日本から遠いヨーロッパにもスラム街は存在します。今回、丸山先生が紹介してくれたのはブルガリア。ブルガリアといえば、琴欧州が相撲界に旋風を巻き起こしましたが、丸山先生も現地を訪れるまでは、ヨーグルトのイメージくらいしかありませんでした。しかしブルガリアには、ヨーロッパ最大のスラム街があったんです。
そのスラム街には、外壁をパッチワークでつぎはぎしたような団地が建ち並んでいました。実はこの団地、行政が建物だけを建設したもので、「はいお前ら住め」といわんばかりに用意された、窓枠なども一切無い団地なのです。団地の住人達は、自分たちの力で窓などを付けざるを得なくなり、結果的にパッチワークのような外観となりました。
西川「素うどんで出てくるようなもんだね(笑)そこから"ちくわもらいます"みたいにトッピングしていく。」
このスラム街は放浪のロマ族が多く住むエリアで、市民の移動手段は車を用いることもありますが、馬で移動することもあります。団地の住人は、ゴミを拾って転売したり、洋服は拾ってきたものを着たりして生活していますが、悲壮感はまったく感じられません。彼らは彼らで生活が成り立っているため、多くを求めなければ暮らせる環境です。
世界の地域や民族によって差がありますが、ゴミなどがまったく見当たらないスラム街もあり、ジャマイカではゴミのポイ捨てを嫌い、地べたに座る習慣がなく、文化的な習慣もさまざまです。
この団地で暮らす人々の仕事も様々で、ある夫婦は売春を生業とし、旦那さんが仲介人となりパートナーの奥さんを客に紹介するシステムで生活費を稼いでいます。このエリアでは、夫婦やカップルが二人一組となって売春をやるケースが多く、客層は、観光客や他地域から来た者が多いといいます。
彼女らは客を捕まえるために街路樹ごとに立っており、その反対車線に仲介人である旦那が待機。パートナーが危険に巻き込まれないよう監視しています。丸山先生はこの旦那さんに「奥さんにこういうことをやらせてどうなんですか?」と取材を試みたところ、「それでも子どもたちが飢えることは耐えられない」と言われたそうですが、「いやお前が働けよ」と思ったそうです(笑)
西川「ごもっとも(笑)」