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公的年金の運用見直しに思う
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公的年金の運用見直しに思う

2015-01-31 20:00
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    昨年(2014年)の後半に、公的年金の運用を見直すと言う議論が出てきました。具体的に言うと、従来の株式組み入れ比率を見直して高めようというものです。

    公的年金の運用は従来は国債等で約6割近くを運用し、国内株式の比率は12%程度だったのですが、これを25%程度にまで引き上げ、さらに外国株式も同じぐらいのウェイトに引き上げるため、内外の株式を合わせて半分近くにしようというものです。

    従来は内外合せて株式の比率が25%程度でしたから、一気に倍増ということになります。私の個人的な意見ということで言わせていただくと、これにはやや疑問を持っています。

    前回もお話しましたが、公的年金の積立金というのは年金支払いの原資というわけではなく、毎年の年金の収支で過不足が生じた時の調整に使われるものです。

    極論すれば、増えなくてもいいから、減りさえしなければいいのではないかと言えます。

    もちろん増えなくてもいいとは言い切れません。現実には毎年3~5兆円の不足が生じていますから全く運用しなければ、現在の積立金は20~30年で枯渇してしまう可能性があるからです。

    ただ、毎年の不足分をカバーするだけであればせいぜい3~5兆円の収益があればいいわけです。元の資金は130兆円あるのですから、年率では2~3%程度の収益が確保できれば十分です。

    したがって、あまり張り切って無理に株式のウェイトを高める必要はないと思います。

    株式の比率を一気に倍増するということは、金額にすれば75兆円ぐらいの買付余力がでてくるということになります。相当なインパクトです。

    この事実から株式を買う材料とはやし立てる向きもありますが、アベノミクス相場に乗ってついて行き、高値掴みをしてしまわないか、という懸念があります。

    もちろん、一度に株を買い付けるというようなことはインパクトが大きすぎてできるはずはありませんから、少しずつ買い付けていくと言うことにはなるのでしょう。

    運用自体も様々な専門家のアドバイスに基づいて慎重におこなうでしょうから、そうした心配が杞憂に終わってくれたらいいのですが、えてして運用の失敗というのは市場が上昇していく過程において密かに進行していくものであるだけに一抹の不安はあります。

    今後も公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のホームページを見ながら、運用状況がどうなっているのかについて時々チェックしていきたいと思っています。

    RSSブログ情報:http://www.tabroid.jp/news/2015/01/nenkin150131.html
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