前回の天皇陛下御即位10周年をお祝いする国民祭典から3年経った、
 2002年12月3日。

 僕は東京国際フォーラムのホールAにいました。

 「YOSHIKI シンフォニックコンサート2002」の会場です。

 僕はプロデューサーとして音楽面でこのイベントを支える立場でした。
 もう一人のプロデューサーである読売広告社の広田さんや音楽監督の藤原さん、そして
多くのスタッフと共に、いくつもの課題を一つ一つクリアしながら、やっと本番当日を迎
えることができたのです。

 会場には見事チケットを手にしたX Japan、YOSHIKIファンを中心に、5000人の人達
がそれぞれの想いを胸に、開演を待っています。
 X Japanのファンでもある小泉総理大臣もこのコンサートを観覧に来る予定です。

 前日までに音楽的な問題は全てクリアしていたはずですが、リハーサルを終えて、本番
直前になると、いくつ判断しなければならない課題が新たに見つかりました。

 それらを解決するために会場中を走り回っていると、あっという間に本番が近づいてき
ます。

 最後にYOSHIKIの控室で最終的な確認を終えると、いよいよ本番へのGoサインが、舞台
監督に伝えられました。

 急いでステージ脇に戻り、広田さん、藤原さんと共に見守る中、1曲目、オーケストラ
による「Say Anything」の演奏が始まりました。
 2日間にわたるコンサートのスタートです。