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哲学の先生と人生の話をしよう:「抑え難い復讐心があります」
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哲学の先生と人生の話をしよう:「抑え難い復讐心があります」

2013-05-20 19:01

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    「抑え難い復讐心があります」
    相談者:小谷さん(東京都在住・23歳男性・学生)

    Q.
    私は現在二回目の大学4年生をやっている23才の小谷といいます。私は2年前に大学のある文化系のサークルに入っていましたが、そこでいじめにあいました。まず二年の時に、ある同学年の女性(以下Sとします)と本の貸し借りをするようになり、一緒に映画に行こうと私が誘い、二人で会いました。しかしSは待ち合わせ場所に非常に不機嫌な表情でおり、二人でいる間はずっと険しい表情でした。そして私に対してひたすらその不機嫌な感情をぶつけてくるのです。 私の話には全くと言っていいほど反応せずに、「この前は同じサークルのYと映画を観にいって楽しかった」と言って映画のチケットを目の前に出してきたり、「別な大学の男にいい顔してたら飲みに行きたいと言われている。私はまた「同じ過ち」を繰り返した」、と何度も言ってきました。これは彼女を映画に誘った私を揶揄してのことだと思います。「昨日何で電話に出なかったの?」と聞いたら、同じサークルのAと電話で話していた、と言われました。また映画が始まり、近くの席に座ろうとしたら、蝿を払うような仕草で手を振られ、離れた席で映画を鑑賞しました。

    その直後、Sはサークルの飲み会に参加して、私との事を笑い話として披露していたそうです。そしてSはなぜか携帯電話を机の上に置いており、それを他のサークルの男性が操作して、その携帯から私の事を嘲笑うようなメッセージが送られてきました。「まだまだだな」とか「そんなことよりも俺の事を見ろ!」などです。これはSが私と映画に行っている間に別な男性の話ばかりをしていた事を聞いたからだと思います。

    Sはこの件に関して後日サークルの中の男、女一名ずつに相談をしたのですが、何故か自分が被害者であるように言っており、完全に私の立ち位置が悪くなってしまいました。Sが相談した男と、私はサークル内であるイベントをやることになっていましたが、その男はメーリングリストで「今度の会は僕一人でやる事になりそうです。だから皆協力してくれ!」とメールを一斉に流しました。彼女が相談した先ほどの女性と話す機会がありましたが、「○○っていうメール送ったんでしょ」と言われ、自分が送ったメールの内容(非常にプライベートな性格のものでした)を揶揄されました。その時は本当に死にたかったです。

    後日、Sは私にメールを何通も送ってきました。始めは謝ってきていたのですが、私が泣き寝入りをしているのを好い事に「いつまでもあなたの本が手元にあっても困る」という様な威丈高なメッセージを送って来るようになりました。サークル内の力関係で強い立場にある男女一名づつを味方につけた事が手伝ったのだと思います。Sはサークルの男性Aを伴って私が貸していた漫画を直接、私の一人暮らしの家まで届けに来ました。私が居留守を使っていると、Sはインターフォンを何度も押して、ふざけた口調で「ほんとにすみませんでした?」などと私を馬鹿にするような言葉を何度も吐きました。殺してやろうと思いましたが、思い留まりました。
    その辺りの時期から心身の状態が非常に不安定になっていきました。夜中に全くと言っていいほど眠れなくなっていき、体力が極端に低下していきました。Sはその後すぐに留学に行き、私は一年くらいそのサークルに居続けましたが、体調不良が元で活動にあまり参加できなくなっていきました。出席に厳しいサークルであったため、次第に白い目で見られ始め、幹事長から睨まれたり、頼んでいた仕事を前日になって「知らない」と言われたり、仲良くしていて自分のバイト先にも遊びにきたような関係の先輩から話しかけても、「俺がお前の話を聞く必要がない」と言われたりしました。サークルのOB(33才)からも「君さ?女の子(Sの事)に〈ロスト〉したんだってぇ??聞いたよ?」と後輩の前で言われました。自分がやる事になっていた企画が知らない間に別な人がやることになり、告知のメーリングリストでそれを知る、という事もありました。サークルの会議の時に「小谷君の○○の仕事はどうなってますか?」と私に直接言えば済むような事をわざわざ皆の前で言われるという、吊るし上げの様なこともされました。そして三年の夏に私はそのサークルを辞めました。サークルの活動費の一部を私が立て替えていましたが、今もって返済を彼らはしません。
     
    現在も四六時中、頭、体が重く、室内にこもりがちです。また急に泣き出してしまったり、恐怖心にとらわれて不安で仕方なくなったり、部屋で急に怒鳴り声をあげたり、壁を殴ったりしてしまいます。落ち込んでいる事が非常に多く、体調不良もずっと続いています。自分がこんなにも弱い人間だとは思いませんでした。そのせいで、大学からも足が遠のき単位が全然取れなくなり留年を致しました。現在は一応通院をしておりますが、良くなる気配は一向になく就職活動も全く出来ていません。

    心の中でいじめてきた連中に対する復讐心が日毎に大きくなっていっています。そのサークルは大学の学生棟で禁止されている飲酒をしたり、普段の飲み会で一気飲みの強要や未成年の飲酒をしています。手元にその画像や動画がありますので、このネタを脅しに使ってやろうかと日々思ってしまっています。そして、呼び出して、自分をいじめてきた奴らをめちゃくちゃに殴っているところや、お金を脅し取る事を空想しては、自己嫌悪になったり、虚脱感に襲われたりしています。既に元サークル幹部の人間に、脅しのようなメッセージ、(「学生生活課に言いに行く」、というようなものです)を送りつけ、彼らからは返信が来ましたが、まだ見れていません。

    この件に関して、私にも落ち度は様々にあると思いますが、ここまで理不尽かつ陰湿にいじめられるようなことはしてはいないと思います。私が彼らに復讐をすることは許されるのでしょうか。また、自分自身の気持ちにどう整理をつければいいのでしょうか。國分先生の意見をどうしてもお伺いしたいです。どうか取り上げて下さい。本当にお願いします。


    A.
     ご相談ありがとうございます。
     端的に言いますと、小谷さんの相談は大変長文でしたが、それにも関わらず、ほぼ間違いなくいくつかの事実が隠蔽されています。

     まず、なぜ女性Sはあなたとのデートに応じたのか? それが全く謎めいています。あなたとのデートに大した期待もなかったのになぜ断らなかったのか? 当日不機嫌な気持ちになるほどの不満を抱えていたのに、なぜ事前にデートの約束を反故にするわけでもなく、当日待ち合わせ場所に現れたのか? 
     これはこのケースに関わっている人物であれば、簡単に説明ができることであるはずです。そしてこれは小谷さんのケースの出発点にある重要な事項です。しかし、なぜそれが書かれていないのか?
     小谷さんはもしかしたらそれに気付いているのに、わざと書き落としているのではないでしょうか? あるいは、そこから無意識に眼をそらしているのではないでしょうか?

     そのように想像されるのには理由があります。
     このケースは単純化すると…… 
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