっと頑張っていこうかなと思ってます。ありがとうございました。
あっという間にお時間が来てしまいました。最後にですね、皆さん今日の感想も含めて今後の未来について語っていただいてですね、この場を終了とさせていただきたいと思います。ではまず初めにふわっふうさん。今日いかがでしたか。
ふわっふう:色々踏み込んだ発言もあって、これが切り取られてですね、「こういうこと言ってた」みたいにならないか非常に不安ではあるんですけど(笑) とはいえ、僕はあの悲観的に見ているわけではないんですね。「全体的に盛り上がるためにはどうしたらいいのか」を僕なりに真剣に考えた結果の発言ではあるので。これからも盛り上がっていくところはやっぱ盛り上がっていくと思うんですよね。2021年を迎えて、それこそ新人のボカロPさんもそうだし、新人の歌い手さんとか踊ってみたの人たちなんかが少しずつ新陳代謝が来てるなって個人的に思っているので、それがボカロから始まって二次創作・三次創作っていう感じで広がりを見せていって、土台がぐぐっと上がってくるような広がりになっていくかなと感じています。引き続きその楽しそうな『お祭り騒ぎな場所』っていうのを見届けていきたいなと思っています。今日はありがとうございました。
はい、ありがとうございました。では同じ質問になりますけども、猫月さんいかがでしたか。
猫月:はい。改めて本日はありがとうございました。色々なお話聞いていて「なるほどなぁ」って頷く部分もあったり……なんか座談会の最後に毎回言ってると思うんですけど、本当に自分一人では出てこないような意見や考えを他の人は持ってるんだと改めて感じました。なのでやっぱり座談会はいいなって思いました。
今後のボカロ文化については、どんどん広がっていってほしいなと思います。ボカコレとかでたくさん増えるっていうのはもちろんなんですけど、それで誰かに影響を与えて、その誰かが何か新しい行動を起こして、っていう連鎖がどんどん広がってくれたらなと思います。本日はありがとうございました。
はい。ありがとうございます。では続きましてミュツタカさん。本日はいかがでしたか。
ミュツタカ:はい。本日はありがとうございました。ちょっと猫月さんと同じ感想になるんですけど。自分が「こんな感じかな」って言ったことをですね皆さんが「うんうん」って言ってくれたり、エディターさんが補足してくださったりしたので、本当に自分も「なるほど」と思わされる部分もあったんですけど、自分の中の知識もアップデートされたかなと思ったりします。「あーなるほど。こういうふうに思ってる人もいるんだな。ふむふむふむ」っていうのを感じた座談会特別号でございました。
ボカロ文化を語ると同時に、個人的にはやはりこの基盤となるプラットフォームっていうのは一個大きな存在だなと思っています。皆さんご存知の通り(く)( Re )とバージョンを重ねていくことで、プラットフォームとしてのニコニコがどんどん使いやすくなってきている。そして若い人……若い人に限らずユーザーさんが増えてきている。これらに関しては皆さん共通認識をお持ちだと思うんです。投稿する場所としてのプラットフォームは大体形ができてきていると言うか、使いやすい形になってきてると思うので、今度は『遊び場』と表現している通り、そこで何をするか、何ができるか。そこが創作意志意欲とかに関わってくるところだと思うんですね。クリエーターの皆さんにとって使いやすい場所であると思うので、今後もですね、何か新しく……新しくというよりかは切磋琢磨しながらですね、色んなものが一緒に作れたりとか、作るだけではなくて盛り上げる場所になったらいいなと思ってます。
先程ちょっと話題に出た通り、12月12日放送の週刊ニコニコインフォで紹介された『年内に投稿された楽曲が百万回再生を突破したボカロ曲は今年は十一曲ある』しかも『その十一曲が全部違うボカロPさんの楽曲』っていうのはやっぱりデータとして一個「おぉ!すごいなぁ!」と思うので、来年はどうなるのか期待しつつですね、また皆さんと一緒にこの遊び場で楽しんでいければいいなと思っております。本日はありがとうございました。
はい。ありがとうございました。ミュツタカさんはね、是非レギュラーの座談会にも是非。お時間があればお付き合いいただければと思います。
ミュツタカ:はい、わかりましたー(笑)
ありがとうございました。はい、ということで今までこう長々とおしゃべりをしてきましたけども、きっと凄い締めをしてくれるんじゃないかなってちょっと期待をして、一番最後にお聞きしようかなと思って敢えて最後にさせていただきました。スーさんいかがでしたか、本日。
スーさん:最後のプレッシャーが大きいですね(笑)
いや、そんなことないですよ
ふわっふう:締めてくれるでしょう
スーさん:いやぁ……。
ミュツタカ:いいまとめをしてくれるよ!
スーさん:いやぁ……本当に皆さん本日はありがとうございました。毎回の座談会でも言ってるですけど、皆さんの色んな意見聞けるのがこの座談会のいいところだと思っているので、本当に自分も参考になるというか今後やってみたいなって思った部分もあったりします。もっと色々と頑張っていかなきゃなっていう刺激にもなったので、今回の座談会は非常に参加して良かったなと思っています。
今後のボカロの文化は皆さんもおっしゃってる通り、このThe VOCALOID Timesをはじめ、色んなところでスポットがどんどんどんどん当たっていってるとは思うので、これからもそれが継続してどんどん続いていってほしいです。個人的には「ボカロと言えばニコニコ」っていうイメージを持ってらっしゃる方が今も非常に多いのかなって思ってるんですね。もちろんニコニコだけじゃないと思いますけど、色んなメディア・プラットフォームでボカロっていう文化がもっと盛り上がってくれれば嬉しいです。さっきの二次創作にも当たると思うんですけど、やっぱり色んな二次創作――『歌ってみた』や『演奏してみた』『MMD』など様々なジャンルの人たちが原点であるボカロを盛り上げていってくれると相乗効果じゃないですけど、より良いサイクルが回っていくんじゃないかなと思っています。これ一周年ですよね?記念号なので、このThe VOCALOID Timesもより……一年、十年、二十年、どんどん続いていてほしいなと、継続していてほしいなと思っております。ありがとうございました。
いやぁ最後になんか二十年っていうフレーズが出てすごいプレッシャーを感じている部分があるんですけども(笑)はい。ありがとうございました。以上持ちましてですね、本日の座談会記念号を終了とさせていただきます。ご参加の皆さま、本当にありがとうございました。
全員:ありがとうございました。
記念号ということで1周年を記念して、幅広くいつもとは違った観点から座談会を開催致しました。皆さんの話すテーマや内容というのは、どれも素晴らしくこのような座談会は可能であればもっと多くの皆様、ボカロP始め開催が出来るといいなぁと思いました。なかなか大きなハードルというのがありますが、言うのは無限に出来る…といいけど…と思うので…記載をさせて頂きます。
- 座談会企画・進行・Editor&執筆者:エージェントNO.118
- 座談会参加者:猫月遥歩・スーさん・ふわっふう・♪ミュツタカ♪
- 文字起こし等編集staff:moG・色月すみれ
- ブロマガ掲載/転載フォロー:SmileS組織(運営)の皆さん
1年間更新し続け、頑張ってきましたが、ここまで大きくなるとは夢にも思っておりませんでした。ひき続き、今回の座談会を通じ、色んな支援が出来ればいいなぁと思いましたし、ひき続き頑張っていこうと思いました。今後とも、Times。そして、座談会を宜しくお願いいたします(`・ω・´)ゞ
提供:2021年12月30日 エディター&執筆者 エージェントNo.118
- 2024/11/12The VOCALOID Times #200
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- ※1、入会月以降の記事が対象になります。
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