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【緊急配信】たかまつなな「お笑いジャーナリスト宣言」(全文無料公開)
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【緊急配信】たかまつなな「お笑いジャーナリスト宣言」(全文無料公開)

2019-01-18 07:00
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    今朝のメルマガは、たかまつなさんによる「お笑いジャーナリスト宣言」を全文無料公開でお届けします。お笑い芸人としてテレビで成功するために演じていた「お嬢様ネタ」を封印し、かねてよりやりたかった「社会風刺ネタ」に挑戦することを決めたたかまつさん。2月に単独ライブを開催するにあたり、その決意をここに宣言します。
    たかまつななさんの連載記事はこちら
    たかまつななの新米ディレクター月報

     お笑いジャーナリストのたかまつななです。この度、ある決意をさせていただき、その決意表明を皆さまに聞いていただきたく、この場をいただきました。
     私、たかまつななは、宇野さんのアドバイスを全て受け入れて、お嬢様ネタを封印します。全ネタ社会風刺に挑戦する単独ライブをやります。
     「お嬢様ネタは全部面白くない。テレビに出るために仕方なく作ったんだろうなと思った」。1年前、私の単独ライブを見に来てくださった宇野さんに言われた言葉です。悔しい。けど当たっています。
     テレビに出るために必死に作ったネタ。自分をエンタの神様はじめ、世に送り出してくれた番組です。ただ、お笑いを通して社会問題を発信したい私の本当にやりたいことではなかった。
    「お前は客を馬鹿にして社会風刺をやっていない。社会風刺ができるはず、なのに観客の前でやらない」と追い打ちをかけられる。
     全部当たっていました。19歳、とあるゴールデン番組で法律ネタをやろうとした時「視聴者が理解できない」とプロデューサーに言われた。それ以来、テレビでできる風刺を考え続け、完全にテレビに洗脳されていた。
    「社会風刺の時に手加減するべきじゃない。いろんな活動をしているのに、それをネタに一切活かせていない。もうちょっとお客を信頼したら?」
     そんなことを言っても、お客さんに伝わらないと本当に思っていた。法律ネタを視聴者が分からないだろうと一蹴したプロデューサーと同じことを、私は自分のお客さんの前でやっていたのです。
     宇野さんにこれを言われてから1年。私の頭の中は、ぐるぐるしていました。先輩の芸人さんに相談したら「お笑い分かっていない評論家が言っているだけだろ」と言われ、そうですよねと自分に言い聞かせていたりした。宇野さんの審美眼ってすごいし、痛いところをつかれたと私は思っていたので、そこから逃げたいという気持ちだったのかもしれません。
     気づけば、私がお笑いを通して社会問題を伝えたいと言い始めてから、10年が経っていました。いつの間にか、ウーマンラッシュアワーの村本大輔さんが、THE MANZAIのチャンピオンという看板を捨てて、丸裸になって政治ネタを始められていました。
     数年前から私の方が先にやりたいと言っていた。でも、やれなかった。私には勇気がなかったのだ。そんな中、ようやく決意しました。今までのお笑いのルールとは違うものもあるけど、完全にお客さんを信用して社会風刺ネタをやります。 
     ライブが酷評だったので宇野さんを呼ぶのは怖くて最後まで悩んだのですが、腹を括りお声かけしました。お嬢様ネタを封印する決意は、宇野さんとのやりとりから始まったからです。
     今回のライブに向けて作っていたお嬢様ネタは全部捨てました。第11回たかまつなな単独ライブでは、全ネタで社会風刺をします。社会風刺45分、公演毎にゲストが変わりシンポジウムも行います。宇野常寛さんにはネタを見ていただいた後、ネタの公開説教をしてもらいます。そして意味がある社会風刺を考えます。
     田原総一朗さんとは「タブーへの切り込み方」を考えます。田原さんは昔、朝生の司会者の前、テレビ局のディレクターとしてドキュメンタリー番組を手がけていました。局と時代は違えど、似たような路線を歩もうとしている後輩として、田原さんのタブーへ切り込みます。朝生は、政治をエンタメ化した一方で、相手の議論をマウンティングすればいいという演出によって、視聴者をどんどんバカにさせたのではないか。「朝生の罪」と、あるべき報道番組、政治を伝える番組のあり方を議論します。
     アルピニスト野口健さんとは「社会を変える巻き込み方」を考えます。「富士山は汚い」。これは誰でも言える。でも野口さんは社会を巻き込み、富士山の不法投棄の問題を講演会で声高に、かつ面白おかしく語り、ゴミ拾いの楽しさを伝えることで社会を変えていった。最終的には24時間テレビのコーナーにしたり、富士山清掃のバスツアーを組んだり、人々に「楽しそう」と思わせ、社会を変えるところまでデザインしている。現場を常に大切にして、それを伝えるだけではなく「変える」というスタンスを、私は尊敬しています。野口さんからは社会を変える巻き込み方、コツを聞き出します。
     このように私の「お笑いジャーナリストを宣言」を、大好きな先輩方に見守っていただきます。
     2月8日(金)、9日(土)、10日(日)の3日間。初日と、千秋楽は完売しております。宇野さんがお越しくださるのは、2月10日(日)14:00です。こちら残り5席です。2月9日(土)15:00アルピニスト野口健さん、2月09日(土)18:00田原総一朗さんの公演も、続々とご予約いただいておりますのでお早めにご予約ください。

    第11回たかまつなな単独ライブ「お笑いジャーナリスト宣言」

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    「テレビのお笑いって物足りない」「社会風刺が好き」という方、ぜひ、いらして下さいませ。
    評論家と芸人が本気でぶつかりあいます。一番「荒れる」シンポジウムだと思います。宇野さんと番組の帰り道で歩きながら話しました。「これで伝わるか不安なんです。作家さんと話しても、前提となる知識が共有されているか不安で……」「作家のレベルに合わせるな!お客さんを全て変える気持ちをもたないとダメ」。
     改めて、日本で社会風刺をゼロから立ち上げるのは大変で、茨の道を歩んでいく思いでした。変な笑いには逃げません。社会風刺に真っ向から向かいます。宇野さんに納得してもらえるよう残り1ヶ月走り抜けます。そう思いながら密かにライブに出ていたら、客席に宇野さんが。「暇だったから予習しにきただけ」。いつも辛辣なコメントばかりですが、私が調子がいい時も、悪くて人が去っていったときも、最後の最後まで手を差し伸べてくれたのは宇野さんでした。そんな宇野さんに早く認めてもらいたい。冗談でも「たかまつネタがつまらないからなぁ」とは言われたくない。私の挑戦をぜひ応援してください。お待ちしております。

    たかまつなな

    (了)


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