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DJムタ:映画『白ゆき姫殺人事件』感想文 ~毒りんごの爆弾リレー、その正体、そして真のdisとは?~
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DJムタ:映画『白ゆき姫殺人事件』感想文 ~毒りんごの爆弾リレー、その正体、そして真のdisとは?~

2014-12-04 11:30
    DJムタ:映画『白ゆき姫殺人事件』感想文
            ~毒りんごの爆弾リレー、その正体、そして真のdisとは?~


    はいどうもー、ムタです
    突然ですが、皆さんは"ウソ彼女"をつくったことはありますか?
    僕はあります

    …あ、秋イベのことは語んないよ
    アレ超簡単だったから
    ムタさくっとクリアしたもん、超簡単だったもん
    401掘りとあきつ掘りで 資材15万溶かした挙句
    1隻も手に入らなかった以外はなッ!!(号泣)

    はい、で、"ウソ彼女"なんですが
    今の若い人はいいよねー
    ウソのネタが豊富にあってさ
    ネットもあるし、漫画やアニメ、ゲームにと
    女の子のキャラクターは豊富
    イベントだって多いし、出会いも別れも自由自在です

    加齢臭プンプンのムタの時代なんて
    "ウソ彼女"とのイベントや、取り返しがつかなくなったときの別れ方とか
    ない知恵と経験をしぼって、四苦八苦してストーリーを考えてましたからね

    しかし、ウソというのは因果なもので
    それまで嬉々として聞いていた"ウソ彼女"の話も
    ウソだとばれた途端に、手のひら返しで非難ごうごうですわ
    "おまえらだって一緒に楽しんでたジャン?"…って
    "一緒になって この聖域(サンクチュアリ)を育ててたんじゃねぇの?"…って

    今で言うと(今とか言っちゃうところが、もはや取り返しがつかぬほどの加齢臭ですがw)
    『電車男』を取り巻く構図がそれに近かったかも知れませんね



    はい、それでは今回
    ムタのお気に入りに新しく加わったのが
    映画『白ゆき姫殺人事件』です

    『白ゆき姫殺人事件』は
    化粧品会社のOL、三木典子が
    刃物で滅多刺しにされた上 燃やされ、遺体となって発見された事件を発端に
    その事件の"報道"や"関係者の供述"から、容疑者と被害者の人物像を描いてゆくという作品です
    タイトルにもある"白ゆき姫"とは、そのOLが勤めていた化粧品会社のヒット商品"白ゆき"
    になぞらえて名付けられたものです

    この『白ゆき姫殺人事件』は【湊かなえ】さんの小説が原作です
    【湊かなえ】さんは、同じく映画化された『告白』や
    今ドラマでやっている『Nのために』なども書かれています
    監督は中村義洋さん
    『アヒルと鴨のコインロッカー』や『チームバチスタの栄光』
    『ジェネラルルージュの凱旋』などを撮られています

    OK! Yes!!
    原作も監督もムタが大好物の組み合わせであります!
    (まぁ、『怪物くん』(未見)とか『奇跡のリンゴ』とかも撮られてはいるのですが…w)



    さて、この『白ゆき姫殺人事件』
    上でも説明したとおり、殺人事件を発端とした"報道"の物語です
    "殺人事件"とタイトルにはありますが
    ミステリでもなければ、犯人探しでもありません

    はい、がっかりですね
    "殺人事件"なんて聞いたら期待しちゃいますものね
    でも、ダイジョウブです
    心の腐ったムタにも、犯人を追い詰める以上のカタルシスを与えてくれる要素が
    ちゃんと用意してあったのです


    そもそも、童話"白雪姫"とはどんなお話だったでしょう?
    "鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰ぁ~れ?"のアレですね
    魔女が嫉妬のあまり、白雪姫に毒リンゴを食べさせて殺そうとしますが
    白雪姫には7人の小人という性的不能の取り巻きがおり、守られ
    最後には死体に欲情してキスをするネクロフィリアの王子様が出てきてハッピーエンド…というお話です
    (※注:一部ムタの脳内バイアスが強烈にかかっておりますw)

    この映画も『"白ゆき姫"殺人事件』と銘打つ限り
    なんらかのメタファーが組み込まれているのだろうと想像がつきます

    もちろん、ファンタジー要素の欠片もない現代劇であるこの作品
    魔女や小人や王子様などは出てきませんが、きっとどこかに居るはずです
    そして、白雪姫で象徴的なアイテムといえば"毒リンゴ"ですが
    それもどこかにあるはずです

    犯人探しを封じられたムタ(理由は後述)
    この毒リンゴ探しに執心しておりました
    みなさんも探してみてください
    では、そろそろムタがネタバレして語りだしますよ…



    はい、時間切れ~
    ムタの時間切れ~
    語りますよ、映画 観ましたね?

    まず、犯人探しを封じられた理由というのは
    "嘘つきフラッシュバック"の多用です
    "嘘つきフラッシュバック"とは、ミステリの(特に映像化)における禁じ手の一つで
    特定の人物の述懐にウソが含まれている場合に
    その回想を"映像として"見せてしまうことです

    "ウソの視覚化"です

    ミステリの定義として、読者(視聴者)に全ての情報をつまびらかに公開した上で
    主人公(謎解き人)と一緒に犯人やトリックを推理する…というものがあります
    つまりフェアプレイの精神ですね
    だって、最後のページでいきなり
    "うぃ~っす、俺が犯人でぇ~ッす♪"って初登場の人物が名乗り出てきたら
    ずるいと感じてしまうし、全然 面白くもなんともないですからねっwww

    "嘘つきフラッシュバック"が禁じ手なのは、上記の定義に反してしまうからです
    例えば、"アリバイがある"という過去の回想を、映像化して見せてしまっては
    後々それが覆されたときに、"あの映像は何だったの?"…ってなってしまうからです

    しかし、この『白ゆき姫殺人事件』
    事件関係者の供述が"完全に矛盾した形"で視覚化しております!
    視覚化しまくっていやがります!!!
    言う人言う人の供述映像が、同じ場面でも全然違うのです
    まるで動画の間違い探しです、アハ体験です
    もじゃもじゃです、ムタ、髪の毛もじゃもじゃです
    全然ハゲテナイです、アハッ♪

    つまりもう、ミステリどころの騒ぎではなく
    全てが"ウソまみれ"な作品なのですw


    はい、ですがそれが
    "毒リンゴ"の正体のヒントにもなっているのが憎いところです
    そもそも、本家『白雪姫』の毒リンゴとは一体なんだったでしょう?
    …答えは簡単、魔女の嫉妬ですね
    でも、それならば"嫉妬"そのものをぶつければよいのですが
    (余談ですが、本家の『白雪姫』では魔女は結構フィジカルな暴力で以って)
    (『白雪姫』を殺害しようと試みています、毒リンゴは最後の手段だったようです)
    (魔女のくせに全然マジカルじゃないですねw)

    わざわざ"毒"を"リンゴ"に偽装させています
    もちろん美味しそうだな~と騙して、食べさせてしまうためなのですが…


    はい、もうおわかりですね
    嫉妬(毒)を包み隠す、甘い果物…甘言、"ウソ"です

    毒リンゴの正体はウソです
    さらに、この作品では"嫉妬"だけではありません
    (広義には嫉妬に分類されるのかもしれませんが)
    理想の自分…そうであると思われたい自分と現実の自分との差異
    それを埋めるような、甘い"ウソ"

    ムタが"ウソ彼女"をつくらざるを得なかったルサンチマン
    悲しいですが、それと同じなのです
    しかし、ウソ彼女の話は皆が嬉々として楽しんでくれました
    まさに、毒入りのリンゴで…皆それを美味しそうにかじってくれてたんです
    …ウソだとバレる時までは…

    繰り返しになりますが、この作品はウソまみれです
    魔女だけでありません
    登場人物 皆が皆、毒リンゴを発信し続けています
    まるで、いつ爆発する(バレる)やもわからない、ビクビクしながらの爆弾リレーのようです
    でも見た目はリンゴなんです、甘ぁ~いんですw


    具体的なネタバレになりますが
    そもそも最初にTVの契約ライターの男が
    "正規のディレクターになった"…といった
    "理想の自分と現実の自分との差異を埋めるためについたウソ"(毒リンゴ)に
    同じく"自分をよく見せるような供述をしたいと思っていた女"が食いつき
    (報道番組のディレクターであるならば必ずや広く発信されるはず…だろうと)
    それに呼応して、今度は容疑者サイドから擁護をする
    (…と見せかけて、やっぱり都合のよい自分語りな)証言も出てきて…

    といった、不毛な連鎖
    "毒リンゴの爆弾リレー"が行われてゆくのです
    ("ウソのわらしべ長者"という言葉も頭をよぎったのですが、長者じゃありませんです)
    (最後に残るのは負債だけですたw)


    はい、楽しいです♪
    ムタ、ぞくぞくしてます
    犯人を追い詰めて、滔々と推理を聞かせるあの拷問のような時間
    それを凌駕するほどのカタルシスです、エクスタシーです、エレクチオンです!!!!

    ウソをつきまくっていた人間の
    ウソバブルがはじけたときの末路
    その地獄のような表情に、良いものが見られた…とムタは微笑んでおりましたとさ、アハ☆


    しかし、『告白』や『Nのために』でもそうでしたが
    湊かなえさんの作品に出てくる人々は皆おしなべて卑近な小悪人ばかりです
    そして、その描写がとてもイジワルです
    もう、ぜったい作者性格悪いw この人に絶対目をつけられたくない感じですwww

    『告白』のときなど
    リア充の持つ、"回り見えていない感"や"ウソ幸せに耽溺して自分に酔っている感"を
    disりともなくdisる描写が本当に上手いです
    矛先がこちらに向いたらと思うと失禁しそうになるほどです(褒め言葉のつもり)

    ハンナ・アーレントというお人が
    "本当の悪は平凡な人間の凡庸な悪"とおっしゃっていたそうなのですが(うろ憶え)

    ムタ、この作品を観て
    "本当のdisとはdisっていることを相手にすら悟らせないdis"だと思いましたです
    なんていうか、真面目な人間が真面目に行っている奇行…の描写に
    一切の目に見える悪意が篭っていない事に震えがきますwww

    disは突き詰めるとドキュメントのように…まさに"報道"のようになるのかもしれません


    この『白ゆき姫殺人事件』
    最終的に報道や関係者の供述・SNSなどの風評によって
    "純真無垢で大天使の被害者"が
    "呪いの儀式を行い、森を焼き尽くす魔女のような加害者"に殺された事になってしまいます
    (本当はそうではない)

    描写的には、オチに至るまで まるでコメディなのですが

    ホラーがコメディと紙一重であるように
    一見コメディに見えるこの作品も、上記のように かなりホラーな成分を含んでおりますです
    "白ゆき姫"の半分はホラー(嫉妬や怨嗟やそれを埋めるためのウソ)で出来ています

    見る覚悟はできましたか?


    それじゃね、バイバイ
    読んで頂き、ありがとうございました


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