【 ART OF LIFE ③ 】
そしてそれらが皆、圧倒的なオリジナリティや100年残る作品だという大きな根拠になっていたりする。
だからここでは、単なる音楽的な解説だけではなく、その背景となっているYOSHIKIの姿も同時に描いていくことが重要だと思った。
そういったわけで、今回は速いリズムが始まるところから「ART OF LIFE」の音楽的な解説を始めつつ、同時にYOSHIKIが名曲を生むことのできる大きな理由のひとつ、「イメージの重要性」についても書いていきたいと思う。
7. RIFF
バラードテンポだった「6.RYTHM in」から一転して速いテンポの「7.RIFF」が始まる。
テンポは速いけれど、まだDrumsは全開の速いリズムパターンではなく、Kick(Bass Drums)が4つ打ち、ハイハットが16(16Beat)を刻むリズムだ。僕の譜面で「7.RIFF」の横にリズム譜状の絵が書いてあるのは、このDrumsのリズムのことだ。
このリズムは、本格的な全開の「速いリズムパターン」が始まる前に演奏されることで、いよいよ速いビートが炸裂する、という期待感を煽る効果が大きい、YOSHIKIが得意とするドラミングだ。
「Silent Jealousy」ならバラードリズムのサビの後でYOSHIKIの語りが流れる部分、あるいは「Stab Me In The Back」ならイントロでツーバスパターンのリフに続いて30秒あたりから登場する部分、そして「JADE」なら1番のAメロなどが、まさにこのリズムパターンだ。
メロディーやコード進行と同じように、リズムでも、YOSHIKIはそれぞれのリズムパターンが醸し出す雰囲気を、適宜ベストなタイミングと配置で使い分ける。
その基本となるリズムパターンはある程度決まっており、大まかに次の6つのどれかとなる。