http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar393414
第17回 アーケードの苦境の中で
ファミコンブームによってテレビゲームが我が世の春を謳歌する一方で、対称的な受難の時を迎えていたのがアーケードゲームであった。1970年代後半から80年代前半にかけて暴走族や校内暴力といった少年非行問題がピークを迎え、ゲームセンターがその温床として見なされるようになったことから、警察庁の主導によって「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)」が改正。1985年2月より、業務用ビデオゲーム機の設置される多くのロケーションが新たに制定された「第8号」風俗営業の対象となり、終夜営業の禁止や未成年者の立ち入り制限など多くの規制を受けることになったためである。ただでさえ多くのアーケードゲームの移植版が家庭で遊べるようになってゲーセンの存在意義が薄れていたところに、事業者を萎縮させる規制が重なったことで、全国のゲームセンターの営業店数は以後、減少の一途を辿ってゆく。
こうした逆風にさらされながらも、この年以降のアーケードゲームは最新基板のグラフィック・サウンド性能や処理速度などハードウェア上の技術的優位によってファミコンよりも刺激的で高難度のアクション体験を提供し、コアなゲームファンを対象にジャンル進歩の最先端を切り拓くフラッグシップとしての役割に活路を見出すことになる。
例えば王道のシューティングのジャンルでは、コナミが縦スクロール型の『ツインビー』と横スクロール型の『グラディウス』の2作を投入。連射を追求した『スターフォース』とはまた異なり、パワーアップアイテムを取得することで自機の性能や武装を数段階にわたって強化し、最も有効な攻撃方法を選んでステージやボス敵を攻略するというタイプのゲームデザインを切り拓いた。