電子マネーをテーマに解説している今週の「おは用語」。ここで外せない話題が、タッチするだけで改札を通ったり支払いができる非接触型ICカードという仕組みです。そのなかでも非常に広く使われている『Felica(フェリカ)』について紹介していきましょう。
ソニーが開発したタッチ通信の技術
FeliCa利用シーンの例: おサイフケータイが実現する快適なライフスタイル 2014(フェリカネットワークス)
もともとソニーで開発された「FeliCa」は、ICカード型のSuiCaなどから、スマホに内蔵されるモバイルFeliCaチップまで、今やいろんなところに入っています。定期券や乗車券になる交通系電子マネー等のイメージが強いものの、実はBluetoothなどに近い近距離通信の仕組みでもあり、様々な用途に利用できる規格なんですよ。
さて、FeliCa対応のICカードや機器には、チップとアンテナが内蔵されていて、かざすだけで通信ができるのはもうご存知の通りですね。
電子マネーでの決済や入退場管理(ドア等の鍵代わり)などに使われるため、FeliCaの通信は暗号化されています。そこで自動改札など素早く通り抜ける必要がある場面を想定し、暗号強度より処理速度を重視した「共通鍵暗号方式(DES)」を採用したためか、一時期はちょっとだけセキュリティを心配する声もありました。
NFCとは違うものなの?
そうそう、最近のスマホやデジタル機器には、FeliCaと同じように「かざすだけ」で通信できる『NFC』に対応したものが増えてきました。
このNFCという規格は、FeliCaの上位互換になるように作られているので、NFCを採用したスマホの多くはFeliCaの持つ電子マネー等の機能をそのまま備えています。ただし、全てのNFC機器でFeliCaと同じことができるということではなく、NFC内蔵のiPhone 6/6 Plusではおサイフケータイの利用ができません。
「ピッ!」とタッチすればOKの手軽さが魅力の、非接触通信技術。今後もいろいろなところに広がっていくのではないでしょうか。
それでは今日も一日、スマートに! いってらっしゃい!
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