YOSHIKIのそばにいてその様子をずっと見つめ、共に音源制作をした経験からYOSHIKIの本質とその魅力を書いたり話したりしているのだけれど、もう一つ別の側面で、特別に理解できることが僕にはある。
 
 それは、純粋に自分の心の中から新たな作品を生んでそれを表現するという、芸術の道を歩んでいるという共通点によって理解できることだ。
 
 実は、「すべての始まり」にもこの連載にも数え切れない程書いてきた「赤ちゃんのような」という表現は芸術と深い繋がりがある。
 
 なぜなら本当の芸術作品を生み出す瞬間というのは、ちょうど赤ちゃんのように何の濁りもない心の状態になっているからだ。
  
赤ちゃんを子どもという言葉に置き換えることもできるけれど、濁りのなさを純度100%まで極めると、おそらくやはり生後10ヶ月の位までの赤ちゃんのような心の状態なのだと僕は感じている。
 
 で、作品を生み出すたびにそのような澄み切った心の状態になっているうちに、普段もそのような心の状態になりやすくなる。