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★11月12日(月)【20時スタート】OTB代表:和田憲治のTSJ1|
<ドローン ビジネス最前線>日本もまだまだ負けてないぜっ(!?)
|ゲスト:野沢直人(株式会社ベンチャー広報代表)
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おくやま です。
すでにご存知の方も多いと思いますが、
ルトワックの『日本4.0』が大変好評をいただいておりまして、
この分野では再びベストセラーとなっております。
ありがたいことです。
その中でルトワック自身が繰り返し使っていた
「作戦実行メンタリティー」(operational mentality)
という言葉に気づいた方もいらっしゃるかと思います。
ルトワック自身は、日本が進めようとしている
新たな「イージス・アショア」の話を聞いて
思うところがあったようで、
今回出演したBSフジのプライムニュースの中でも
「完成までに10年もかかる
イージス・アショアなど幻想でしかない」
と手厳しいことを述べておりましたが、
その理由は、日本政府や防衛省に
「作戦実行メンタリティー」が欠けているからだ
としておりました。
ではなぜ日本には「作戦実行メンタリティー」がないのかというと、
当然ながら、それは長年にわたって
実戦を経験していないからというのが
最大の理由として挙げられると思いますが、
私が今回ルトワックから強烈に感じたのは、
やはり「戦略文化」としか言い表しようのない概念でした。
ややマニアックな話になりますが、
「戦略文化」(strategic culture)という概念は、
英語圏の戦略研究では1977年9月に
ジャック・スナイダーがランド研究所から発表した
「ソ連の戦略文化」(PDF)という報告書の中で、
アメリカの「合理性」をベースにした考えでは
当時の敵であったソ連の核戦略は理解できない
ことを指摘する際に使われたことから
議論されるようになったもので、
私の指導教官であったグレイも
その議論に積極的に参加した人間の一人です。
この「戦略文化」という概念なのですが、
人間の普遍性や共通性を突き詰めようとする
学問の世界では、国家や民族の違いを強調するために
やや扱いに困るものなのですが、
戦いの現場観を持っているルトワックの中では
「文化の違い」というのは当然のことでして、
とりわけ戦略の世界では
これが最も大きな働きをすることを
前提としてものごとを分析します。
この戦略文化ですが、
ルトワックの中では「作戦実行メンタリティー」
と密接に結びついておりまして、
たとえばこれが欠落している
韓国やイタリアなどに
厳しい批判を加えることになるわけです。
そこで「新冷戦」が開始したという話につながってきます。
まだまだ日本では新たな米中冷戦の
本格的な開始については
十分な認識が広まっていないようですが、
ルトワック的な議論を前提とすると、
この冷戦の始まりは、
彼の地経学の議論からもわかるように、
それがあくまでも「戦い」であるために、
国際関係において
「戦略のロジック」が発動したということになります。
この「戦略のロジック」とは、
紛争において二者が互いに相手を貶めようとするために、
そこに関係性のダイナミズムが発動するということです。
わかりやすくいえば、
相手を殺そうとしてこちらが動くと、
相手も殺されないように必死で抵抗して、
その作用と反作用が
事態を複雑で矛盾したものにするということです。
「モード」が変わってしまうのですね。
いいかえれば、冷戦という「戦時」になって
戦略のロジックが発動して、
国際関係の「モード」がゼロサムに変わってしまったために、
「平時」の協力関係を基調とした
ウィンウィンのロジックは通用しなくなったということです。
現在の米中の貿易戦争などはまさにその兆しですね。
そうなると日本にとって最も必要になってくるのが、
この戦略のロジックを克服するための
「作戦実行メンタリティー」だというわけです。
ただしここで、大きな問題が発生します。
というのは、日本政府や自衛隊、
さらには国民までが、
自分たちの「戦略文化」を変えて
本当に「作戦実行メンタリティー」を身につけることができるか、
ということが問われてくるからです。
戦略文化に関する議論では、
この「作戦行動メンタリティー」のような
「文化」が変化するには二つのパターンがあるとして、
1:時間をかけてゆっくり変わる
2:外的なショックで一気に変わる
とされており、たとえば2の例として、
戦後の日本やドイツの平和主義への変化
などを引き合いに出す議論も見受けられます。
さて、われわれは本当に文化やメンタリティーを変えて
新たな冷戦という事態に対処していけるのでしょうか。
これについては
また続きを書いてみたいと思っています。
( おくやま )
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