月曜ナビゲーター・宇野常寛
J-WAVE「THE HANGOUT」
11月24日放送全文書き起こし!
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2014.12.1 vol.212
大好評放送中の、宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。毎週月曜日は、前週分のオンエアの全文書き起こしをお届けします!
▲前回放送はこちらでもお聴きいただけます!
■オープニングトーク
宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。そして結論から言うと、僕は今非常に追い詰められています! えーっとですね、今日は11月の24日です。そして25日明けて、正午。そこが、「ダ・ヴィンチ」の連載の締切です。というか本当は先週の金曜日が締切だったんですけど、延ばしてもらって、火曜日の正午が本当にデッドラインです! っていうふうに言われているんですが……。まあ全然できてないですね! マジで! いやー、あの、ちょっと言い訳させてください! 僕はね、金曜日までに5,000字くらいは書いていたんですよ、全部で6,000字の原稿なんですけどね。で、結構余裕じゃん! 週明けたときにちょっと見直して書こう、とか思って土日は書かなかったんですよ。そして、今朝起きて見直したら、なんかね、全然気に入らないんですよね。いや、それなりに書いているんだけど、あれ? って思って。勢いで書いたものって、書いた直後は気に入っていても、ちょっと寝かしてみたら「うわーっ!」ってなるじゃないですか。今回がまさにそのパターンで。いやー、物書きはマジでそういうことたまにあるんですよね。それで、ヤバいこれは全面的に書き直しだ、と思って、もう真っ青になって構成から練り直しているんですけど、連休最終日とはいえ僕は自営業なんで全然関係なくて、わりかしやることがいっぱいあったんですよ。で、午後になってこのラジオの準備をしなきゃいけなくなってね。いやー、結論から言うと本当に今夜、このラジオが終わって、延長戦含めて夜2時くらいに終わって、3時くらいに家に着いて、そこから正午までに書くしかないですね。
これ、なかなかエクストリーム感あるでしょ。まあ、深夜3時から明日の正午までって9時間ありますよね。さすがに9時間あると、1時間に1,000字弱ぐらい書けば済むんで、自分の能力のすべてを燃焼させることができれば、できる気がするんですよ。1時間1,000字くらいだったら、物書きは余裕で書くんでね。理論的には。だから、もうこの番組をすっごいハイテンションで夜2時の延長戦までぶっちぎって、そしてそのままの勢いでいこうかなと。途中にちょっと寝たりとか、立ち食いそばを食べに行ったりとか、ちょっと休憩でアニメ観たりとかしたらもう絶対アウトなんですよ。この勢いで、全力で明日の昼まで駆け抜けるしかないんですよね。なので、ラジオの前のあなたも超絶ハイテンションで朝までお付き合いください! それでは、J-WAVE「THE HANGOUT」今夜もスタートです。
いやー……。本当に原稿間に合うんでしょうかね。J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。月曜担当ナビゲーター、宇野常寛です。今夜は本当に追い詰められています。でもね、なんかこう、自分というものを、こういうピンチの時に見つめ直すんですよ。考えたんです、僕は。ポジティブな結論にたどり着けるように考えました。僕は、本来は集中型なんですよ。マラソンとかは苦手で、一気に集中力を使って瞬間的に何かやるって方が、僕は得意なんですよ。どちらかと言うと、集中型の人間なんです。だからこそ僕って、追い詰められた時に真の力を発揮するタイプなんじゃないかって、自分では思ってるんですよ。『聖闘士星矢』ふうに言うと、青銅聖闘士(ブロンズセイント)って黄金聖闘士(ゴールドセイント)にボコボコにやられるじゃないですか。それでもう瀕死の状態になったときに、こう、小宇宙(コスモ)が爆発して、真の力を発揮して、必殺の起死回生の一撃を放って黄金聖闘士を倒すっていうことを、車田正美先生は何年間もひたすら反復したわけじゃないですか。だからね、そういう感じで、今夜僕も批評の神が降りてきて、神の原稿ができるんじゃないかな、ということをね、僕はいま期待しています。
そんなことを今日ずっと考えていて、昼間もマジで追い詰められていて、気が付くとGoogleで「黄金聖闘士」とか検索してるんですよ。本当に。ちなみに、21世紀生まれの少年少女諸君のために解説しますと、黄金聖闘士っていうのは、『聖闘士星矢』っていう、昔ジャンプでやっていた漫画に出てくる十二星座になぞらえた、ある宗教団体の超強いお兄さんたち、ガーディアンですね。やつら、本当にすごいんですよ。知ってますか? 黄金聖闘士っていうのは基本的に1秒間に約30万キロメートル、地球を7周半のスピードで動くことができるんです。わかりますか!? すなわち光速ですよ。光の拳なんですよ。やつらのパンチは光速なんです、基本的に。あと、人間の五感はもちろん、第六感すら超えた第七感、「セブンセンシズ」っていうものに目覚めているんですよ。なんか微妙に英語が間違っている気がするんですけど(笑)、実際に劇中でそう呼ばれているんですよ。第七感ってよくわからないですよね。第六感っていうのは、いわゆる勘ですよね。で、それを超えた第七感というものにやつらは全員目覚めていて、それが黄金聖闘士になる資格なんです。
本当にやつらはすごくて、場合によっては超能力とかで異空間にワープしたりもできるんですよ。精神攻撃とかもすごく得意で、僕が黄金聖闘士12人の中でたぶん一番強いんじゃないかと思っている、「乙女座(バルゴ)のシャカ」っていうやつは、なんか五感を一つずつ奪っていく必殺技を持っているんですよ。マジですごくないですか!? でも、味覚とか奪ってもあんまり肉弾戦に影響ない気はするんですけどね。まあでもやつはとにかくすごいんですよ。僕はこの乙女座のシャカってすごく尊敬していて、あのセブンセンシズどころか、それをさらに超えた第八感、「エイトセンシズ」にすら目覚めていると言われているんですよ。ゆえに彼は、この世で最も神に近い男って呼ばれているんです。で、そういうことをずっと調べて、へーとか思いながら検索していると、どんどん時間が過ぎていって、まあその結果、今日僕はほとんど原稿できていない状態で六本木まで来ているっていう、まあそんな状態にいま陥っているんですよねー。いやもうほんとね、皆さんも一緒に祈っていてください。僕の第七感、セブンセンシズ、そして第八感エイトセンシズが目覚めることをね。ラジオの前のみなさんも一緒に祈っておいてください。
はい、この番組は夜更かし族のみなさんの溜まり場です! ツッコミや質問も大歓迎! そして僕の原稿への励ましも大歓迎です! みなさんの積極的な番組参加をお待ちしております。ハッシュタグは「#hang813」です。メールの方は、この番組のホームページのメッセージ欄から送ってください。YouTube Liveではスタジオの様子を同時生配信中です。そして、毎週月曜日は番組終了後、ニコニコ生放送で延長戦をやります。今夜は原稿を書く時間を削って放送します。番組で語り切れなかったこと、読み逃したメールなどをディープに語っていきます!
はい、というわけで、宇野常寛がナビゲートするJ-WAVE「THE HANGOUT」。今夜の1曲目は、この未曽有の締め切りピンチを乗り越えるため、この曲を選びました。エイトセンシズに目覚め、この世で最も神に近い男として僕は朝までに原稿を仕上げたいと思います、光速でね。「ダ・ヴィンチ」の関口編集長、待っていてください! それでは聴いてください。MAKE-UPで「ペガサス幻想(ファンタジー)」。
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宇野 はい、お送りしましたのは、MAKE-UPで「ペガサス幻想」でした。
いやー、でもセブンセンシズに目覚めればすべてが片付くわけじゃないんですよ。実際ね、黄金聖闘士も結構階級社会というか、それぞれの能力にすごく差があるんですよね。いま僕が説明した、乙女座のシャカとかすごい人物だと思うんですよ。でも、蟹座(キャンサー)のデスマスクとか、魚座(ビスケス)のアフロディーテとか、ザコいやつらもいるんですよね。もうほんと、自分よりも2階級下の青銅聖闘士に結構あっさり負けたうえに、そのあとの展開でも作者の車田正美先生にザコキャラ扱いされて。なんか、のりピー語で喋ったりする、本当に雑兵扱いされたようなキャラもいるんですよね。セブンセンシズに目覚めてるのにね。実際80年代半ばに小学生だった男子にはわかると思うんですけど、自分の生まれた星座によっていじめられやすさが決定されたりしてましたからね。当時、魚座とか蟹座のやつらはちょっと肩身が狭かったんですよ。ちなみに僕はさそり座なんで、ミロですよね。さそり座(スコピオン)のミロだったんで、わりかし安泰でしたね。中堅メンバーって感じで。
はい! 改めましてこんばんは。J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。月曜担当、宇野常寛、原稿溜めちゃっています! 結構Twitterで励ましの声が来ていますね。っていうか、これハリーじゃん。これはですね、タレントのハリー杉山さん。僕とNHKでちょっと絡んだ人なんですけど。
「宇野さん 原稿 グットラック!!!スーパーハイテンションで聞くしかナイスワン!!!」
まあ……ハリー楽しそうでいいよね(笑)。応援したい気持ちは受け取りましたけど、すごく楽しそうだなっていうことは伝わってきてね、楽しそうですね(笑)。あの、ハリーに楽しんでいただいて、僕も本望ですね。えーっ、これはですね、Twitterしょうまこさん。
「月曜までに8,000字くらいのレポートを書かなきゃいけないのだけど、宇野さんの緊迫感に比べたら楽だった」
そうです。僕は今から川を渡る。だから君も今から渡れ。そして、君は火事場のクソ力も馬鹿力も、セブンセンシズの土壇場での覚醒も期待せずに、悪いこと言わないから今から1,200字ずつくらい毎日書け! それが人生の先輩として言える最大限の言葉だよ。はい(笑)。
はい、ということで、Twitterのハッシュタグは「#hang813」です。メールの方は、番組ホームページのメッセージからどうぞ。ただし「ダ・ヴィンチ」編集部以外の方で、よろしくお願いします。えー、この後、11時55分からは、南沢奈央ちゃんのNIPPON SEKIJUJISHA “GAKUKEN” The Reason Whyのコーナーがあります。そしてJ-WAVE「THE HANGOUT」各曜日のナビゲーターが毎週共通のテーマを語るシェア・ザ・ミッションのコーナー。今週はアルバイトがテーマです。そして、アナーキー・ミュージックシェアのコーナーでは、J-WAVEの他の番組ではまずかからないであろうというアニメソング、特撮ソング、アイドルソングなど、アナーキーな1曲をリスナーのみなさんの選曲でお届けしちゃうコーナーです。メールの方、まだまだ受け付けています。J-WAVE WACORDSのメンバーがさまざまなベンチャー企業を訪問リポートするワーカーズ・ディライトのコーナーもあります。宇野常寛がこの後深夜1時まで生放送でお届けします。深夜の溜まり場「THE HANGOUT」ここで一旦お知らせです。
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■フリートーク
宇野 J-WAVE深夜の溜まり場「THE HANGOUT」。六本木ヒルズ33階、J-WAVE Bスタジオから生放送。月曜は宇野常寛がお届けしております。メールいきましょう。えーっと、これはラジオネーム、ブルーナインさん。
「宇野さんこんばんは。僕はいま、明日の10時30分締切のレポートを必死でやっています」これたぶん午前の10時ですよね。あー、これは結構きてますね。
「僕も追い詰められています。なので、『THE HANGOUT』を聴きながらテンション上げて頑張ります。宇野さんも頑張ってください」
なるほどね。レポートはわりかし単純で、たぶん課題が出ていると思うんだよね。その課題に対して、まずわりとオーソドックスな意見っていうのを調べて、それをまとめる。で、そこに対して有効な反論っていうのが絶対あるはずだから、世間一般で言われているそれをまとめて、それも載っける。で、その二つの中間みたいな意見というか、二つを比べたうえで自分の意見を述べた第三の意見をぽんと作ると、わりとあっさりできると思うので、君はこのメソッドで頑張ってくれ。でも僕は、他人のことはよくわかるんだけど、自分の文章になるとこういった冷静な分析が意外とできなかったりするので頑張ります。次はですね、ラジオネーム makotojboyさん。
「宇野さんこんばんは。先週、2014年の新語・流行語大賞の候補が発表されましたが、その中に『塩対応』という言葉がノミネートされました。我々アイドルオタクにはなじみのある言葉ですが、一般的にはいかがなものかと思います。宇野さんは今年の流行語はなんだと思いますか?」
今ここに資料があって、流行語いろいろ出てますね。「輝く女性」、「バックビルディング」、「トリクルダウン」、「危険ドラッグ」、「家事ハラ」、「ありのままで」、「こぴっと」、「リトル本田」、「ゴーストライター」、「マイルドヤンキー」、「JKビジネス」、「妖怪ウォッチ」……。うーんなるほど、いろいろありますね。なんか、これだ! っていうのがぱっと見ないですね。僕はね、流行語っていうのは、自然発生じゃなきゃ意味がないと思うんですよね。じゃないと、流行語を認定することで、社会の変化だったり、文化や風俗のあり方を測ることはできないと思うんですよ。だから、露骨にテレビ局とか代理店とかが流行らせようと思って作った言葉はやめた方がいいですね。例えばこの中で言うと、「こぴっと」は絶対に外した方がいいんじゃないかな、と僕は思います。あと「集団的自衛権」とか、流行語でもなんでもなくて、ただの専門用語でしかないですからね。まあその中でも「塩対応」なんていうのはわりかしファンの間で自然発生した言葉なのでね、まあいいかなと思うんですけど、今年かな? って気はちょっとしますね。
じゃあ次はですね、これはラジオネームのシャープシックスさん。
「もう11月も後半になり、今年も終わりが見えてきていますね。年末が近づくと、年賀状を出すことを考えるようになりますが、宇野さんはハガキで年賀状を出したりしますか? それともメールやラインで済ませますか?」
僕は一切やらないですね。会社員辞めたくらいのときに、年賀状が本当に馬鹿馬鹿しくなってやめましたね。まあ、来る量も結構どんと増えちゃったし。でも、僕は昔は年賀状出すのが大好きだったんですよね。ほら、年賀状って消印がつかないじゃないですか。だからそれを利用して結構面白いことやっていましたね。友達のA君、B君、C君がいて、まずA君にはB君の名前で出すんですよ。で、B君にはC君の名前で出して、C君にはA君の名前で出して。で、だいたい妹の買ってきた少女漫画とかをコピーして貼り付けて、「これが本当の俺の姿」って書いて出しとくとか、大体そういうことやってましたね(笑)。いや、さすがに社会人として忙しくなってきて、年に一度の楽しみだったんですけどね。いや、昔は好きだったんですよ。あとは、女の子の名前で書いて、「来年もまた一緒にスキー行こうね」とか書いて、こう、ポンと出したりとかね。親がそれ見たら「彼女できたの?」とかツッコむじゃないですか。なんか、そういう家族間のコミュニケーションを誘発するために、正月くらいそういう一幕があってもいいじゃないですか。なんか、そういったことを僕よくやっていたんですけど、ちょっとね、忙しさにかまけて、そういうクリエイティブな気持ちを失ってしまいましたねー。今年ちょっとやってみてもいいかなーというふうに、いま久々に思い出して思いました。
はい、ということでですね、この番組は皆さんの参加をお待ちしております。Twitterで皆さんからいろいろとツッコミや質問をください。ハッシュタグは「#hang813」です。メールの方は、番組ホームページのメッセージから送ってください。番組ホームページではYouTube Liveでスタジオの様子を同時生配信中です。J-WAVE「HANGOUT」。この後は南沢奈央ちゃんがお送りする、NIPPON SEKIJUJISHA “GAKUKEN” The Reason Whyのお時間です。僕はまた後ほど戻ってきます。それでは、南沢奈央ちゃんにバトンを渡す前に1曲お聴きください。毎週この時間はですね、僕が奈央ちゃんのイメージに合った曲を選んでいます。僕はいつもネタを探しに、毎週月曜日に奈央ちゃんのホームページを見るんですが、このホームページは開くと奈央ちゃんの動画っていうかアニメーションが動き出すんですよ。こう、なんか木陰で休んでいる奈央ちゃんが最初目を伏せているんですよ。それが、音楽に合わせて希望に満ちた表情でクッと目線を上げるんですよね。それがすっごくかわいいんですよ。で、その時に、音楽が流れてくるんですよ。でも僕はね、ちょっとこの音楽が不満なんですよ。奈央ちゃんは超絶かわいいんだけど。なんか、アロマテラピー屋さんとかで流れていそうな感じの、ザ・癒し系! みたいな感じなんですよね。それが、奈央ちゃんにいまいち合っていない気がする。彼女の、優しい中にも確固として存在する意志の強さ、優しい雰囲気の中にもね、すごい芯の強さが彼女、あると思うんですよ。だからね、そこの強さをちゃんと拾ってあげる曲を選ぶべきだと思うんですよね。なので、今週は、奈央ちゃんのホームページの音楽に是非差し替えて欲しい一曲を選びました。今週の僕から奈央ちゃんに捧ぐ1曲です。アニメ『宇宙空母ブルーノア』のオープニングテーマ、川崎麻世で「宇宙空母・ブルーノア –大いなる海へ-」。
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