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おくやまです。
相変わらずISISやウクライナ情勢など、
世界の「地政学リスク」に関する話題にはこと欠かない
国際情勢になっております。
このような国際情勢を考える時に、
むしろ目に見える現象から一歩引いて、
なるべく客観的に見ようとする姿勢を持つことが大事だ、
という話を今回はしてみたいと思います。
たとえばわれわれがものごとを主観的な、
いわば思い込みの観点から見てしまうと、
その移り変わる情勢判断を完全に見誤ってしまいます。
これまで、この「アメ通」で私が繰り返しご説明してきた
「リアリズム」という学派の理論は、
まさにこのような不透明で移り変わる情勢を
冷静に見るためのツールであることは、
読者の皆さんにはもはや言うまでも無いことですね。
そして、私が専門で研究している「地政学」でも、
このように一歩引いて「ものごとを大きく捉える」
ということの重要性が強調されております。
たとえば地政学では、
「ものごと短期的ではなく、長期的に見よ!」
と強調されておりまして、これは、
「地政学の祖」と呼ばれているハルフォード・マッキンダーの
歴史に対する見解に端的に現れています。
彼の理論では、過去1000年の世界の歴史というものが、
●モンゴルの騎馬が活躍した1000年代からの500年間を「ランドパワーの時代」
●ヨーロッパの帆船が活躍した1500年からの400年間を「シーパワーの時代」
●鉄道輸送が盛んになった1900年代からの「ランドパワーの時代」
という風に分類されています。
「なに?過去1000年間にわたる歴史を三分割?!」
と、ある意味、この大雑把?とも言える分類法に
驚く方もいらっしゃるかと思いますが、
マッキンダー自身はこのような「長期的」な視点を、
<地理と人間社会(テクノロジー)の発展>という観点から導き出しています。
要するに、ここ1000年ほどの人類の歴史は、
「ランドパワー」→「シーパワー」→「ランドパワー」
と移り変わってきたということです。
ただし、一言付け加えると、
私としては、このマッキンダーの見解には修正が必要であり、
「現代でもシーパワーの時代が続いている」と考えています。
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さて、そろそろここで皆さんから、
「いやいや奥山さん、そんな長期的な視点が何の役に立つのよ?」
という声が聞こえてきそうですが、
実はこれがかなり役に立ちます。
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