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▼全世界に牙をむくレベル「4.0」の中国
アメリカの戦略家、エドワード・ルトワックは、
中国分析の「自滅する中国」「中国(チャイナ)4.0」
を書いてますが、その中に面白い表現があります。
それが「中国は大国の自閉症に陥っている」。
もともと世界一の人口を抱え、
一揆や内紛による王朝の交代劇を
際限なく繰り返してきたシナ大陸では、
まずは、脆弱な自国内のルールの整備
その統治に追われ、やっと自国が
大国化できたときには、外敵がいなくなる。
その結果、周囲の状況を正確に捉えられなくなり
挙げ句、周辺諸国との協調ができなくなる…
近年のシナ大陸・中国共産党が
どういうプロセスで今に至っているのか?
ということを考えてみると、
概ね、以下のような4段階を経ています。
■チャイナ1.0
鄧小平、江沢民時代。
経済優先していく平和的台頭。
1990年代に最高指導者、鄧小平が強調した
「韜光養晦」(とうこうようかい)という
中国の外交・安保の方針を出して、
<能ある鷹は爪を隠す>という戦略。
経済力では日米にはとても敵わず、
軍事力も米軍と比較もできない。
しかし、現実としてこの戦略しかなかった。
ちなみに、
天安門事件によって沈みつつあった中国を
地獄から引き上げたのが、あろうことか、
あの日本の「天皇陛下訪中」である。
■チャイナ2.0
当時の国家主席、胡錦濤を
「弱腰外交!」と突き上げて、
2008年に起こった
いわゆる「リーマン・ショック」の辺りから
採用するようになった対外強硬路線。
チャイナ・アップ↑&アメリカ・ダウン↓。
「中国は既に米国を追い越し始めたのだ!」
と増長を始めた時期。
■チャイナ3.0
2013年以降の習近平体制で「選択的攻撃」路線となり、
相手を選んで、弱いと見るや攻撃的に出始めた時期。
そして、では■チャイナ4.0■はどうなるのか?
ルトワックの答えは、
この本にはありませんが、おそらく
「習近平"独裁"体制下の強行的全面拡張」路線
となります。
「チャイナ2.0」時代の拡張路線は
トップダウンで行われたわけではなく、
当時「チャイナ9」とも呼ばれていた、
共産党内序列最高位者達による
「合議制」の中で決められたものでした。
当時のトップであった胡錦濤が、
強権を発動して…
といったことではなかったのです。
しかし、現在の習近平独裁体制においては、
コロナで弱って、統治に大混乱を来している
欧米のお粗末な状況を狡猾に見透かして
意図的・意欲的・野心的に、
全世界相手に強気で全面大拡張戦略を取っている。
我々が今、直面しているのは、そういう現実なのです。
そんな中、日本は中国と融和していくべきではないことは
いうまでもありません。
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(和田 憲治:https://twitter.com/media_otb )
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