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脚本家・井上敏樹エッセイ
『男と×××』
第12回「男と男」
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.12.29 vol.485

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PLANETSチャンネルに敏樹先生が帰ってきた!
新作小説『月神』も好評の、平成仮面ライダーシリーズでおなじみ脚本家・井上敏樹先生。そのエッセイ連載「男と×××」が今月よりPLANETSチャンネルで連載を再開します。
復帰後の第1回となる今回は、敏樹先生が駆け出し時代に出会い、その後の私生活をも脅かすことになる「恐るべき男」について語ります。


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▼内容紹介(Amazonより)
「仮面ライダーアギト」「仮面ライダー555」をはじめ、
平成ライダーシリーズの名作を送り出した脚本家による、
荒唐無稽な世界を多彩な文体で描き出す、異形のエンターテインメイント! 
(Amazonでのご購入はこちらから!)

PLANETSチャンネル会員限定!
入会すると視聴できる井上敏樹関連動画一覧です。

(動画1)井上敏樹先生、そして超光戦士シャンゼリオン/仮面ライダー王蛇こと萩野崇さんが出演!(2014年6月放送)

(動画2)井上敏樹先生を語るニコ生も、かつて行なわれています……!仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!(2014年2月放送)

(動画3)井上敏樹先生脚本の「仮面ライダーキバ」「衝撃ゴウライガン!!」など出演の俳優、山本匠馬さんが登場したニコ生です。(2015年7月放送)

(動画4)『月神』発売を記念し行われた、敏樹先生のアトリエでの料理ニコ生です!(2015年11月放送)

■井上敏樹先生が表紙の題字を手がけた切通理作×宇野常寛『いま昭和仮面ライダーを問い直す』もAmazon Kindle Storeで好評発売中!(Amazonサイトへ飛びます)



これまでPLANETSチャンネルのメルマガで連載してきた、井上敏樹先生によるエッセイ連載『男と×××』の記事一覧はこちらから。(※メルマガ記事は、配信時点で未入会の方は単品課金でのご購入となります) 

▼執筆者プロフィール
井上敏樹(いのうえ・としき)
1959年埼玉県生まれ。大学在学中の81年にテレビアニメの脚本家としてのキャリアをスタートさせる。その後、アニメや特撮で数々の作品を執筆。『鳥人戦隊ジェットマン』『超光戦士シャンゼリオン』などのほか、『仮面ライダーアギト』『仮面ライダー龍騎』『仮面ライダー555』『仮面ライダー響鬼』『仮面ライダーキバ』など、平成仮面ライダーシリーズで活躍。2014年には書き下ろし小説『海の底のピアノ』(朝日新聞出版)を発表。


   男 と 男   井上敏樹

昨日、電車に乗ると向かいの席の男に見覚えがあった。さて、誰だったかとしばらく考えて思い当たった。それは本人ではなかったが、私を脚本の世界に引き込んだ男に似ていたのである。額が大きく、鼻が高く、なによりも顔全体がひどくでかい。よく「でかい顔するな」という脅し文句を聞くがそんな台詞が虚しくなるほど大きい。座っていると顎の先が膝に着きそうである。それはそのまま男の自己主張の強さを物語っているようだった。

その男は出会った当時、ある大手の映画会社のプロデューサーをしていた。仮りに名前をSとするが、Sは私の父親と一緒に仕事をしていてその関係で私と知り合ったのである。酔った父が真夜中にSを家に連れてきて、その時、私はまだニキビだらけの高校生だった。当時の父は脚本家しての終焉に差しかかっており、私が大学生になると完全に駄目になってそうして私が父の跡を継いだのである。全くの素人である私に脚本のイロハを教えてくれたSはある意味で恩人なのだがこれがテレビのキャラクターとしても無理があるほど強烈な個性の持主であった。まず、肉体的にも精神的にも体力が凄い。実際、大学生の私は四十代のSに常時圧倒されっぱなしだった。仕事の打合せが終わると飯を奢ってくれ、それは大変ありがたいのだが、まず大抵は焼肉で、ハラミだのミノだのカルビクッパなどをマッカリを飲みながら腹に詰め込み、その後で必ずクラブに行く。


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