第７回 RAIDER&MONSTER SERIES 4 仮面ライダー王蛇
今回紹介するのはバンダイから2002年に発売された「RAIDER&MONSTER SERIES 4 仮面ライダー王蛇」です。
これは前々回に紹介した『仮面ライダー龍騎』に登場するキャラクターです。十三人の仮面ライダーたちが各々の信じる「正義」や個人的な欲望を追求して殺しあうという衝撃的な設定で話題をさらった『仮面ライダー龍騎』は、劇中に登場する青年科学者が、その妹を救うために、彼が望む結果（妹が生き残る）が出るまで無限ループを繰り返すゲーム＝バトルロワイヤル設計する。その結果、13人の仮面ライダーたちがそれぞれの欲望を掲げて繰り返し争うことになり、主人公の真司＝仮面ライダー龍騎はそのゲームを終わらせるためにゲームに参加していくことになります。
このループする世界というモチーフは押井守の代表作『うる星やつら２ ビューティフル・ドリーマー』をはじめ、宮台真司なら「終わりなき日常」と、岡崎京子なら「平坦な戦場」と表現した現代的な疎外感を基底とする世界観の表現として、八〇年代から繰り返し用いられてきたものです。たとえば同作の「最愛の妹を救うためにループを繰り返す」という設定は、いわゆる「セカイ系」の美少女ゲームやライトノベルの設定を強く想起させます。
