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第18回 100MVPその2
その日はやはり特別な公演となった。2時間弱の公演のあいだずっと最高の気持ちで過ごすことができた、忘れられない公演だった。それは何より、僕たちヲタだけでなく、主役である小林香菜にとっても間違いなく嬉しい公演となるだろうことが容易に想像されたからだ。まず最前列のセンターブロックがほとんど仲の良い知り合いで、同じメンバーの熱心なヲタである。最前ばかりではなく2列目センターにも小林香菜のヲタが集結していた(こういう時、不思議な力が働いて、生誕メンバーのヲタは何故か良席に座れるものなのである)。
公演中はもちろんレスをもらえるのだが、前方に集結している自分のヲタに順番にレスをしていくものだから、分散されて自分への目線が少なくなるほどだった。初めて、推し被り同士が集結することの弊害を体験したのだった。しかしこの日ばかりはお祭りなので、そんなことを言うのは野暮というものだ。公演の終盤では、小林香菜を主役に生誕セレモニーが行われ、今年一年の抱負などを語った。それを見守るのは本当に感慨深いものであった。
公演後には、カフェスペースに残ってMVP撮影である(ちなみに優先入場とMVP撮影の権利は別々の日に使うこともできる。使用期限は特にない)。1人ずつ劇場内に呼ばれて中に入ると、ステージ中央で公演出演メンバー全員が整列していて、その中央に立ってメンバー全員と記念撮影をする。初めに指名したメンバー(ぼくの場合はもちろん小林香菜だ)が隣の位置となる(この際、欲張りなヲタは逆隣に2推しのメンバーを配置することもあった。そんなことが可能なのか分からなくても、ダメ元でお願いしてみるのだ。アイドル現場では何でも「やったもん勝ち」である【※1】)。