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e-sportsはどう社会を変えるのかーー〈ゲーム〉と〈スポーツ〉の相克をこえて(後編)
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e-sportsはどう社会を変えるのかーー〈ゲーム〉と〈スポーツ〉の相克をこえて(後編)

2019-11-13 07:00
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    今朝のメルマガは、2018年に明治大学で行われたe-sportsをテーマにしたシンポジウムのレポートをお届けします。後編では、メディアテクノロジーの研究者・福地健太郎さんが、スコアを争う競争に留まらない、多様な評価軸を取り込んだ文化的なゲームのあり方について提案します。
    ※本記事は「明治大学アカデミックフェス2018」(2018年11月23日開催)での各種プログラムを収録した電子書籍『知を紡ぐ身体ーー人工知能の時代の人知を考える』(明治大学出版会)の一部を転載したものです。
    2019年11月23日に「明治大学アカデミックフェス2019」が開催されます。学生・一般の方を問わず無料でご参加できますので、ぜひご来場ください。

    デジタル技術と身体

    中川 最後にご登壇をお願いするのは、同じく明治大学の福地健太郎先生です。福地先生は主にメディアテクノロジーの工学的なご研究をされていて、デジタルゲームにも非常に造詣が深く、学内の教員ではもっともゲーム研究に通じていらっしゃる方の一人です。いまの高峰先生のご発表のなかにもあった「デジタル技術と身体」の問題に対して、クリティカルな立場からのご発表をいただけると思います。

    身体運動とテクノロジーの関係をめぐって

    本学総合数理学部で教員を務めております、福地と申します。ふだんは、さまざまな映像メディアを多様な場面に実装していく研究をしております。最近は能と映像技術の融合ということをやっておりまして、2019年1月には実際に能舞台で披露いたします。この系統のルーツにあたる研究として、もう15年くらい前のものになりますが、2003年には音楽フェスティバルでお客さんがリアルタイムに楽しめる映像作品の展示を行っています。こうした実践を通じて、映像技術が人間の身体や行動にどのような影響を与えられるのかということが、自分の研究の中心テーマになっております。
    この技術を応用したもので、スポーツとエンターテインメントのテーマに関連するものとして、「自撮りトランポリン」というものをつくりました。この研究の背景として、健康増進やリハビリテーションの現場では、ただ「運動しなさい」と言っても誰もやりたがらない、ということがあります。特にリハビリテーションの場合は、継続が辛くて、ついついサボってしまう。そのような人たちに対して、モチベーションを提供するために映像技術を応用できないかというところから取り組みました。具体的には、トランポリンでピョンピョン跳んでいると、Instagramよろしく、パシャッと良いタイミングで写真を撮ってくれるという、単純な機構のシステムです。
    これを明治大学中野キャンパス前の中野セントラルパークで行われた夏祭りで展示したところ、4時間の展示で約660枚の写真を撮影することができました。1枚の写真を撮るためにだいたい10回くらい跳ぶので、延べ6,600回くらい人を跳ばしています。図の右側に一番枚数が多い順番に結果を並べた順位表がありますが、一位の子は84枚、つまりこの日、840回くらいトランポリンを跳んでいることになると思います。さぞかしこの日の夜は、ぐっすり眠れたのではないでしょうか。

    ゲームの力でスポーツの評価軸を多様化する

    ここでポイントになるのは、ゲームの面白さをリハビリテーションや運動に取り入れようという際には、より高く跳びましょうとか、たくさん跳びましょうとか、ある種のスコア競争のかたちで採り入れがちになることです。いわゆるゲーミフィケーションの方法論の多くは、そのような定量化された指標によってユーザーを動機づけしようという仕組みが中心になっているように思います。
    ただ、トランポリン運動の場合に「高く跳ぼう」ということを目的に取り入れてしまうと、危険な姿勢で跳んでしまったり、反対にすぐに諦めてしまう子がどうしても出てしまう。そうした時に、競争の原理として「より高く」「より速く」といったスポーツ的な競技性ではなく、「より面白い写真を撮りましょう」という呼びかけをしているところが、この研究のポイントです。


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