錯綜する王統

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 続報は届いていない。
 ミンターン傭兵団、セイバイン将軍。彼女が事態の収拾に動いていて、“アラゴンダーの息子たち”に率いられた暴徒達が守護卿区までたどり着いていないということは、事態はまだ均衡しているのだろうと想像できた。
 セイバイン将軍がすべてを片付けた可能性については、想定から取り下げた。それは楽観ではなく、願望に過ぎないことはネヴァレンバー自身がわかっていた。
 ネヴァーウィンター仮面は手強い相手である。
 仮面自身の力量はもとより、その存在によって束ねられる不平不満、それをネヴァレンバーはよく理解していたのだ。
 市長のソマンガルトは変わらず書類を読み、資料をめくり、サインをする。おそらく暴徒が机の前に来ても彼はネヴァーウィンターを実質的に動かすその手を休めはしないだろう。ネヴァレンバーは小姓に鎧と剣の準備を命じた。その時である。

「閣下、“アラゴンダーの息子たち”灰マント派のリーダー、ロザンヌが面会を求めています」

 伝令兵ではなかった。
 家令が取り次いできたのは、ニュー・ネヴァーウィンターに対抗する勢力“アラゴンダーの息子たち”の大物、“灰マント派”のマダム・ロザンヌであった。
 “アラゴンダーの息子たち”には二つの派閥がある。ネヴァーウィンター九勇士の血を引き、年若く鬱屈した者達を率いる“ナシャー派”の指導者、アーロン・ブレイドシェイパー。そしてもう一つが“灰マント派”と呼ばれる穏健策を旨とする一派がある。
 “灰マント派”は“ナシャー派”とは異なり、年を経た経験深い市民達からなる。彼らはネヴァレンバーの復興策に積極に協力し、ともにネヴァーウィンターの復興に協力してきた。しかし、その腹の底には、決してよそ者にネヴァーウィンターの権利を明け渡さないという決心がある。
 彼らこそがネヴァレンバーが最後まで戦わねばならぬ相手達であった。

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「ウォーターディープの領主殿」
 深いよく通る声である。ぐい、とネヴァレンバーの眉根に皺が寄る。やはり厄介な相手であるとわかった。あのクチバシの黄色いアーロンとはわけが違う。
「私の密偵がアラゴンダー王家の血を引く者を見つけました。まもなくそのものをこちらにお連れします」
「何、あの仮面の偽騎士のことか? 」予想外の言葉に、つい引かれてしまう。
「いえ、あのような騎士ではありません。真の王家の血を引く者です。27年前にこの街が災厄に襲われたとき、ウォーターディープへと逃げ延びた王家の母子がおりました。そのものはウォーターディープのある貴族家にかくまわれ今日まで生き延びることができたのです。そしてそのものは今この街におります。」
「……なんと」
 ネヴァレンバー卿、小姓、家令。その場にいる者達が衝撃に声を漏らす。
 ぱたり、とネヴァレンバーは聞き慣れぬ音を聞いた。
 あの、ソマンガルトですらペンを取り落としていた。衝撃の止まぬうちにロザンヌは言葉を継ぐ。、
「そのものは必ずや“我らの”統治に協力してくれるでしょう。ネヴァーウィンターの危機的状況を集結させられるのはそのものしかおりません」

全員:『ええええええ?』
DM:というわけで橋の上にもどりまーす!


炎を分かつ

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 状況は前回からの続き。
 [遭遇毎]パワーは回復させることができる一方で、回復力の使用はできない。つまり、hpの減ったキャラクターは、戦闘遭遇にはいる前に回復をしなければならないと言うことでもある。
 また、前回死鼠団のワーラットからダメージを受けたミシュナは汚穢熱に罹患してしまったので、回復力が1回減ってしまっている。

ミシュナ:くしゅん!
DM:みなさんは橋の上まで来ましたが、二つの勢力が変わらず対峙しており、既に小競り合いが生じています。ネヴァーウィンター仮面が「余は北方の至宝と呼ばれたこのネヴァーウィンターを簒奪者の手から取り戻してみせる! 行くぞ民達よ!」と言えば、民衆が『ネヴァーウィンター仮面!、いやネヴァーウィンターの王に続け!』と答える。
ヘプタ/民衆:王に続け!
DM:そしてその民衆の中に、ジャンの父と兄の姿もあります! 
ヘプタ:「これ、どっちを止めるとかの話じゃなくて、逃げるの一手っすよね?」
エリオン:「だが、ジェイドにはそのつもりはないようだぞ」
セイヴ:では、今日はここで登場しよう。仲間の制止も聞かず突っ込んでいくジェイドの足下に白いネズミが現れる。それが元のセイヴの姿に戻る「待たせたな! 」
エリオン:「生きていたのか! セイヴ」
セイヴ:「スマン、地下から出てくるときにちょっと迷った(笑)」
ヘプタ:「アニキ! もっと早く来てくださいよ!」
セイヴ:そして、ジェイドの肩をつかんで止める。「このひよっこめ、お前は命の大事さをしらんのか! 命は一つしかないんだ、もっと考えてから動け!」
サブマス/ジェイド:では、ジェイドは兜の下からこんな風に言う。

「だが、それと同じだけの重さを持つ命が今ここで散ろうとしている。止めなければならない」

サブマス/ジェイド:「それに、自分の命はあいつらよりは長く持つ」
セイヴ:「勇敢と無謀をはき違えるな、無策なままに飛び込むのは意味がない。命を無駄にするだけだ」
ヘプタ:「つまり、なにか策があるッすね? アニキ」
セイヴ:「ああ、あるさ」というわけで、DMどうするんですか?(笑)
DM:ここで技能チャレンジになります(笑)

 というわけで、セイヴの持ってきた“秘策”と言う形で技能チャレンジが始まった。
 この技能チャレンジにより、どれだけ有利な状況で戦闘遭遇を開始できるか、NPCを救助できるかが定まるのである。この技能チャレンジは1遭遇に数えられる。
 まずは群がる有象無象の雑魚(各陣営10体ずつ!)を戦場からはじき出す判定である。

によりこれから有利な状況で戦闘ができるかどうかの技能チャレンジが始まる。この技能チャレンジは1遭遇に数える。

 まずは群がる有象無象の雑魚(各陣営10体ずつ!)を戦場からはじき出す判定である。難易度は13、使用技能は〈運動〉、〈軽業〉、〈持久力〉!

サブマス/ジェイド:あ、失敗した(エイロヌイ:こちらも)。
DM:でも他が成功したので集団判定としては成功ですね。つまり、先行したジェイドが角材を膝に受け、倒れてぼてくりこかされているところを味方に救出して貰ったという流れで。
サブマス/ジェイド:囮か!
DM:二つめはジャンの父と兄を捜し出し、暴動から引き下がらせる判定です。〈威圧〉、〈看破〉、〈はったり〉で見つけて説得してください。
ジェイド:〈威圧〉27で成功! やめろ、と一喝して止める。
ヘプタ:〈看破〉で成功っす。「みんなこんな馬鹿なことはやめるッす!」
DM/民衆:「馬鹿なことなんかじゃない。この街を守るために必要なんだ」
ヘプタ:「違うっす、これは馬鹿なことッす、命を無駄にして良いことなんか無いッす。そもそもこれはこの街をよくするための戦いなんかじゃないッす!」と。
DM:一般人はあなたたちの言葉に従い、下がっていきます。しかし、まだそこに残っている連中は厄介です。この戦場には呪文荒廃の力が渦巻いているので、その力をうけて荒廃クリーチャー化しているんですね。爪が伸びて目や口から火を吐き始めている。
ミシュナ:ああう。
DM:そこで、〈宗教〉、〈魔法学〉、〈歴史〉の判定に成功すると呪文荒廃の影響を最小限にして、この後の戦闘に登場する荒廃クリーチャーの数を少なくすることができます! これはちょっと難易度上がって難易度16。
ミシュナ:「あれは呪文荒廃の影響を受けたごろつき!」〈魔法学〉判定成功!
エリオン:「魔法なら任せておけ」成功!
ヘプタ:良い流れですが私から厳しくなります(笑)「コアロン様教えて!」〈宗教〉で成功した!
サブマス/ジェイド:まるで呪文使いみたいだ!
セイヴ:最後はなんだ?
DM:〈治療〉判定です。成功したなら次の戦闘遭遇の前に回復力を使用するチャンスがあり、hp回復して戦闘できます。失敗したなら前の傷を直す間がありません。
エイロヌイ:私、癒し系ですから。24まで成功。
ヘプタ:オイラ、技能取ってないんで素ですよ……成功した!
サブマス/ジェイド:ここで決め……られなかった。失敗です。
セイヴ:〈治療〉は4ある(コロコロ)成功!
全員:『やった!』

 戦闘前の技能チャレンジには成功。結果として冒険者は、
 雑魚20体を排除し、
 荒廃クリーチャーを最小限にして、
 hpを回復し、

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 そして、

DM:ジャンの父と兄だけでなく、ミンターン傭兵団、ニュー・ネヴァーウィンターのいずれの陣営もリーダー(セイバイン将軍とネヴァーウィンター仮面)のようすがおかしいことに気がついた者がいます。彼らはジェイドに「あの二人を止めてくれ!」と。そして、魔法のアイテムを預けてくれました。
 ミンターン傭兵団からは近接基礎攻撃のダメージを底上げするブレイサーズ・オヴ・マイティストライキングが二つ。そしてレジスタンス側からは身の守りを強化してくれるクローク・オヴ・レジスタンスが4着です。
エイロヌイ:「ほら、アンタ。体冷やさないようにこれを着て!」とどてら・オヴ・レジスタンスが。
エリオン:私はどてらなんか着ないからな! クロークの方を着る!
ヘプタ:えー。
DM:では、ミシュナの首スロットにネギを巻いてあげよう。

 やれることはやった。
 敵はだいぶ減らし、装備も準備も整えた。
 それでもなお、橋の上にはセイバイン将軍とネヴァーウィンター仮面。
 セイバイン将軍の腹心はすでに炎を放つ荒廃クリーチャーに。

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 そしてネヴァーウィンター仮面は荒れ狂う呪文荒廃のエネルギーの中から純粋な炎、元素精霊を呼び出して配下としている。

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エイロヌイ:「もう暫定政府とレジスタンスの戦いじゃないな」
セイヴ:「お前の判断は正しかったようだな、ジェイド。この戦いに普通の人間巻き込むわけにはいかない」

 ミシュナが卓越した〈魔法学〉で“荒廃クリーチャー化した傭兵”、セイバイン将軍、そしてレッサー・ファイアー・エレメンタルの能力を識別する。

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エリオン:セイバイン将軍は7レベル兵士役ぅ!? 防御値高くてあたらないよ!
DM:いやほら、『ダンジョン・マスターズ・ガイド』でも4レベルまで高いの出して良いって書いてあるし。
エイロヌイ:でも10レベルの時の14レベルと3レベルの時の7レベルはだいぶ違うよね(笑)
DM:とはいえ、呪痕の力をまだうまく使いこなせていないので防御値と命中ボーナスに-2のペナルティを受けています。注意すべきは配下の傭兵の“ブルーファイアー・バースト/青火の炸裂”ですかね。
エリオン:重傷で爆発して2マス押しやりか。気をつけないと落されるな。
セイヴ:面倒だなぁ!
ミシュナ:ネヴァーウィンター仮面、わからなかった!
DM:詳しくはわかりませんが、4レベルの精鋭兵士役(全員:うええ)ということはわかってOKです。あと、周囲に[火]かつ[冷気]のオーラがあるので隣接するとダメージ。
エイロヌイ:ネヴァーウィンター仮面の仮面を外すにはどうしたらいい?
DM:hp0や気絶状態、支配状態など一時的にしろ無力化する必要がありますね。
サブマス/ジェイド:とにかく数を少なくしていく方針でいきましょう。精鋭のネヴァーウィンター仮面よりもセイバイン将軍を先に!


両雄並び立たず
 電光石火という言葉通りにイニシアチブのトップを取ったのはファイア・エレメンタル。これらはネヴァーウィンター仮面をフォローするため、待機を取った。
 そして続くネヴァーウィンター仮面、

DM:「ミンターン傭兵団、その薄汚い手をこのネヴァーウィンターからどけて貰おうか!」と言ってセイバイン将軍へ向かう!
セイヴ:よし、つぶし合え!
DM:が、その瞬間頭を押えてうずくまります。(全員:なんだ?)

「こ、これは!」
 兜の下の瞳が橋の向こう、ジェイドの姿を捉えた。
「そうか。貴様が、貴様がそうだったのか! 貴様を殺さねば、余がこの街の王になることはできぬようだ。邪魔するものは殺す!」

DM:ジェイドに向かって突撃します。くッ、ミス!
サブマス/ジェイド:正面から盾で止めた!
DM:アクション・ポイント使用して“フロスト・アンド・フレイム/霜炎剣”! これもミスか。
サブマス/ジェイド:そう簡単にはやられない!
DM:しかし、あふれ出た炎と冷気がヘプタにとんで8点ダメージ!
ヘプタ:とばっちり!?
エイロヌイ:よし、突出してくれた。戦場が動いた!

 駆け抜けていったネヴァーウィンター仮面は冒険者に任せ、セイバイン将軍はファイアー・エレメンタルを攻撃する。
 前に出ようとするエリオンをヘプタが制する。「遅らせてくださいッす!」「よかろう、待ってやろう」。サン・エルフの尊大な返事に苦笑いしつつ、ヘプタはコアロンへの祈りを捧げた。

ヘプタ:クロスボウをくるくる廻して「“シールド・オヴ・フェイス/信仰の盾”!」。遭遇終了までAC+2っす! 
全員:『おお!』
サブマス/ジェイド:AC24まで上がった!
ヘプタ:そして、“アライド・アキュラシィ/友よ正確たれ”、ミスしたけどジェイドは次のネヴァーウィンター仮面への命中判定、再ロールできるッす。前にいくッすよ!
エリオン:ジェイドが大丈夫なら、前に突撃するけど?
エイロヌイ:前衛全員でセイバイン将軍を集中攻撃するか……。
サブマス/ジェイド:いや、ネヴァーウィンター仮面は何か理由があってジェイドを目の仇にしているから、しばらくこっちで引き付けておきます。さっきのシールド・オヴ・フェイスがあるからしばらくクリーン・ヒットは無いはず。セイバイン将軍と奥の連中を黙らせてください! 
エリオン:「ならこちらは任せたぞ! 我こそはシルヴァークラウン家のエリオン! イリアンブルーエンを守るブレードシンガーなり!」と“ブレードソング/刃の歌”を起動、荒廃クリーチャーになった傭兵に突撃して12点! 剣術呪文のアンシーン・ハンドを使って、セイヴが突撃できる位置にこいつを引きずり出す「今ですよおじさん!」
セイヴ:「よくやった兄ちゃん!」

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 重傷になった傭兵が爆発してセイヴが吹き飛ばされる。しかし、同時に振り切った小剣は傭兵ののど元を切裂いている。
 ミシュナの目がらん、と光れば、魅入られた傭兵がおろおろと橋から水面に踏み出して姿を消す。
 理由の知れぬ怒りに駆られるネヴァーウィンター仮面に対し、ジェイドはあくまで冷静。“ポイズド・アソールト/堅実な攻撃の構え”から、仲間と仮面との間を遮るように動き、打つ。一撃が仮面の剣に阻まれる。

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ヘプタ:アライド・アキュラシィの効果を使うッす、今の命中判定を振り直し!
サブマス/ジェイド:感謝、ヒット、パワー・ストライクも積み込んで19点。「私が生きている限り、お前はネヴァーウィンターの王になどなれぬ」と挑発しておく。
DM:オーラのダメージ、5点喰らっとけ!

 戦場は二つに別れた。
 一騎打ちの体を取りつつある、ジェイド対ネヴァーウィンター仮面。
 ファイアー・エレメンタルに包囲されつつあるセイバイン将軍。
 冒険者たちが挑むのは後者、しかしその前に敵の手番が巡ってくる。

DM:ネヴァーウィンター仮面はジェイドをマーク、攻撃はミスしましたが効果で8点ダメージ!
サブマス/ジェイド:オーラの自動ダメージもあるから最低でも1ラウンド13点かー、痛いな。
DM:そしてセイバイン将軍は移動してエリオンにただの突撃! 配下がいなくなったから使えるパワーが無い(涙)「私は守るべきものを失ったというのか、許さん!」11ダメージ!
エリオン:う、重傷です。
DM:それを喰らった上で、セイバインは呪文荒廃の力を解放、“スペルスカード・エンパワーメント/呪痕による強化”エリオンは1ラウンド幻惑です。そして将軍はバックラッシュで吐血8点。「く、私では呪痕の力を制御できないというのか!」

 ヘプタが、エリオンが将軍の体を穿つ。まだ止まらない。
 セイヴが突撃、強靱な打撃でセイバインを打ち倒し、[死霊]の力で生命を殺ぎ、逆手の小剣を突き込む。1ターン28点の猛攻である。だがまだ、セイバインは動く。
 ならばとその足をミシュナが操り橋の外に落そうとするが、将軍は身を伏せて石橋にかじりつく。
 仲間がセイバイン将軍に向かったのを確認し、ジェイドは構えを“ハンマー・ハンズ/鎚手撃”に変更。一撃ごとにネヴァーウィンター仮面を押しやり、仮面の放つオーラの間合いから逃れる。

エイロヌイ:マイナー・アクションでエリオンに“レイ・オン・ハンズ/癒しの手”。女性嫌いなのを知った上でわざとぺたぺた触ります♪ 回復力を1回“使用したかのように“回復してください。それにさらに+5点。
エリオン:妖精境の風を感じる……。回復しました。
エイロヌイ:そしてセイバイン将軍にディヴァイン・チャレンジ、移動して隣接!

 仮面の指示を受け、前線に回ったエイロヌイ、セイヴ、エリオンに突撃するファイアー・エレメンタル。しかし全部はずれる。わっと、冒険者たちが湧いた瞬間、ネヴァーウィンター仮面の“フロスト・アンド・フレイム/霜炎剣”がしたたかにジェイドを貫く。クリティカルして都合20点。ジェイドは重傷となる。

ヘプタ:前のラウンド、回復しておいて良かったッす!
DM/ネヴァーウィンター仮面:「貴様、一人で戦い抜けると思っているのか、この戦いを!」
サブマス/ジェイド:なら、ジェイドはこう答える。「俺が一人に見えるか?」と。
DM/ネヴァーウィンター仮面:「なにッ!?」
サブマス/ジェイド:運営、今の視聴者数は?(運営:930人です!)ならば、お前が戦っているのは930人の俺!(爆笑)

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 ジェイドは、いや、“あなたは”兜の下から呟いた。
「930人のネヴァーウィンターの民が、この戦いを見守ってくれている。彼らが俺の背中を支えてくれている!」

DM:く、セイバイン将軍のエイロヌイへの攻撃、ミス!
ヘプタ:「ジェイド、危ない!」攻撃はアクション・ポイント使った分も全部はずれたけど、ヒーリング・ワードをジェイドに飛ばすッす!

 しかし、この後が続かない。
 ファイアー・エレメンタルへの攻撃をミスしたエリオンはしっぺ返しで[火]ダメを喰らう。「ジェイドの師匠ほどの戦士なら、俺が相手しないとな!」と躍り込んだセイブも出目が振るわない。
 ミシュナは出目に寄らないとっておきの呪文。“ブリスフル・イグノランス/愚かなる至福の時”で敵の足を止めるが、アクション・ポイントからの“エンパワーリング・ライトニング/霊力付与の雷光”がやはり不発。
 ジェイドはこのターン、事故に備えて底力、hpを更に回復し重傷を脱する。

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DM/ネヴァーウィンター仮面:「わ、私にも見える。お前の背後にいる900人の力が!」
エイロヌイ:みんな、ダメージは大丈夫? レイ・オン・ハンズ必要ないね? なら“ダズリング・フレア/目眩む閃光”をセイバインに。エイロヌイの金色の瞳が輝いてビームが……!
ミシュナ:全然優雅じゃないよ!
エイロヌイ:うん、ミスした(笑)アクション・ポイント使用して、“レイディアント・デリリウム/惑乱の煌めき”を発動、反応19は?
DM:ヒット!
エイロヌイ:(ころころ)17点[光輝]ダメージ!
DM:セイバイン将軍がそこで倒れる!
全員:『やった!』

 エイロヌイの放つ光輝が女将軍を撃ち、彼女は力なくそこに膝をつき、倒れる。体を覆い焼き尽くそうとするのはあの蒼い炎である。

エイロヌイ:彼女は呪痕を制御できていないのですよね(DM:はい……)では、手加減はしません。「そんな炎、消してしまいなさい」と吐き捨てるように。


この街の明日のための決戦

 戦いは続く。
 すでに、ニュー・ネヴァーウィンターの勢力、いやセイバイン将軍の勢力はすべて倒れた。
 残っているのは、何かにとりつかれでもしたかのように執拗にジェイドを狙うネヴァーウィンター仮面とその配下のみ。だが、

DM:ネヴァーウィンター仮面のフロスト・アンド・フレイムはミスですが、効果で8点ダメージ。「いかに優秀な鎧を着ていても、余の剣を受け止めることはできん!」

 冒険者たちは配下から潰してゆく。
 ミシュナに川に落されつつも、橋の上まで戻ってきた傭兵はエリオンの剣を受けて重傷に。この爆発にタランが巻き込まれ、妖精境へと帰還する。
 セイヴはファイアー・エレメンタルと交戦、継続ダメージを振り切れない。
 ミシュナは「炎なら怖くない!」と前に出て“ビガイリング・ストランズ/惑わしの網”、ファイアー・エレメンタル2体を空中に追いやるが、彼らは飛行できるため川には落ちない! ジェイドは一騎打ちを継続し、ついにネヴァーウィンター仮面を重傷に追いやるがオーラのダメージでこちらも重傷である。
 状況は一切の油断を許さない。
 hp回復パワーの回数に比して、冒険者たちの被ダメージが多いのである。
 一刻も早く、戦闘を切り上げたい。
 その時だった。

DM:「余が貴様に絶望を教えてやろう! 」ネヴァーウィンター仮面は“スペルプレイグ・ヴァイタリティ/呪文荒廃による生命力”を使用します。ファイアー・エレメンタルのエネルギーを吸収しhp回復! それから攻撃。

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エイロヌイ:ファイアエレメンタルが積極的じゃなかったのはこれが理由か!
サブマス/ジェイド:こっちの残りhp12点(汗)
セイヴ:これ、エレメンタル相手にしてる場合じゃないぞ!
ヘプタ:では、いきます! ネヴァーウィンター仮面に“レヴィ・オヴ・ジャッジメント/裁きの宣告”、ミスしたけど半減ダメージで6点っす。そして、これはフェイント、次にネヴァーウィンター仮面へ攻撃する味方は、攻撃を再ロールできるッす。
全員:『おお!』
ヘプタ:そして“マジェスティック・ワード/霊感の言葉”をジェイドに。ハーパーらしくバードにマルチクラスしておいたんですよ!
エイロヌイ:スゴい、まるでバードみたいだ(笑)

 エリオンとセイヴは復讐鬼となった荒廃の傭兵に攻撃を集中、これを仕留める。
 そして、ミシュナ。

ミシュナ:もうマジック・ミサイルしか残っていないから、「ジェイド、いくよ!」ネヴァーウィンター仮面にマジック・ミサイル8点!

 ジェイドはネヴァーウィンター仮面を再び重傷に追い込み、攻撃を自分に集中させるため“グラウアリング・スレット/威圧的な眼光”を使用する。エイロヌイも防衛に入り、ネヴァーウィンター仮面に隣接してディヴァイン・チャレンジ、仮面のオーラでダメージを受け重傷となったエイロヌイは、ここでレイ・オン・ハンズの使用回数が無くなったことを告げる。
 回復パワーが尽きて迎える第6ラウンド。

DM:スペルプレイグ・ヴァイタリティ、ファイアー・エレメンタルのhpを吸って回復します!
全員:ぐうえええ!
エリオン:削っても削っても回復する。
DM:そして望み通りにジェイドに攻撃、ヒットしました。
サブマス/ジェイド:残りhp5点!(全員:うわああ!) つまり、オーラで倒れちゃう!
エイロヌイ:ディヴァイン・チャレンジが起動、仮面に[光輝]ダメージ8点。
ヘプタ:ヒーリング・ポーションを取り出し、標準アクションでジェイドに飲ませるッす!


このシーンのうらがわ

瀬尾:え、それってつまり(照)
全員:いーですからッ!
宮坂:もー、しょうがないなぁ。
堀江:ホント、見逃さないよねー。




 気を取り直したエリオンは、戦場を駆けながらマジック・ミサイル。再びネヴァーウィンター仮面は重傷となる。セイヴはポーションでhpを回復してから移動、アクション・ポイントからの突撃を確実に決めて、ネヴァーウィンター仮面を伏せ状態に。
 続いてミシュナ、エリオンと肩を並べてマジック・ミサイル。侮ることはできない。エリオンと二人がかりならば、命中判定無しに1ラウンド12点、ダメージ確定である。
 傷だらけのジェイドは最後の[遭遇毎]パワー、“テイク・ハート、フレンド!/勇気持て、友よ!”をヘプタに。指揮役が健在ならば立ち続けていられる。
 そしてエイロヌイ。

エイロヌイ:“ライチャス・スマイト/正義の一撃”、14点[光輝]ダメージ!
DM:……ネヴァーウィンター仮面が、倒れた!
全員:やった!
エイロヌイ:では仕留めた剣を返して仮面を弾く。正体を!

 騎士が、その膝を折った。
 仮面は、聖騎士の剣の刃先に捉えられている。
 王冠は、騎士の頭から外れ、からころと地面に転がっていた。
 騎士の素顔は女であった。
 尖った耳、日に焼けた顔。かつてネヴァーウィンターを訪れた冒険者たちに、最初に依頼をした女性、ネヴァーウィンターの失われし宝冠を取り戻して欲しいと言った女性。
 ハーフエルフ、セルドラ・ティルマランドであった。

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セイヴ:自分でかぶっちまったのか。
サブマス/ジェイド:先祖の汚名を晴らそうとして、力に惹かれたのか……。
DM/セルドラ:「い、いったい私は、なんと言うことをしてしまったというの? なんて愚かなことを!」そして、涙を流しながら嗚咽する。
エリオン:……もしかして、王冠に操られていた?
セイヴ:「オマエのこの街を守りたいという強い思いが、王冠に利用されたってわけだ」

「私は、この王冠を真のネヴァーウィンター王家の血を引く者に渡すつもりでした。けれど、王冠が私に語りかけてきたのです。『ティルマランド家の名を再び輝かしいものにするためにこの力を使え』と。私はその声に負けて……! この王冠は決して本物ではない、本物がこのような呪いの力を持っていようはずがない!」
 彼女は、橋の上に転がる王冠を見つめる。今や“ネヴァーウィンターの宝冠”は素養無きものにもはっきりとわかる黒い、闇の魔力を放っていた。

DM:ミシュナにはこの王冠が放っているオーラが何かわかります。サーイの魔道によるものです。
ミシュナ:「サーイの魔法? どういうことだ!? 王冠は……偽物?」
セイヴ:「……確かにこれを運んでいたのはレッド・ウィザードだったな」
エリオン:「わざわざ偽物を作って持ち込んできただと?」
DM/セルドラ:「この街が狙われているのは知っていたわ。だから、早くこの街の人々の心を一つにしたかった。その隙を突かれてしまうなんて!」
エリオン:「けれど、なんとか水際で食い止めたとは言えないだろうか。このまま進んでいれば完全に乗っ取られてて、街を滅ぼしかねないところだった」
DM:と、ここでマスター・シーンが入ります! 闇の中に浮かぶ橋の上の光景、それを見つめる暗黒ネヴァー会議の3人と1体。この結果を見て、ドラウの伊達男が言う。「呪いの王冠も案外役に立たぬものだな」と。

 しかし、屍の如き女魔法使いは悠々と答えた――いや、これでよい。
「やつが倒れたことで真の恐怖が解き放たれる」
「そう、運命は変えられない」女予言者がうなずく。虚空に浮かぶ脳髄もどこか満足げな様子。
 而して、その理由はただちに明らかになった。
 竜の咆吼が冒険者達の元に届いたのである。

DM:遠くで竜の咆吼が聞こえてきます。港で悲鳴が上がります。そして、岩が砕けるような音、建物が破壊される音も聞こえてくる。
セイヴ:「あの竜の石化が解けた?!」
エリオン:「呪文荒廃、そして荒廃クリーチャーを操るネヴァーウィンター仮面の力で、あの竜は封印されていた。彼が倒れたから、その封印が解けたんだ!」
DM:そしてその咆吼が呼び声になったかのように、街のあちこちから、そして“大裂溝”から荒廃クリーチャーたちが這いだしてくるのです!

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エイロヌイ:「それは想定外ね」
DM:セルドラはジェイドに向かって言います。「あなたに頼みがあります。私のやったことはいかにしても償いきれません。だが、それでもなおネヴァーウィンター仮面の名は民衆の心を一つにすることができるのです。この仮面を受け継いでください!」と

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 街のどこかでは、混乱が火の手を読んでいた。
 黒い煙が橋の上を覆っている。あの時、ジェイドとネヴァーウィンター仮面の戦いを目撃していた街の人々も、今何が起こっているのかは知る術がない。

セイヴ:「つまり、ネヴァーウィンター仮面の名を継ぐかってことか」

 ネヴァーウィンター仮面の正体を知るのは、今この場所にいる者達のみ。ネヴァーウィンター仮面の正体はまだ民衆の知るところではない。
 民衆を率いていたのはネヴァーウィンター仮面である。その存在が失われれば、組織も立ち上がった民衆もバラバラになってしまうだろう。
 さらにはセイバイン将軍なきあとのミンターン傭兵団がいる。指揮官階級が失われた傭兵達は、レジスタンスに報復を図るだろう。
 さあ、どうする。

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 あなたは答えた。「ネヴァーウィンター仮面は死んだ」と。
「偽りの希望で民を導くことはしない」
「人は自分が誰に従うか、選ぶことができる」
「そして、選ばれることを恐れないものこそが王家の血を担うべきだ」
「おい、坊主。『俺が引き継ぐ』って言っても良いんじゃないのか?」とセイヴが言ってくれた。
 あなたは、笑って仮面を割った。「面倒をかける」

 竜の咆吼が、近づいていた。

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