上杉隆のブロマガ「東京脱力チャンネル」が主催する生放送番組「夜のズバッ!と生ステーション」が、2012年8月21日にスタートしました。キャスターを務めたのは、週刊誌「AERA」記者の三橋麻子さん。ゲストには、元朝日新聞政治部長・薬師寺克行さんと、政治ジャーナリストの藤本順一さんを迎えました。
今週はその後半の部分をお届けいたします。
三橋麻子さん(以下、三橋):ところで、質問が来てまして。「お三方が考える日韓関係改善の処方箋は?それぞれどのようなもので、違いはありますか?(千葉県・20代男性)」と。「日韓関係改善の処方箋について」ですね。
藤本順一さん(以下、藤本):政治マターの話と違うアプローチの話を、結構昔からやってて、きれいごとと言われるかも知れないけど、文化交流とかいろんなレベルで交流してて、日中関係とまたちょっと違った日韓の関係って、いっぱいあると思うんだよね。さっきの竹島の問題もそうだけど、中央政府の歴史的な過程だけであの場所を捉えても、なかなか解決の糸口は見えないかな……と。あともう一個、逆の意味で言うと、もういっそのこと(竹島を)アメリカの戦略基地にしちゃって、日本も韓国も関係ないようにしちゃった方がまだ楽かな(笑)、とかね。ちょっと発想を変えないと、なかなか(解決は難しい)……という気がしますね、僕は。
三橋:薬師寺さんは?
薬師寺克行さん(以下、薬師寺):今年の12月に韓国で大統領選がありますから、大統領選の結果、パク・クネさんが当選するのか、野党の人が当選するのかで全く変わってくると思います。保守系のパク・クネさんが当選すれば、日韓関係の基本条約を結んだ人(パク・チョンヒ元大統領)がお父さんですから。それほど心配しなくても、少し落ち着いた日韓関係を新しい大統領がやってくれるんじゃないかと思いますが、逆に野党系の人が当選すれば、大変難しい状態が続く可能性があります。どちらにせよ、韓国の方が何かやったから日本の方がそれに合わせて騒ぐとかいうことをやるのではなくて、少し落ち着きなさいよ、と。もうちょっと冷静に話をしましょうよ。全てをナショナリズムで解決させようと思いなさんな、という感じのアプローチをすればいいんじゃないでしょうかね。(竹島の)実効支配は韓国がしているわけですからね。これはもう、国際法的な解決しかできませんから。日本がそこで、力でもって取り返すなんていうのは現実問題として無理ですから。という形で、国内での冷静な対応がいいんじゃないですかね。
藤本:弱腰外交って批判している人たちは、戦争のリアリズムを知らない人たちじゃないかなと、僕はそういう気がする。弱腰外交じゃダメだ、じゃ「強腰外交」って何だ? と言われたときに何もないから(笑)。そういう次元で日韓関係を考えてもしょうがないんじゃないでしょうかね――とか言うと色々文句が出そうだけれども。
薬師寺:国と国との関係というのは、外交を使って色んな問題を解決するんですね。その外交で解決できなくなった時に何をやるかって言うと、軍事力の衝突と。軍事力の衝突をやりたいなんて、誰も思っていませんから。だから「弱腰だ」とか、「毅然とした態度を取れ」だとか、「徹底的にやれ」とか、威勢のいいことを言うのはまあ、いいですけど。実際は外交交渉で話を決着する、その外交交渉を外交官がやる場合もあれば、首脳クラスがやる場合もありますけど、最後はそれでしかできない。それが、近代的な民主主義国家のやるべき道ですから。他にやりようがないんですよ。戦争をやるわけにはいかないんですから。そう考えれば、おのずと道はわかってくると思いますね。
三橋:上杉さんは? 「日韓関係改善の処方箋」です。
上杉隆(以下、上杉):私は――いいんじゃないですか(笑)? 三橋さんは? (パソコンを操作しながら)今、自分のアカウントに入るのでパニクって。
三橋:それどころじゃないと。
一同:(苦笑)
上杉:日韓関係ですか――みんな仲良くすればいいんじゃないですか?
一同:(笑)