※本記事は編集部の不手際により、昨日(2016年5月16日)にも配信が行われました。関係者の皆様には謹んでお詫び申し上げますとともに、編集部一同、今後の再発防止に努めてまいります。
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粟飯原理咲『ライフスタイルメディアのつくりかた』
第6回「場所への共感は時間を超える
ーー「黎明期」以降のメディア運営」
【毎月第3火曜配信】
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2016.5.17 vol.593
本日は、アイランド株式会社代表の粟飯原理咲さんによる連載『ライフスタイルメディアのつくりかた』の第6回をお届けします。今回はメディア運営の黎明期の後にやってくる成長期に求められるものは何か。一対一で書き手と向き合う編集者の役割を、イベントやメディアの仕組みの中に、どのように組み込んでいったのかについて語っていただきました。
▼プロフィール
粟飯原理咲(あいはら・りさ)
アイランド株式会社代表取締役。国立筑波大学卒業後、NTTコミュニケーションズ株式会社先端ビジネス開発センタ勤務、株式会社リクルート次世代事業開発室・事業統括マネジメント室勤務、総合情報サイト「All About」マーケティングプランナー職を経て、2003年7月より現職。同社にて「おとりよせネット」「レシピブログ」「朝時間.jp」などの人気サイトや、キッチン付きイベントスペース「外苑前アイランドスタジオ」などを運営する。美味しいものに目がない食いしん坊&行くとついつい長居してしまう本屋好き。
◎構成:稲葉ほたて
本メルマガで連載中の『ライフスタイルメディアのつくりかた』配信記事一覧はこちらのリンクから。
■ 成長期に求められる“場の成長と個人の成長”が共鳴するフィールド
前回まではメディアの立ち上げについて話してきましたが、今回はそんな「黎明期」の次のステージ、メディア運営について話してみたいと思います。
「レシピブログ」が成長しはじめたときに、私たちが大事にしたのが「場の成長と個人の成長が共鳴するフィールドを、書き手のためにつくっていく」ということでした。というのも、初期の頃は編集部と書き手である料理ブロガーさんが一対一の関係で熱くメールを交わすことで、メディアの想いを共有していたのですが、成長期に入りユーザー数も増えてくると、なかなかそういう関係を結ぶのは現実的に難しくなってきたからです。
そこで私たちが、編集者による一対一のフィードバックやコミュニケーションの代わりに導入したのが、「ステージ制」と「イベント」でした。
そのときに考えたのは、書き手同士で互いのセンスや視点などに刺激を受け、活動を励みにしあう仲間を作ってもらおうということです。何かを続けるとき、人間には仲間が必要です。直接コミュニケーションが密に発生しなくても、「私と同じフィールドであの人が頑張っているから、私も頑張ろう」と思える研鑽の仲間がいるだけで、その後の持続性は大きく変わってきます。いかに書き手の方々にそういう関係を作っていただくかは、編集部が常に工夫をこらしている部分で、これは当時も今も変わりません。
レシピブログ内にステージ制を設けて、長く活躍を続けた方には「シルバーブロガー」、さらに続けると「ゴールドブロガー」「プラチナブロガー」とランクアップしていく仕組みを作ったのも、“一定の書き手が集まるフィールド”を設計することで、そういうモチベーションの1つになってくれればと考えたからです。ステージが上がることにサイト上でも発表を行い、多くの書き手の方々の励みになることを意識しました。
ただし、こうして書き手同士を繋いでいくときも、私たちは「コンテンツを介して人と人が繋がる」ことだけは大事にしていました。ステージ制はあくまでブログでの発信に対する評価ですし、リアルでのイベント開催でもその点は変わりません。
成長期に入って以降、レシピブログでは「料理写真を上手に撮る教室」や「レシピの書き方講座」などの、コンテンツの質を高めるためのノウハウを共有する講座をリアルで開くようにしました。私たちが作りたかった、互いに料理写真を共有して「いいね」を言い合えるような場所をより広げていくために、プロの講師の方を呼んでノウハウを提供していったのです。そういう場では、特定のテーマに興味を持って集まったユーザーさん同士で、繋がり合ってもらうようにしました。すると、「あのイベントで知り合った●●さんがどんどん写真が上手になっているから、私も頑張ろう」というふうに、書き手同士が互いをブラッシュアップする仲間になります。イベントでは、そういった書き手の間の関係づくり、コミュニティとしても個人としても成長感がある場づくりを主眼にして設計を行っていました。
▲これまでに開催されてきたイベントの様子
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