目に見える結果がまだない以上、何が正しいのかは誰にもわからない。
 
 でも、結果がまだなくても高い志と自信があれば、前に進むことはできる。

 そう、正しいかどうかより、正しいと信じられるかどうかの方が大事なのだ。
 
 それが若いということの特権であり、誇りだと思っていい。
 
 僕はそう信じていたし、同じ想いを持てる人間しか信じなかった。
 
 そういう意味で、Xのメンバーはまさにそうだった。

 
 もちろんある程度の時間をかけてXは結果を出し、それはいずれ歴史となり、後の人たちにはそれが当たり前の事実となるのだけれど、1988年当時の僕たちにとっては、まだそれは未来のこと。

 その時は何の確証もない「今」しかなかった。
 
 それでも強い意志と熱い想いで前へ進むことができたのは、何があろうと自分たちを信じていたからだったと思う。

 そんな気持がそのままXというバンドを支えていたのが、1988年だったのだ。
 
 1988年 春。
 
 熱い想いとバンドとしてのエネルギーはおそらく当時の日本で一番だったXというバンドとその5人のメンバーに、僕は名乗りを上げ、共闘を始めた。