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山田玲司のヤングサンデー 第243号 2019/6/17

「ほむら」という母と「種」の話

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「もし殴られてそうな子供がいたら すぐにオレに言え」

これが今回ヤンサンに出てくれた我が同士Kダブシャインの歌詞(ライム)の一節だ。


「虐待されてる子供がいたら俺が助ける」という、まさに70年代ヒーローそのもののライムだ。


そしてこの曲の最後には「もし殴られてそうな子供がいたら すぐお前が行け」と終わる。


これもまた「ウルトラマンは君だ」「世界を救うのは君達なんだ」という、当時のヒーロー物コンテンンツマナーに重なる。


Kダブは一人っ子の母子家庭で、体が弱い子供だったので、とにかく家ではテレビに熱中していたという。


そんな彼が観ていた当時のアニメや漫画などのコンテンツには「戦争体験」や「学生運動の敗北」を抱えたクリエイター達の想いが乗っていた。


僕もそれらを観て育った子供の一人なので、そのコンテンツに込められた「作り手の想い」を猛烈に食らっている。


ワクワクしながら番組を観ていて、痛快に終わる回もあるけど、最後「人としてどうあるべきか」とか「世界を守らなくては」とか考えさせられて終わる回も多い。


僕が環境問題や反戦に熱いのもここから始まっている。



この頃のクリエイターは「痛みを知る者達」で「時代の敗北者」でもあった。

彼らの背後には沢山の「報われなかった者達」がいて、そんな仲間たちの代弁者として、次の世代(僕ら)に同じ過ち(戦争など)を犯さないように子供向けアニメや漫画、特撮にメッセージを込めていたわけだ。



僕はこのテーマを「ゼブラーマン」で描いてる。

かつての敗北者であるクリエイターが作った「ゼブラーマン」に教わった生き方(正しさ)を支えに闘い続ける主人公市川新一(ゼブラーマン)の話だ。


Kダブシャインはまるでゼブラーマンみたいだ。





今回の放送は久しぶりに肩が重かった。

普段あまり語られる事が少ないコンテンンツを語る時、それに関わった人達の想いが乗ってくるからなのだろうか?

ホントの事はわからないけど、ヤンサンをやっていると、何度もこんな経験をする。

時間がないので次のコンテンンツの話に行きたいんだけど、体が重くなって進めない感じなのだ。

気のせいかもしれないけど、誰かに「お前せっかくだからもっとこの作品の話しろよ」と言われてる感じなのだ。

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どっちにしても想いの込められたコンテンンツばかりなのだからこんな事があってもしょうがないとは思う。

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【魔女っ子のマナー】


今回特に面白かったのが「少女向けアニメ」を楽しそうに語るKダブの解説だった。

「奥さまは魔女」という海外ドラマの話から「魔女ッ子シリーズ」の黎明期と2000年代初頭の「おジャ魔女どれみ」の話まで、渋谷のドンが語るのだ。面白いに決まってる。


番組で言ったけど、魔女っ子コンテンンツはおそらく「堕天使モノ」の流れを汲んでいると思う。