当時、最先端の「遊び」というカルチャーはゲームセンターという溜まり場に集中していたわけだが、それでも遊びの“ホームラン王”と言えばもちろん『野球』だった。
この「ゲームセンター」と「野球」という対極をなすものが一つとなり、家庭に持ち込めるようになったのがLSIゲームの台頭だ。

エポック社『デジコム9』

我が家に今も眠る3種類の電子野球盤「野球LSIゲーム」の中で、最も遊ばれた機種といえばこの「デジコム9」になるだろう。

正直一人用ではバッティングしかできないという退屈すぎるゲームだったが、二人用ともなると殺し合いに発展するのではというほど熱き戦いとなった。

今思うとこのゲームを通じて友人らと人間関係の構築方法を学んでいたところもある。
当時のゲームは単なるツールであり、遊び方をクリエイトしていくのは我々遊び手に委ねられていた。ルール作り、マナー、禁止事項これらの取り決めから始まり、則ってプレイが出来る