ライター・編集者の中野慧さんによる連載『文化系のための野球入門』の第20回「野球文化を創った冒険SF小説家・押川春浪は、なぜデビュー作で「大日本帝国万歳」を唱えたのか?」(後編)をお届けします。
日本野球の「ポップカルチャー」化に貢献した押川春浪。日本SFの祖としても知られる彼の生い立ちと、デビュー作『海底軍艦』について分析します。
(前編はこちら)
中野慧 文化系のための野球入門
第20回 野球文化を創った冒険SF小説家・押川春浪は、なぜデビュー作で「大日本帝国万歳」を唱えたのか?
反逆児・押川春浪(方存)、そのヤンキー漫画顔負けの青春時代
押川春浪は本名を押川方存(おしかわ・まさあり)という。以下、SF作家の横田順彌氏のいくつかの著作から、春浪の少年・青年時代について述べていこう。
方存はすでに述べたように、日本におけるキリスト教教育の先駆者である押川方義(おしかわ・まさよし)