LETTERS OF LOVE#2(2013/1/25(金) @南青山レッドシューズ) 出演者「和久井光司 x 浦沢直樹(ヒリーハンハン)」からインタビューVが届きました!

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動画はコチラ↓
http://www.nicovideo.jp/watch/1358280534

全文はコチラ↓



TALK SESSION! 「ヒリーハンハン x 加納尚樹a.k.a Taurus Bonehead」




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ヒリーハンハン
 和久井光司と浦沢直樹によるフォークデュオ。


和久井光司(わくいこうじ)※写真右

  伝説的な東京ニューウェイヴ・バンド、スクリーンを率いて1981年にレコード・デビュー。解散後、モーメンツGTF、東京の人を経て、90年代後半からソロ活動。2007年にはボブ・ディラン公認の日本語カヴァー集『ディランを唄う』と、オリジナル・アルバム『愛と性のクーデター』をソニーミュージックから同時発売した。ライターとしても知られ、著書に『ビートルズ&アップル・マテリアル』、『「at武道館」をつくった男』、『放送禁止歌手 山平和彦の生涯』、『ビートルズ原論』などが、編著に『英国ロックの深い森』などがある。


浦沢直樹(うらさわなおき)※写真左

 『YAWARA!』『MASTERキートン』『MONSTER』『20世紀少年』などをヒットさせ、累計部数1億冊を売ってきた日本を代表する漫画家。大学卒業と同時にバンドを解散させたが、その後も曲は書き続け、2008年に和久井光司の協力を得て音楽活動を再開した。映画『20世紀少年』の挿入歌「Bob Lennon」は自ら作詞・作曲したもので、本人のヴァージョンはファースト・アルバム『半世紀の男』に収録されている。音楽本には和久井との共著『ディランを語ろう』があり、二人のコラボレイトは新世紀フォーク・デュオ、ヒリーハンハンに結実している。

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加納 :ヒリーハンハンのお二人にお話を伺います。先ずは、和久井さん、浦沢さん。お二人の経歴をお願いします。


浦沢 :経歴は、ちょっと言えないような...(笑)。


和久井:悪いことぱかりして生きてきました(笑)。


加納 :ハハハハハ……ですよね~。お二人のことは著書や音楽作品でみなさんよくご存知だと思うので、ヒリーハンハン結成の経緯や、グループ名の由来を教えてください。


和久井:ぼくが浦沢さんのアルバム『半世紀の男』をプロデュースして、「浦沢直樹&和久井光司バンド」という形態で一緒に演ってたんです。ただ、以前の和久井バンドは大所帯だったから、それなりに大きい会場でしかできなかった。それでバンドをコンパクトにしたんですけど、それでも小さいところではできないし、何かと経費もかさむんで、二人だけなら身軽な感じで活動できるかな、と……


浦沢 :前はオーケストラみたいなバンドでしたからね。で、二人だけで演るときは持ち歌を半々でやろうよ、ということで、ヒリーハンハンが生まれた。


加納 :昨年もライヴを観せていただきましたが、本当にお互いの曲を交互にやってらっしゃいますよね。 正に半々。フォークという意味ではビリー◯的なシャレもあり(笑)。


和久井:まぁそうなんですけど、最初にライヴやったのが自由が丘だったんで、丘の上で二人の半世紀の男が半分ずつ唄うっていう意味も込めたんです。


浦沢 :でも、一人が一曲増やしたいって言ったら、もう一人も増やさなくてはならないから、ライヴがどんどん長くなって……(笑)。



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加納 :今日(20121223日)は、ヒリーハンハンのライヴ&イヴェントですが、来年、2013年はどういった活動を予定されていますか?


和久井:どうしましょうかね。今夜から始めた『ヒリーハンハンのアナログ奇聴怪会(キキカイカイ)』(加納尚樹の感想がオフィシャルブログ "one for the road" http://ameblo.jp/n-k-tbh/entry-11435636380.html」に掲載中)というイヴェントは、3ヶ月に1回くらいのペースで続けていこうかと思ってますが。


浦沢 :和久井さんもぼくも原稿の締め切りがありますから、締め切りを優先するかどうかって問題はありますね。


加納 :著作の空き時間は存分に音楽を楽しもう!と。


和久井:アルバムも出したいんですよ。実はいくつかのレーベルと話をしてるんですが、最初はDVDが出るかもしれません。



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ぼくらは打ち込み世代じゃないから、ギター鳴らしてなんぼ



浦沢 :いい歳なんで、どんどんワガママになってきてますから、相手側の都合をガーッと言われても、応えられるかどうかはわからない。それは「気に入らなければやらない」ってハナシじゃなくて、音楽をやることで自分たちのペースが乱れちゃうと元も子もないってことなんですよ。


和久井:そうね。(浦沢さんに向って)来年は単行本は何冊出るの?


浦沢 :以前よりは減ってますけど、また復刻の企画もあるんで、けっこう出るんじゃないですかね。


和久井:ぼくは書き下ろしの本がいくつかあったり……


加納 :それは忙しい!…音楽はリフレッシュになります?


浦沢 :そうですね、漫画と音楽は随分違うものですから。漫画はかなり引きこもりな仕事だだし、読者の顔が見えないまま仕事してる。誰に向けてやってるのかわからないっていうところは、ずっとあるんですよ。


加納 :音楽だけでいえば、レコーディングとライヴでは同じことが言えますね。スタジオでは、リスナーの顔が見えないところで想像で創ってる。でもライヴでは生に直に反応を感じる。


和久井:ぼくの音楽評論の本は数千部しか売れません。いつも「少ないな~」と思うんですが、ある本を買ってくれた人がみんなライヴに来てくれたとしたら、ものすごい動員数になるでしょ。もちろんそんなことはありえませんけど(笑)。だから、いつも「読者って誰だろう?」「どこにいるんだろう?」っていう感覚がある。それがライヴだと、数十人のお客さんでも確実な反応が見える。「本をつくったり、スタジオでレコーディングしたりするより、ライヴがいい」と思ってるわけではなくて、ぼくらは両極を楽しんでるってことなのかもしれない。浦沢さんの漫画なんかは100万部とか売れちゃうんですから。


浦沢 :音楽の場合は、宅録のデモできっちり決まっていた曲も、ライヴでやると変わっていきますよね。構成や、テンポまで。まるで生き物のようです。そういうのが実に面白い。


加納 :ライヴで曲が育つっていうのはありますよね。


和久井:だからやっぱりライヴはやっていかないといけないと思いますね。ぼくらは打ち込み世代じゃないから、ギター鳴らしてなんぼっていうところがあるし。


加納 :特にアコギは、リズムもコードもできて、ときには一人オーケストラみたいにイマジネーションを広げていける。そういう点では便利な楽器ですよね。





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中2のころ想い描いてたことが、まだ実現してないっていうのもある。



浦沢 :アコギ弾いて唄うっていうのは、中2のころからですから(笑)。そのキャリアは随分長いことになる。


和久井:40年同じことやってるんだもんね(笑)。


浦沢 :そうですよ。漫画描いてギター弾いてっていうのは、中2のときと変わらない。


加納 :わかります! ぼくはずっと音楽ばっかりなんですけど、やっぱり中学生のときから同じことしかやってないんですよ。食えてる時も、食えてない時も。よっぽど好きなんですね~(笑)。これから別のことやれって言われても無理(笑)。必然的に「ここまで来たらもっと極めよう」って思いますよね。


浦沢 :中2のころ想い描いてたことが、まだ実現してないっていうのもある。あの誇大妄想みたいなことを、中2のウラサワくんのために実現してあげなきゃいけないなって、いつも思ってるんですよ(笑)。


加納 :うわ~、それってどんなことなんだろう?


和久井 :それは「お楽しみに」ってことで(笑)。

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加納 :話は変わりますが、今夜のイヴェントは『ヒリーハンハンのアナログ奇聴怪会(キキカイカイ)』ということで。ぼくらの世代だと、昔アナログ盤で出ていた作品のCD再発って、音に違和感があったりしますよね。さらに最近はCDとかのメディアじゃなくデータになっちゃった。そういう変化を体験してくると、逆に、「音楽って形じゃなかったんだ!」っていう気持ちにさえなってしまいます。となると、ライヴの方が音楽のリアリティがあるっていう感じになってきてると思いませんか?


和久井:音楽を聴くメディアはどんどん二極化の傾向を強めてますよね。真ん中にCDがあるとすると、配信のハイレゾと、アナログ盤は両極でしょ。でも、それはライヴも同じで、大きなホールでバンドでドーンとやるか、数十人のハコでアコースティックでやるか、の二極化が進んでる。CDが辛くなってきてるのと一緒で、200人のライヴハウスで黒字にして、バンドにギャラを払うなんて、ほぼ無理(笑)。だったら、小さいか、大きいか、ですよ。



加納 :まさに!。ぼくも同じようなことを考えて始めたのが、「LETTERS OF LOVE」ってイヴェントです。タイトルどおり「詞」や「シンガーソングライターの弾き語り」っていうところに焦点を絞って、Barっていうミュージシャンにとって気楽だけど「小さなスポット」から、インターネットを通じて、こういうジャンルを知らない世代に向って「広く大きく拡散」していこうって。


今回は、先輩枠にヒリーハンハン。若手枠で黒猫チェルシーの渡邊大知。ホストは自分(Taurus Bonehead)って感じで構成してます。

また、音楽だけじゃない別の顔を持ってる方々にご参加いただきたい!という裏テーマも今回はあって、みなさんに声をおかけしました。渡邊大知は俳優でもありますし...。


和久井:彼は映画に出たり、NHKのドラマで主役やったりしてるもんね。



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中2のまんまのことやってるから、きっと若い子ともお友だちになれるはずなんです


加納 :ホント、ネットで見てくれるフォークやブルースを知らない世代に、こういう世界があるってことを広めたいんですよね。こんなふうにアコースティックで剥き出しな音楽ができることってカッコいいなぁって思ってもらいたい…。ちなみに、オンエアでぼくが想定しているビュワーは10代の子たちなんです。彼らにメッセージをいただけますか?


和久井:10代か(笑)。やっぱりニコ動だと若いんだね。ぼくらが子供のころは、大人はヤバくてカッコいいって感じがあったのね。希望をもてないって言う子供たちが増えてるのは、大人のヤバさやカッコよさが失われてきてるからだと思う。大人になるってことはマトモになっちゃうってことか、って思うと夢がないような気がしちゃうんじゃないかな。


浦沢 :いや、でもマトモだよ(笑)。


和久井:うん、実はとってもマトモなんだけどね(笑)。信念っていうのかな……自分の何かを通していくっていうのは非常にワガママなことですけど、どうやったらそれで生きていけるかを考えるマトモさをもって、世間の常識には縛られない「不良性」を醸し出すのが、大人のヤバさ、カッコよさかなって思うんですよ。


加納 :実際に音楽で生きていこうなんて思ったら、ナチュラルにそうなっちゃいますよね。


和久井:ぼくらはぼくらなりにいつも「生きていく術」を模索していて、それがまた表現に繋がっていくっていうサイクルでしょ。中2のままの自分と、マトモな大人になった自分の「ギャップ」みたいなものって、自分でもすごく面白いし、中2のころ好きだった音楽を、いまマトモな形で表現できてるのって、寄り道して幅を広げたりしながら、ずーっとその道を歩いてきた証拠だと思う。


加納 :子供のころ好きだったものって、大人になっても好きなままですよね。


浦沢 :イチゲンさんは聴き慣れない音楽を難しいものって思い込んじゃうんだよね。ぼくなんかもそうだけど、ちょっと聞かない名前のグループだと「難しいことやってんのかな?」って思っちゃう。それと同じで、「フォーク」って聞くと、若い人は固定概念でジャンルを決めちゃったりして、食わず嫌いなところがありますよね。でも聴いてみると、「なんだ、こんな人懐っこいものなんだ」っていうこともある。ぼくらは「ロック・バンド」もやってるから、ヒリーハンハンのときは「フォーク・デュオ」って言ってますけど、やってる曲はバンドのときと同じですから(笑)、ジャンルとか関係ないですよ。あとは、さっき言ったみたいに中2のまんまのことやってるから、きっと若い子ともお友だちになれるはずなんです(笑)。


加納 :そう思います(笑)。


浦沢 :若い人たちも歳をとるとわかると思うけど、人間て思ったより全っ然成長しないのね。


一同 :(笑)


浦沢 :50になっても全然成長しないってことに、ぼくは愕然としてるんですよ(笑)。ほんと、ひどいからね(笑)。


和久井:いい大人が「中2のまま」とか言ってるのがひどいよ(笑)。


浦沢 :でも、みんなどこかはそう。ぼくらが子どもだったときに大人ぶってた大人たちに、「お前らよくあんな大人ぶってたな!」って言いたいぐらいだもん(笑)。


加納 :ありがとうございました!  2013125日レッドシューズでのライヴ、めちゃめちゃ面白くなりそうですね!  ホント、お楽しみに!
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ヒリーハンハン出演のLETTERS OF LOVE #2は、2013/1/25(金) 20:00から、t(w)r channelで生放送します!
放送ページ↓
http://live.nicovideo.jp/watch/lv122820429

現地レッドシューズへのご来場も大歓迎ですので、ぜひとも熱いロックンロールショーを目に焼付けにきてください!!

ライブ詳細↓
http://ameblo.jp/n-k-tbh/entry-11415245786.html